なぜできる

シワはなぜできてしまうの?シワの原因と仕組みを知ろう

鏡を見ていて、新しいシワを見つけてしまうとその日1日は気分が沈んでしまう…という人もいるのでは?一気に顔を老けて見せてしまうシワ。できれば、これ以上は増やしたくない!と思っても、何に気をつければよいかわからないという人もいるかもしれませんね。
この記事では、シワの種類とその原因、シワができてしまう仕組みなどについてご紹介します。日常生活の中のあんなこと、こんなことがシワの原因を作っていたかもしれません。予防にも役立つシワの基礎知識を、ぜひこの機会に押さえておきましょう。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■シワができる仕組み

シワとは、表情の変化などによる顔の筋肉や皮膚の運動が長期間にわたって繰り返されることで刻まれる溝を指しています。ただし、皮膚の内部にうるおいが保たれ、肌の弾力が維持できている状態であれば、表情の変化などの影響は受けにくくなります。乾燥や加齢・紫外線の影響などさまざまな要因で肌内部の弾力が低下してしまうと、シワができやすくなります。
次の項目では、シワの種類についてご紹介します。シワはどれも同じものではなく、原因や程度によって大きく3種類に分けられます。

■【シワの種類1】ちりめんジワ(乾燥ジワ)

肌の表皮(角質層)の乾燥が続くことによってできる細かなシワです。「小ジワ」とも呼ばれ、目尻や目の下、口の周りなど皮膚が薄い箇所にできやすくなります。角質層のターンオーバーが不調のときにもできやすいシワですが、シワ自体が浅く細かいため、保湿や生活習慣の見直しだけでもかなり改善できる可能性があります。
ただし、油断して何のケアもせず放っておくと、シワが深く大きくなってしまい、改善が難しくなります。手遅れになってしまう前に、予防を兼ねた早めのケアで深いシワになってしまうことを防ぎましょう。

■【シワの種類2】表情ジワ

表情の変化によって、影響を受けやすい皮膚の一部分が折り目のようにシワになってしまう状態を指します。表情の癖によって、シワになりやすい箇所が異なってくる点も特徴で、よく笑う人は目尻にシワができやすくなりますし、あまり笑わずしかめっ面ばかりしていると、眉間に縦ジワが刻まれやすくなります。
これらのシワは、よく動く部分の筋肉が状態を記憶してしまう、いわば「癖」のようなものですが、その状態のままケアせずに放っておけば、やはり加齢による深いシワへと移行してしまいます。表情によるシワは、若いうちはあまり見た目の老化に関わらないともいえますが、年齢を重ねて深いシワになってしまったり、シワの箇所によっては顔立ちそのものに寂しい印象や怖いイメージを与えてしまったりすることもあるため、気になる箇所の表情ジワは表情の改善も含めたケアを早いうちから行っておくとよいでしょう。

■【シワの種類3】真皮によるシワ

肌表面の角質層だけでなく、さらに奥の真皮層にまで刻まれてしまった深いシワを指します。1度刻まれてしまうと取ることが難しく、目尻や目の下、口角の部分などのほか、額の横ジワなども深いシワになりやすい部分です。
原因は加齢によるものと思われがちですが、年を重ねたことでさまざまな原因も長年積み重なってしまったことが原因ともいえます。
このシワができてしまうと、根本的な改善が難しくなってしまうため、この状態までシワが進行する前にお手入れや対策をしっかり行っておくことが、予防の肝でしょう。

■シワをつくる原因はどんなもの?

