シミを防げる食べ物はある? シミ予防のための食生活のヒントもご紹介

急にシミができてしまったり、肌のくすみが気になったりして「変なものでも食べたせいだろうか?」と、思った経験があるかもしれません。実際に、食べたものの影響が肌表面に現れてしまうことはあり得るのでしょうか。
この記事では、食べ物や食生活とシミ予防の関係や、シミによいといわれる栄養素などについてご紹介します。「食べ物でシミが悪化したり、改善したりするのだろうか?」と気になったことのある方は、ぜひご参考にしてください。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■「シミを薄くできる食べ物」はないけれど……

「食べ物の選び方で、シミを消せる」という、都合のよい話があってほしいもの。しかし、さすがに現実ではそうはいきません。シミを消したり、シミを薄くしたりできる魔法のような食べ物は残念ながら存在しないのですが、白い肌を守るために効果的な栄養素はいくつかあります。

【1.塗っても、摂っても美白(シミ予防)によい「ビタミンC」】
「美肌の万能成分」ともいわれるビタミンC。変質しやすいのが難点ですが、多く含まれる食べ物を新鮮な状態で積極的に摂るようにすることで、肌の調子を総合的に底上げしてくれます。特に、シミの原因となるメラニン生成にかかわる酵素「チロシナーゼ」のはたらきを抑えてくれるので、美白(シミ予防)には効果的な成分。
ビタミンCが多く含まれる食品は、以下のような品目となっています。

・キウイフルーツ
・いちご
・アセロラ
・パプリカ
・パセリ
・ゆず など

また、寒い季節の風邪予防にもビタミンCは効果的といわれています。シミ予防と風邪予防のためにも、これらの食物を意識して摂るようにしたいですね。
ビタミンCを食物から摂るときに気をつけたい点として、熱・水に対する弱さが挙げられます。そのため茹でてしまうと、ビタミンC自体の質が変わってしまう可能性も。野菜などは加熱しすぎず、フルーツ類も長時間水につけたりせずサッと洗い流す程度にするとよいでしょう。
また、せっかく摂ったビタミンCを体内で破壊してしまう喫煙は美白にも大敵です。ビタミンCを積極的に摂ると同時に、タバコはできるだけ控えるようにしましょう。

【2.肌の代謝を活性化する「ビタミンE」】
若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEも、美白(シミ予防)・美肌の両方に効果的な成分です。強い抗酸化作用が体内各所の酸化(老化の原因)を抑え、肌のターンオーバー(新陳代謝)を活発にさせるはたらきも持っているため、シミの原因となるメラニンの排出を正常に整えます。
ビタミンEが多く含まれる食品は、以下のような品目となっています。

・ナッツ類
・植物油
・あんきも
・かぼちゃ
・オリーブ
・うなぎ など

ビタミンEを摂る際に注意したいのは「過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性がある」という点。適度に摂れるよう、サプリメントなどでの摂取を考えている場合は用量を守りましょう。食物から摂取する場合は、常識的な範囲内での分量で摂っている限りさほど問題ないでしょう。

【3.メラニンの生成を抑える「エラグ酸」】
ビタミンCやビタミンEほどの知名度はありませんが、メラニンの生成を抑える成分として近年話題なのが「エラグ酸」です。ビタミンCなどと同様、メラニンの生成にかかわる酵素「チロシナーゼ」のはたらきを抑制する効果があるため、美白(シミ予防)に効果的といわれています。
また、エラグ酸はポリフェノールの一種であり、抗酸化作用の強さでも知られます。身体の老化防止にも有用なので、積極的に摂るようにしましょう。
エラグ酸を多く含む食品は、以下のような品目となっています。

・ざくろ
・ブルーベリー
・ラズベリー
・いちご
・ぶどう など

エラグ酸は過剰摂取による健康不安の可能性はありませんが、サプリメントなどで摂るときには用法を守って摂るようにしましょう。

■シミ・くすみと食生活の関係って?

