ファンデーション

シミをカバーしたい! ファンデーションはどう使う?

シミが気になり始めると、まずはファンデーションなどのベースメイクでカバーすることを考える方が大多数でしょう。しかし、ただシミを隠そうとファンデーションを塗り重ねる方法を安易にとってしまうと、全体が厚化粧に見えてしまうことでお悩みではありませんか?
そこでこの記事では、シミを隠しながら厚塗り感を出さないファンデーションの使い方や、シミそのものを治して素肌を美しく見せるポイントについて、ご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■シミを隠すにはカバー力の高いファンデーションを選べばよい?

シミが気になり、お化粧で隠したい! と思ったときに真っ先に思い浮かぶのは、カバー力の高いファンデーションで隠すことでしょう。化粧品店やドラッグストアの売り場を見れば、驚くほど多くのファンデーションが選べます。カバー力の高さをうたった商品もたくさんあり、「これさえ選んでおけば大丈夫!」と安易に考えがちです。
しかし、カバー力だけを重視して選ぶと「いかにも顔に何かを塗った」という印象だけが過度に強いベースメイクになってしまうことも。シミが隠せれば厚化粧に見えてもよいというのであれば構いませんが、そう考える方はほとんどいないのでは?
シミを隠せるファンデーションは必要ですが、その使い方にひと工夫するだけで「ナチュラルにシミをカバーし、素肌が美しい人のように見せる」ベースメイクが完成します。次の項目では、アイテム使いとテクニックでナチュラルにシミを隠せるメイクテクニックについて、ご紹介します。

■シミを自然にカバーするファンデーションテクニック3選

【1.コンシーラーで部分的にカバーして、他は薄づき仕上げに】
普段着でお出かけする日に、フォーマルのときのような厚塗りのばっちりメイクだと違和感が先立ってしまいます。カジュアルな日のために、シミだけをきれいに隠した薄づきのベースメイクテクニックも覚えておきましょう。
手順はまず、スキンケアから化粧下地までで肌を整えてから、薄づきタイプのリキッドファンデーションやクリームファンデーションを顔全体に塗ります。次に、コンシーラーで気になるシミの部分だけをカバーします。コンシーラーにはさまざまなタイプがありますが、シミを隠すときはカバー効果の高いスティックタイプやクリームタイプのものがおすすめです。
その次に、コンシーラーを塗った箇所と周囲の境目が見えにくいよう、指や綿棒などでぼかします。コンシーラーを塗った部分が目立たない状態になったら、フェイスパウダーを顔全体にはたいて仕上げます。パウダーもあまりマットな質感にならないものを選び、厚塗り感が出ないように配慮するとよいでしょう。
最近流行のクッションファンデーションを使用する際にも、この手順(化粧下地→ファンデーション→コンシーラー→パウダー)でベースメイクをしましょう。

【2.パウダーファンデーションでなめらかにシミをカバー】
パウダーファンデーションで陶器のような肌に仕上げたい場合には、コンシーラーを使用する順序が異なります。
まずスキンケアから化粧下地で肌を整え、そのあとすぐにコンシーラーをシミの部分に塗ってカバーします。その上からパウダーファンデーションを重ねて、セミマットな質感に仕上げましょう。
パウダーファンデーションを上から重ねる場合、コンシーラーを塗ったあとに綿棒などで境目をぼかすことを念入りにしましょう。コンシーラーが多めに付いている状態のままパウダーファンデーションを重ねると、コンシーラーの部分だけが浮いて見えてしまうこともあります。

【3.コンシーラーのタイプと色選び】
シミを部分的にカバーしたいときは、コンシーラーのタイプは少し硬めで肌によくフィットする、ペンシル状やスティック状のものがおすすめ。透明感の高いチップタイプの液状コンシーラーは目のクマなどには良いのですが、シミ隠しにはあまり向いていません。肝斑など、薄くぼんやりした色ムラのようなシミを隠すときには、肌の色に合わせて複数の色を混ぜ合わせられるパレット型の練り状コンシーラーが向いています。

