未来の肌が変わる!美肌をつくり、維持するための食べ物とは?

コンビニ弁当や外食が続いたり、同じメニューばかり食べたりしていると、肌の調子が悪くなったという経験はありませんか?「肌は内臓をうつす鏡」とも言われていますが、偏った食事はダイレクトに悪い影響を及ぼす可能性があります。肌トラブルが続いている人は、栄養バランスがとれていないサインかもしれません。
今回は、食べ物と肌の深い関係についてご紹介します。美肌におすすめの食べ物や、栄養価をアップさせるための知識を身につけて、日々の食生活に役立ててください。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■肌を元気にする栄養素と代表的な食べ物とは?

私たちの肌は細胞によって構成されており、細胞が代謝を繰り返すことで日々新しく生まれ変わっています。まずは、美肌をつくり出す栄養素と多く含まれる食べ物についてご紹介します。

・肌にハリやツヤ、弾力を与える「たんぱく質」
たんぱく質は、私たちの身体を構成する大事な栄養素。美肌成分として知られるコラーゲンもたんぱく質の一種で、肌のハリやうるおいを保つだけでなく、たるみやシワの予防にも役立ちます。含まれている食べ物は、肉や魚、卵、大豆のほか、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品です。
1日に摂る理想的な量は、「肉と魚、大豆製品を1回ずつ、卵1個、牛乳と乳製品を2回」ですので、これを3食に振り分けて摂ると良いでしょう。

・肌の代謝を促し、ターンオーバーを正常にする「ビタミンA」
ターンオーバーとは、肌の生まれ変わりのサイクルを指します。肌がゴワゴワに感じることや、繰り返す吹き出物が気になるなら、この周期が乱れている可能性があります。そんなときは肌や粘膜のうるおいを保ち、代謝を高めてくれるビタミンAを積極的に摂りましょう。
レバーやうなぎのほかに、人参、ブロッコリー、かぼちゃなどの緑黄色野菜にも豊富に含まれています。

・ニキビの改善、予防に効果的な「ビタミンB群」
ビタミンB群のなかでも、ビタミンB2・B6は皮脂の分泌を抑える作用があるため、ニキビの予防に繋がります。ビタミンB2は卵や牛乳、納豆、レバー、アーモンドなどに、ビタミン B6は唐辛子やにんにく、パセリなどに多く含まれています。
30代を過ぎて急に肌がベタつくようになった人や、疲れがとれにくい人はビタミンB不足かもしれません。また、ビタミンB6は脳や神経の働きもサポートしてくれるので、心身ともに健康でいるためにもこまめに摂っておきたい栄養素です。

・コラーゲンの産生を促し細胞を守ってくれる「ビタミンC」
ビタミンCは、「ビタミンC誘導体」という名前で化粧品に配合されていることが多く、外側から補うときも肌に有効な成分として知られています。しかし、ビタミンCを体内に取り入れると、コラーゲンの合成をサポートしたり、強い抗酸化力で細胞が「サビる」ことを防いだりしてくれます。このため、エイジングケア対策としてもおすすめしたい栄養素の1つです。
多く含まれている食べ物は、パプリカ(赤)、パセリ、ピーマン、ブロッコリー、柿、キウイなどですが、アセロラジュース、ローズヒップティーといった飲み物でも手軽に補うことができます。

・若返りのビタミンとして知られる「ビタミンE」
いつまでも若々しい肌を保ちたいなら、ビタミンEがおすすめです。ビタミンEはビタミン類のなかでも強い抗酸化力を持つため、細胞の「サビ」を防ぎ、シミやシワ、くすみに作用してくれる栄養素です。また、女性ホルモンの分泌をサポートしたり、血行を促進したり、肌にツヤを与えたりする効果も期待できます。ビタミンと聞くと「一定量を超えると体外に排出されるのでは?」と思いがちですが、ビタミンEは脂溶性のため、ある程度の量は体内に蓄積することができます
多く含まれている食べ物は、肉や魚をはじめ、ナッツ類(アーモンド・ピーナッツなど)や油類(ひまわり油・米ぬか油など)など。ほうれん草やかぼちゃといった緑黄色野菜にも含まれています。

