顔のシミを消す方法は? シミの種類や、シミになりやすい部位もご紹介

顔にシミができてしまうことは、できれば避けたいものですね。しかし、シミができる部位といえば顔が圧倒的に多く、他の部分にシミがあらわれることはあまりありません。顔にばかりシミができやすい理由は、顔は終日外に出ていて紫外線を浴びる機会が多いからという単純なものです。とはいえ顔を隠して生活するわけにはいかないので、「シミを予防する」「シミを消す」という方法で対処しなければなりません。 この記事では、顔のシミの種類やシミができやすい部位、そして顔にできたシミを効果的に消せる方法について、ご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■顔にできるシミの種類にはどんなものがある?

【1.老人性色素斑】
一般的に「シミ」と呼ばれているのは、たいていはこの老人性色素斑です。シミ全体の6割を占めているといわれ、おもな原因は紫外線の悪影響といわれています。褐色の円い形か楕円形の斑で40代ころからあらわれやすくなり、年齢を重ねるごとに数が増え、範囲も広くなるといわれています。つねに紫外線の影響を受けやすい顔の部位に出るものが中心で、その他では手や腕・首にあらわれる場合がありますが、それ以外の部位にあらわれることはごく稀です。

【2.雀卵斑(そばかす)】
雀卵斑は老人性色素斑よりもかなり細かい粒のような斑点で、老人性色素斑とは異なり顔の中心(鼻の周り)など、発生する箇所がある程度限られています。雀卵斑には季節や体調によって色味が濃くなったり薄くなったりするという特性を持ち、年代的には5歳ころから目立ち始め、10代にもっとも多くあらわれる傾向があります。
また、ほぼ顔だけにあらわれる老人性色素斑に対し、雀卵斑は腕などにもあらわれやすいという特徴があります。雀卵斑は思春期をピークに薄くなり始め、20歳になるころにはかなり薄くなっていきます。ただし、子どものころから紫外線を浴び続ける環境下にいると、20歳を過ぎても薄くならないことがあります。雀卵斑の原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝的な要素であらわれるという説が現在のところ有力です。

【3.肝斑】
くっきりと目立つ老人性色素斑に対し、形が定まらずぼんやりとした形状で「色ムラ」のように見えるのが肝斑です。両頬、あご、鼻の下などに左右対称の形で30代後半ころからあらわれ始め、女性の場合閉経するころにはほぼ消えるという特徴があります。老人性色素斑ほど色が濃くならないことが多いので、メイクでカバーするなどの対処法もシミよりは有効です。
肝斑の原因はまだはっきりと解明されてはいませんが、年代によってできたり消えたりするため、基本的にはホルモンバランスが影響しているのではないかと推測されています。肝斑は女性にとても多いため、女性ホルモンが関係しているという説が有力ですが、ホルモンバランスの乱れによっては男性が発症するケースも稀にあります。

これらのほか、にきび・外傷・虫刺されなどの炎症が原因で治癒後に痕として残る「炎症性色素斑」、生まれつき特定の部位にメラニン色素が多いことであらわれる「太田母斑」などが挙げられます。

■シミができやすい顔の部位はどこ?

シミは顔にできる場合が多く、鏡を見るたびに気になり始めたら止まらなくなってしまうもの。また顔のなかでも特に、シミができやすい部分があります。ここでは、シミができやすい顔の部位や、それらの部位のシミ予防法についてご紹介します。

【1.額(ひたい)】
前髪を下ろしていれば、紫外線の影響は受けずに済む…… と勘違いしていませんか? 額(ひたい)は顔のなかでも、特にシミができやすい箇所です。その理由は、位置が高く直射日光を浴びやすいことや、先に述べたように前髪があるせいで紫外線予防を怠りがちになる点。
前髪で隠れていても日々の日焼け対策はしっかりおこない、お化粧をする日は額にもしっかりファンデーションなどを塗って念入りに紫外線予防をしましょう

【2.目の周囲】
目の周りは顔のほかの箇所よりも皮膚が特に薄く、乾燥などによって肌を刺激から守る「バリア機能」が低くなりやすい特徴を持っています。バリア機能が弱まりやすい状態であれば、紫外線の悪影響もより強く受けることになってしまいます。そのため、長年の紫外線の影響が蓄積することで一定の年齢になってシミが気になり始めるケースが多いのです。
目元はそれだけデリケートな部位なので、日ごろから乾燥対策(保湿)でバリア機能をおとろえさせないよう気をつけながら、紫外線予防もしっかりおこなう必要があるでしょう。

【3.頬の高い部分】
子どものころ海水浴などへ行って日に焼けたとき、顔のどの部位が火照って感じられましたか? おそらく、「頬の上のほう」を連想した方が多いのではないでしょうか。顔のなかで、先にご紹介した額(ひたい)と同じくらい直射日光を受けやすいのが「左右の頬骨の高い位置」です。
ある程度の年代になって顔のシミが気になり始めるのも、この部位からという方が多いようです。外出するときには必ず日焼け止めやファンデーションで紫外線予防を心がけ、さらに日傘やつばの広い帽子などで極力日光を当てないようにすると良いでしょう。

■気になる顔のシミ。消すことってできるの?

鏡を見れば、いやおうなしに目に入ってきてしまう顔のシミ。もし気になり始めたら「消したい」と思うのは、ごく自然なことです。
とはいっても、市販の美白化粧品やサプリメントなどを活用してみた結果「魔法のようにシミがきれいに消えた!」という真実味のある話は、まず聞いたことがないでしょう。化粧品や医薬部外品、サプリメントなどはあくまで「シミの発生を予防できるもの」であり、できてしまったシミを薄くしたり、消したりする効果はないと思って間違いありません。
とはいっても、「シミは1度できたら、何をしても絶対に消せない」というわけではありません。医学の力でシミを改善する「シミ治療」という方法を選択すれば、今あるシミを今よりも薄くすることはできます。
美容クリニックで受けられるシミ治療には、以下の方法があります。

【ケミカルピーリング+イオン導入】
皮膚表面の古い角質を除去して肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常に整え、新しい肌への生まれ変わりを適正に促すことでシミを徐々に改善していきます。ピーリング後にはイオン導入によりビタミンCやトラネキサム酸、ビタミンAなど多数の美白成分・美容成分を肌の奥まで届け、美白を含めたトータルな肌のメンテナンスをおこないます。

【レーザー治療】
今あるシミを早く薄くしたいときには、もっとも効果的な治療法です。レーザー光線を肌のシミが気になる部分に照射し、シミで黒ずんだ部分にだけ反応させて治療する、安全性が高い方法を採用しています。
治療後は、治療箇所が紫外線に特に敏感になるため、日焼け予防をしっかりするよう気をつけましょう。

■おわりに

この記事では、顔にできるシミの種類や特徴、そして顔のシミが出やすい部位や、シミを消す治療法についてご紹介しました。
早いうちから積極的に予防に取り組み、シミをつくらないよう気をつけていれば顔のシミの発生は遅らせることができます。しかし、どんなに予防を心がけても一生シミが1つもない顔でいることはむずかしいものです。
予防でシミをつくらないお手入れをベースにしながら、それでも顔にシミができてしまったら「治療で改善する」という方法をとって、ダブルで顔のシミ対策をしましょう。クリニックではしっかり事前にカウンセリングを実施し、患者さん個々の肌状態に合う治療法を提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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