■どうしても隠しきれないシミは、美容医療で改善する方法も

ファンデーションでシミをきれいに隠せるうちは良いのですが、カバーしきれないシミが目立ってきたら「少しでもシミを薄くできないか」と考える方も多くなります。
シミを実際に薄くできる方法といえば、やはりクリニックで実施している美容医療による治療でしょう。「敷居が高そう」「人から見られる仕事でもないのにそこまでするのは……」と思うかもしれませんが、意外に美容医療は身近になってきています。

また、クリニックで実施されているシミ治療は安全性が高く、副作用の心配も最小限に抑えられています。治療法の普及によって品質は向上し、価格は低下している状況ですから、もうシミ治療は特別な人のためだけのものではなくなったといえるでしょう。
美容皮膚科クリニックで実施されているおもなシミ治療には、以下の方法があります。

【1.ケミカルピーリング+イオン導入】
ピーリングでは肌表面の古い角質を優しく除去し、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を正常に整えます。ターンオーバーが活発になれば古い角質が代謝されていくため、メラニン色素の排出もスムーズになってシミを薄くしていくことができます。
ピーリング後に行うイオン導入では、シミに効果がある美白有効成分「ビタミンC」「トラネキサム酸」「ビタミンA」などの美白有効成分を真皮の部分まで浸透させ、肌内部で効果的に作用させます。シミのお悩みのみならず、肌を活性化させてエイジングケアにも効果的な治療法です。

【2.レーザーフェイシャル】
肌におだやかなレーザーを照射し、皮膚の働きを活性化させることで肌にツヤやハリを与え、若返らせる治療法です。皮膚のターンオーバーが正常に整うため、シミを早く薄くすることも期待できます。
また、痛みなどの副作用の可能性が低いため、美肌ケアの一環として気軽に取り入れ、定期的に施術を受けられるのが魅力。美容医療としては価格もリーズナブルなので、エステの美顔ケアから一歩進んだメンテナンス方法としてもおすすめです。

【3.レーザーによるシミ治療】
こちらはシミがある部分だけに刺激を与えてピンポイントでシミを消す方法です。一般的に「レーザー治療」と、呼ばれている場合この方法を指すケースが多いでしょう。とにかく気になるシミがあり、それを早く消したいという方にはおすすめです。
シミのように色素が濃くなった部分にだけ反応して作用する特殊なレーザーを使用するため、回数は少なくて済みますが一時的に治療箇所の色が濃くなる「炎症後色素沈着」が生じることもあります。そのため、信頼できる医師のもとで治療を受けることをおすすめします。

【4.光治療(BBL・フォトフェイシャル等)によるシミ治療】
こちらは、レーザーとは異なる比較的マイルドな光を、シミのある所だけでなく全体に照射することで、シミだけでなく全体の肌のキメ・質感を改善させる、総合的なエイジングケア治療として人気です。
ダウンタイムもなく安全性の高い治療法なので、初めて美容医療を受ける方にもおすすめの治療法です。

ファンデーションでシミを隠すためには、多少の時間や手間がかかります。もちろん、時間や手間をかけてしっかりカバーできる時間の余裕があるなら、その方法を続けてもよいでしょう。しかし、仕事に行く朝などできるだけ簡単にメイクを済ませたいなら、シミを消しておけばベースメイクの時短にもなります。
シミをファンデーションで隠すテクニックを身につけつつ、どうしても隠せなくなったときにだけ美容医療で治すという方法もおすすめ。

個人に必要な治療を皮膚科専門医がプランして、費用を気にせず定額で受けられるシミ・くすみ治療プランもあります。
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■おわりに

この記事では、シミが気になるときにうまくカバーするためのファンデーションテクニックや、できてしまったシミを美容医療で治療して根本から改善する方法についてご紹介しました。
ファンデーションで上手にカバーできるテクニックを身につけておくと、ナチュラルメイクなのにシミが目立たない肌を実現できます。基本のコンシーラー使いをマスターしておき、もしファンデーションでシミをカバーしきれないと感じ始めたら、最終手段として美容医療を選択する方法も意外に現実的でしょう。

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