シワの原因は、年齢によるものだけではありません。元をただせば、皮膚の老化そのものもさまざまな悪条件を、長い年月強い続けていれば早く始まってしまうものです。老化の始まりをできるだけ遅くすることが、シワの予防につながるといえるでしょう。
ここでは、シワを作ってしまうさまざまな原因についてご紹介します。

1.紫外線
シワの原因のなかでも一番の元凶といわれているのが紫外線です。「紫外線は、シワではなくシミを作るものでは…?」と思った方もいるでしょう。しかし、紫外線は日焼けやシミを作るだけではなく、肌の深い部分にも悪影響を与えるものです。
UV-Bという波長の短い紫外線は、肌表面にやけどのような状態を負わせ、日焼けを作ります。いっぽう、UV-Aという波長の長い紫外線が、肌の「光老化」に大きく関わってくるのです。真皮にあるコラーゲンやエラスチンなどの弾力成分を減少させ、シワやたるみといった老化現象を促進してしまうのがUV-Aによる悪影響です。

2.更年期などによる女性ホルモンの減少
女性ホルモンは、真皮でのコラーゲン・エラスチンの生成に大きく関わります。更年期などを迎え、加齢によって女性ホルモンが少なくなれば、真皮の弾力成分の減少につながり、シワやたるみが起こりやすくなります。

3.肌の乾燥
肌表面が乾燥している状態を長い間放っておくと、肌表面の角質層でバリアのはたらきをしている細胞間脂質(セラミド)が減少し、外界の悪影響を受けやすくなります。バリアが弱くなってしまうことで、真皮層のコラーゲンやエラスチンなどもどんどん減少してしまい、シワになりやすくなるのです。

4.筋肉のおとろえ
顔にも「表情筋」という筋肉があります。この筋肉のはたらきが低下すると、顔の表情にも緊張感がなくなり、皮膚は重力に耐えられずだらんと垂れ下がった状態になってきます。
また、顔の筋肉が凝っていることで老廃物の排出が促されず、肌の調子が低下してシワの原因となることもあります。表情筋エクササイズやリンパの巡りを整えるマッサージなどを正しく行い、表情筋のメンテナンスをしっかり行うことで、シワを予防しましょう。

5.肌をこするなどの刺激
ちりめんジワの原因は乾燥と先に述べましたが、加えて摩擦も大きな要因となります。洗顔時に、手やタオルなどで顔の表面をゴシゴシ強くこすっていませんか?口元や目元など皮膚がデリケートな部分は、すぐに摩擦の影響を受けてしまいます。
洗顔やマッサージのときも、顔の表面に無理な力を極力加えないことを意識しながら行いましょう。

6.食生活や睡眠など、生活習慣の乱れ
顔の皮膚や筋肉も、食べたものから生み出されていますし、肌の生まれ変わりに関わる成長ホルモンは、睡眠時間のうちに多く分泌されるといわれています。つまり、食生活や睡眠のサイクルが乱れると、肌にも多くの悪影響があるのです。
肌を作る良質のたんぱく質や、体の巡りをサポートするビタミン類をしっかり摂り、就寝時間は24時をできるだけ過ぎないようにして寝不足を防ぎましょう。これだけでも、栄養不足や慢性的な肌荒れ・乾燥から生まれるシワを予防できます。また、食生活では塩分を摂りすぎないことも大切です。塩分のとりすぎはむくみを引き起こし、重みで皮膚が垂れ下がることによってシワの原因なってしまいます。

■おわりに

この記事では、シワはどのようなものなのかという説明をはじめ、シワの種類や原因についてご紹介しました。
シワは老化による肌のおとろえだとあきらめていた人も、その老化を遅らせる対策は生活の中でできるとわかれば、予防をさっそくはじめようという気持ちになれたのではないでしょうか。
ただ、深いシワができてしまってからは、原因を取り除いても改善が難しいこともあります。そのような場合には、今はリスクの少ない美容医療で改善するという方法も選びやすくなりました。シワを整形せずに改善する治療や、終わったらすぐにお出かけできるシワ治療など、気軽に受けられるシワ治療の選択肢も増えましたから、お悩み相談を兼ねて気軽に美容クリニックを訪ねてみてもよいでしょう。

あわせて読みたい

シワの原因を知るにあたり、皮膚の詳しい構造やはたらきまで遡って、肌がシワを作るまでのメカニズムについてご説明しています。皮膚はどのようなプロセスで衰え、シワになるのかを知ることで、効果的な予防や対策につなげましょう。