オイルは美肌の味方? 効果的に取り入れて、最適なケアを!

美容のために、オイルを活用する方が増えています。特に、美肌のためスキンケアにオイルを取り入れることが静かなブーム。どんなオイルを、どのように使うことで美肌効果が期待できるのでしょうか。
この記事では、美肌と深いかかわりのあるオイルについて、くわしくご説明します。「オイル美容を始めてみたい」「オイルの種類にくわしくなり、使い分けをしながら美肌ケアに役立てたい」などとお考えの方は、ぜひご参考にしてください。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■美肌効果が期待できるオイルの種類とはたらき

オイルが美肌に良いといっても、スキンケアに使えるオイルの種類だけ挙げていっても実にたくさんの種類があるもの。どんなオイルを選べば、どのような効果が期待できるのかくわしく知りたいという方も多いでしょう。 ここでは、美肌ケアに使えるオイルの種類と、それらに期待できるおもな効果についてご紹介します。

1.ホホバオイル
ホホバという植物の種子から採られるオイルで、古くからスキンケアやヘアケアに配合され、保湿成分として活用されています。皮膚を乾燥から守るほか、気になる皮脂分泌のバランスを良くする作用もあるといわれています。オイルなのに肌質によってはニキビケアとして使えるなど、人の皮膚との親和性がとても高い点が魅力のひとつ。

2.スクワランオイル
動物・植物が持つ油分に含まれるスクワレンという成分を精製・加工したオイルで、特に魚のサメから抽出したスクワランオイルが良く知られています。人の皮脂にとても近い性質を持つといわれており、皮脂不足でバリア機能が低下して乾燥しやすくなった肌を保護するには最適とされています。

3.ココナッツオイル
食用としての健康効果でスーパーフードとしてブームになったココナッツオイルですが、スキンケアとしてもすぐれた効果を発揮してくれるといわれています。ココナッツオイルはご存じのとおりヤシの実から採られるオイルですが、低分子であるという特徴を持ち、お肌の角質層への浸透性が高いとされる点でスキンケアにも適しています。保湿効果が高いほか、抗炎症成分を豊富に含むため、適量を用いればニキビ予防などにも良いとされています。

4.アルガンオイル
アルガンという植物の種子から採取するオイルで、とても希少性が高い点で知られています。アルガンオイルはさまざまな植物性オイルのなかでも、特にビタミンEの含有量が高いという特徴があります。皮膚の保湿だけではなく、エイジングケア効果も期待できるといわれている点は、豊富なビタミンE(若返りのビタミン)に起因するところも大きいでしょう。

■オイルの効果的な使い方や、使用時の注意点は?

オイルをスキンケアに使用すると、保湿効果をはじめとするさまざまな作用が期待できることがわかりました。しかし「お手入れのどの順番に取り入れたら良いの?」「1度の使用量はどのくらいが目安?」など、使用法に関する疑問も少なくないでしょう。 ここでは、オイルの肌悩みに応じたさまざまな使い方や、使うときに気をつけたい点についてご紹介します。

【1.化粧水の後の乳液・クリーム代わりに】
化粧水の後のクリームや乳液が合わない方や苦手な方は、化粧水後のお手入れにオイルを使用するのもおすすめです。化粧水で補った水分を逃がさないよう蓋の役割をし、すぐにお肌が乾燥してしまうことを防いでくれます。ただし、つけすぎるとべたつきやテカリの原因になってしまうため、1~2滴ほどを手のひらで薄く伸ばしてからお顔全体へなじませるのがコツです。

【2.超乾燥肌に!洗顔後すぐにオイルを使う方法】
とにかくひどい乾燥でお悩みという方には、洗顔後いつものスキンケアに入る前に、オイルを使う方法もおすすめです。この場合も、洗顔してタオルで水分を除いた肌に1~2滴ほどのオイルを薄く伸ばします。角質層への浸透が期待できる、低分子のオイルを選ぶことがポイント。肌表面を柔軟にしてくれるため、次につける化粧水をはじめとしたスキンケア品のなじみを良くしてくれるといわれています。

【3.日中のオイル使いで「油焼け」と呼ばれる日焼けを防ぐには?】
「オイルは油焼けを引き起こすので、日中のスキンケアには使えない」と、思っている方も多いでしょう。しかし、用法を守れば日中の油焼けを防げるばかりか、逆に日差しからお肌を守ってくれるオイルもあります。
日中のスキンケアにおすすめのオイルですが、先にご紹介したホホバオイル、スクワランオイル、ココナッツオイル、アルガンオイルの4種とも、朝や日中にお使いいただけます。その理由は、いずれのオイルにも抗酸化成分が豊富に含まれている点です。乾燥でファンデーションなどのベースメイクがうまく仕上がらないときは、油性の化粧下地や液状ファンデーションにごく少量混ぜると、仕上がりをきれいにしてくれます。

【4.オイルを美肌ケアに使う際の注意点】
オイルは鮮度が大切です。まず、お肌につける場合には新鮮で酸化が進んでいないオイルを選ぶことが第一条件。古くなってしまったオイルは、酸化している可能性があるのでお肌に直接使用することは控えましょう。
また、油を直接皮膚に塗るのですから、分量が多すぎればべたつく原因に。あくまで少なめの量を薄くぴったり伸ばすことを意識しながら、お顔に使用するのがコツです。脂性肌やニキビが気になる方にもオイルケアは有効ですが、普段からTゾーンや顎などの皮脂が気になる方は、そこだけオイルの使用を控えるなど調整しながら使用しましょう。

■オイルの活用と組み合わせて取り入れたい、美肌のためのケアとは

オイルには、美肌に効果的なポイントが多くあることがわかりました。しかし、オイルもあくまで化粧品ですから、すでに起こってしまっているシワやたるみを改善することはむずかしいと考えた方がよいでしょう。
肌の調子を整えたり、肌荒れを予防したりすることはオイルの得意分野です。しかし、シミ・シワ・たるみなどのお悩みをお持ちなら、それらを積極的に改善する方法を別途検討することもおすすめです。
美容医療によるシミ・シワ・たるみの改善方法には、塗り薬でシミを治せる方法や光を照射してお肌に作用させる方法など、傷や強い刺激をともなわない治療法も増えています。また、治療が大がかりにならないということは、かかる費用も高額になりすぎずに済むということです。今では通院だけで施術を受けられる治療が中心になり、病院で肌悩みを解決することに対するハードルは以前よりぐんと下がっているのです。
日ごろのオイルケアで肌の調子やツヤをキープしながら、ときどき肌のお悩み解決のために治療を受けるなどのサイクルで、より積極的に美肌を保つ方法もぜひご検討ください。

■おわりに

この記事では、最近美肌ケアアイテムとして良さが見直されているオイルについてご紹介しながら、オイルを効果的に使用して美肌を保つ方法などをご紹介しました。
油はことさら食用面では「太る」といわれ、肌悩みの面ではテカリやニキビの原因として敬遠されがち。しかし、人の身体の全成分のうち1~2割は油分(脂肪)が含まれていて当然です。油は人の生命に欠かせないものですから、正しい使用法を知って上手に付き合うとよいでしょう。特に、女性が美と健康を守るには「ケア&メンテナンス」が大事。オイルをお手入れに取り入れて「ケア」を意識しつつ、美容医療の力を借りるなど「メンテナンス」の取り入れ方も考えてみましょう。これを機会に、末永く美肌をキープするための前向きな取り組みを始めてみませんか?

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