これらの食べ物はほんの一例ですが、ほかにも食物繊維が豊富なきのこや海藻類、根菜なども毎日取り入れたいところ。さまざまな食材をまんべんなく食べることで、相乗効果を発揮する栄養素も多いのです。とくに栄養バランスに優れた「和食」を、1日1回食卓に並べるようにするとなお良いでしょう。

■“生きた食品”を摂って腸内をキレイに

「便秘が続くと肌の調子が上がらない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。素肌力を上げるなら、腸内環境を整えることも重要なポイントの1つです。もし腸内で悪玉菌が増えると有害物質が発生し、せっかく摂取したたんぱく質やビタミンB2・B6が失われて肌トラブルを起こす可能性があるからです。また、便秘によるイライラが自律神経を乱し、血行不良から肌に十分な栄養や酸素が届きにくくなるというデメリットも生じます。
腸内環境を整えるコツは、“生きた食品”を摂ること。例えば、乳酸菌たっぷりのヨーグルトや納豆、酸味のある漬けものは、善玉菌の増殖をサポートします。ほかにも、食物繊維や酵素が豊富に含まれている果物や豆類などもおすすめです。
腸内の菌は常に入れ替わっているので、毎日の習慣にすると良いかもしれません。味に飽きたときは、ヨーグルトに旬の果物を足して食べてみると良いでしょう。納豆もキムチやぬか漬け、チーズ、海藻などと組み合わせれば栄養価もアップして一石二鳥です。

■栄養価をアップさせる野菜の保存方法と調理法

肉や魚であれば、調理法で栄養が極端に失われる心配はありませんが、野菜は保存方法やどのような調理法を選ぶかで、栄養素の質や量が変わることがあります。ここでは、野菜の栄養を最大限に引き出す保存方法と調理法の一例をご紹介します。

・おすすめの保存方法
野菜の保存方法は、鮮度を保つうえでも常に心がける必要があります。例えば、トマトを冷蔵庫に保存すると、美肌効果の高いリコピンが60%まで減少してしまいます。夏でも日陰の風通しのいい場所に保存し、ヘタを下にしておくと鮮度が保たれます。また、ビタミンCが豊富なブロッコリーやかぼちゃは、酸化を防ぐために冷凍庫で保存するのがおすすめ。汁気も残さず使うのが、ビタミンCを有効に活用するコツです。
さらに、きのこ類は冷凍すると栄養価がアップするうえ、旨味成分も強くなります。購入後はすぐに使えるような状態で保存袋などに入れ、冷凍庫に入れておくと良いでしょう。

・おすすめの調理法
煮る、焼く、蒸す…などさまざまな調理法がありますが、調理過程のなかで含まれる栄養のほとんどが失われている可能性も。栄養素の性質によって調理法を使い分けることを意識してみましょう。
例えば、ビタミンAは油と合わせることで吸収率が格段に上がりますし、水に溶けやすいビタミンB類・Cは、「茹でる」より「蒸す」ことで、ある程度の栄養を残すことができます。おすすめはスープ料理。溶け込んだ栄養をそのまま取り入れることができます。
1つ気をつけたい点は、「皮を剥く」ことや「水にさらす」ことです。場合によっては栄養を減らす原因に繋がってしまうので、必要最低限にとどめておくことが大切でしょう。

■おわりに

肌のためには食生活も大事ですが、紫外線を浴びすぎない、スキンケアを怠らない、規則正しい生活を送るなどの習慣も大切です。また、手遅れになってしまったシミやシワなどは美容クリニックなどでの治療にお任せするのも一案。食生活の面では栄養を意識した「美肌メニュー」で、今よりもっとキレイな肌を目指しましょう。

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