先の項目では美白(シミ予防)によいとされる食べ物をご紹介しましたが、あくまで食物ですから「それさえ摂っていれば安心」というものではありません。バランスよくさまざまな食物を摂ることは、美肌はもちろん健康の基本です。

【1.ビタミン不足に要注意!】
「食生活が乱れると、肌荒れを起こしやすい」と実感した経験を持つ方は多いはずです。栄養の偏りは肌の状態にとどまらず、健康にもさまざまな影響を及ぼしてしまいます。特にビタミン類が不足すると、代謝にも悪影響。肌のハリやツヤが失われ、調子がいいときは目立たなかったシミやくすみが余計に気になってしまうかもしれません。
基本の主食とおかずを3食バランスよく食べ、その中で美肌によいといわれる食べ物を意識的に含めるようにしましょう。どうしてもバランスのよい食事がしにくいときは、サプリメントで不足したビタミン類を補完するのも手です。

【2.食だけではなく、生活習慣を規則的に整えることも!】
食生活で肌の調子が変化することに、心当たりがある方は少なくないでしょう。食生活と同時に、それ以外の生活習慣にも気を配ることで肌の状態はもっと良くできます。

・睡眠…眠る時間をしっかり規則的にとることはもちろん、睡眠の質にも注目しましょう。寝具や室内の温度・湿度など、気持ちよく眠れる工夫をすることで睡眠の質を高め、さらに身体のコンディションを整えることにつなげられます。

・ストレス…日々のストレスは避けられないという方も、その効果的な解消法を見つけるだけで肌や心身の状態は大きく違ってくるでしょう。自宅でゆったり過ごす時間を作ることや、好きな音楽を聴くなどしてリフレッシュすることなど、ストレス解消の方法は身近にたくさんあるはず。

・その他…喫煙の習慣には、肌にとってよい要素はほぼありません。美肌をめざしたいのであれば、できれば禁煙することをおすすめします。

■食生活・生活習慣プラスアルファで、攻めのシミ対策を!

食生活や生活習慣でシミ予防を意識すれば、体調の維持にもつながり良いことずくめ。現状でそれらの改善が必要だと感じているのであれば、すぐに始めてみましょう。
しかし、すでにシミのお悩みを抱えてしまっている状態なら、さらに一歩進んだケアを取り入れて積極的な対策を併用する方法がおすすめです。今ではシミは「症状」とまではいきませんが、悩みの原因となるトラブルとして意識されるようになり、クリニックでの治療で治す方も増えているのです。

【シミ治療1.ケミカルピーリング】
皮膚表面に溜まった古い角質を科学的に除去し、肌のターンオーバー(新陳代謝)の乱れを整えてメラニンを正常に排出させます。シミやくすみを改善するとともに、お肌のキメを整える効果もあります。ピーリングの後はイオン導入で美白成分のビタミンC、トラネキサム酸、ビタミンAをお肌の深部に届けます。

【シミ治療2.レーザー治療】
レーザー光線がシミの部分だけに反応して効果的に治療し、すでにあるシミを薄くできる治療法です。レーザー治療とケミカルピーリングの併用もできるため、相乗効果でさらにシミ改善効果と美白作用をアップさせられます。

上記の施術のほか外用薬などでの治療も選択でき、状態によっては施術と薬の併用をおこなう場合もあります。
いずれの治療法にも、ダウンタイム(術後、通常の生活に戻れるまでの時間)がほぼなく費用面での負担も比較的高額にならないというメリットがあります。また、副作用などの心配も少なく安全性が高い治療法です。もちろん、治療に際しては事前に綿密なカウンセリングをおこない、患者さんに合った安心な治療法だけを提案いたします。

■おわりに

この記事では、シミと食べ物・栄養素の関係や食生活のアドバイス、そして気になるシミを治療する方法のご提案についてお話ししました。
シミ予防をはじめとする美肌への取り組みとして、食生活の改善規則正しい生活習慣は欠かせないものです。それでも完全にシミを防ぐことがむずかしい場合もあり得ますので、気になるシミが現れてしまったときには治療でシミを改善するという選択肢も検討の余地ありでしょう。どうしても消せないシミのお悩みは、お気軽にクリニックにご相談ください。

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