ほうれい線

ほうれい線は、ほかの表情ジワとは違う!?たるみ防止のケアとは

ほうれい線とは、鼻の両脇から口の両端まで伸びる2本のシワのことをいいますが、ほうれい線があると途端に老けた印象になり、見た目年齢を大きく左右してしまいます。
ほうれい線に対し、顔の他のシワと同じようにケアをし「なかなか消えない……」と悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、ほうれい線は、ほかのシワとは違い、肌のたるみによるものです。そのため他のシワと同じケアでは、なかなか消えてくれないのです。
こちらの記事では、ほうれい線を改善するための対策についてご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■ほうれい線は、たるみによってできた境界線

座っているときに観察されるほうれい線が、寝たときには86%消失することから、ほうれい線はほかの表情ジワと同じものではなく、たるんだ頬と口や鼻との境界線であるといわれています。表情ジワは無表情になると消えますが、ほうれい線は無表情になっても消えません。ほかのシワに比べると非常に深いシワなので、シワ用の化粧品などは、ほうれい線にはほとんど効果がないようです。
たるみは、年を重ねるにつれて、表皮、真皮、皮下組織の成長が止まり、その下の脂肪や筋肉が小さくなることによって起こると考えられています。表情筋の筋力が低下すると、顔の皮下脂肪を支えることができなくなり、それがたるみとして現れるのです。
一度たるんでしまった肌は、なかなか元に戻らないともいわれています。紫外線を浴びると、そのダメージで皮膚にシワができやすくなります。そしてその影響でたるみも起こりやすくなります。逆に、紫外線をめったに浴びないお尻などの皮膚は、年を重ねてもあまり肌年齢が変わらないそうです。
そうした点からも、まずは日焼け止めクリームなどで紫外線を避けることが、ほうれい線対策にとっても大切だといえるでしょう。

■ほうれい線は「たるみ」だから筋肉を鍛えて改善

顔には50種類もの筋肉があり、ふだん私たちはその3割程度しか使っていないといわれています。顔の筋肉は、ほかと比べて非常に繊細といわれている一方で、エクササイズをすれば効果が出やすいともいわれています。大きく表情をつくって話したり、食事のときにたくさん噛んでゆっくり食べたりすることでも、表情筋を鍛えることができます。
ほうれい線に特に関係しているのは、口の周りにある「口輪筋」「大頬骨筋」「小頬骨筋」「笑筋」です。なかでも口輪筋は、顔全体の表情筋の70%とつながっているため、ここが衰えてしまうと、つながっている筋肉まで伸びてしまい、老け顔の印象が大きく増してしまいます。まずはこの筋肉から鍛えるとよいでしょう。
また、たるみの原因として猫背も指摘されています。デスクワークをしているときや、スマートフォンを操作していると猫背や首猫背になりやすく、たるみやすくなってしまいます。デスクワークの際や、スマートフォンを操作するときの姿勢にも注意しましょう。

■ほうれい線対策・エクササイズとマッサージ

ではここで、具体的なエクササイズの一例をご紹介します。

・口を長いOの字に開き、鼻の下の部分と唇を前歯に押し付けて30秒キープ。
・口を開く→戻す を10回繰り返す。
・舌を口の中で回す。頬の内側からまず、時計回りで10回、その後逆時計周りで10回。
・舌をアイロン代わりにするイメージで、ほうれい線を伸ばすように内側からなぞる。

終わった後に、頬が疲れたような筋肉痛のような感覚があれば、正しくエクササイズできています。この表情筋のエクササイズをおこなうときのポイントは以下の2点です。
ひとつは、身体の筋肉トレーニングと同じように、鍛える筋肉の構造と場所をよく理解してイメージしながらおこなうこと。もうひとつは、1日10~15分程度のトレーニングを3週間以上続けることです。
このエクササイズのほか、頬の筋肉を動かすようにマッサージをするのもおすすめです。ほうれい線付近だけではなく、顔回りの筋肉をほぐすことで、結果的に頬の筋肉が動きやすくなり、改善につながります。マッサージをするときには、肌がこすれてしまわないように、十分な量のマッサージクリームを使用してください。

■ほうれい線対策・スキンケアと栄養

シワもたるみも、コラーゲンの変性が原因です。シワやたるみの部位別にたくさんの化粧品がつくられ、販売されていますが、求められる機能は同じです。ビタミンC誘導体、レチノール、ピーリング剤などがコラーゲンを増やすのに大切な成分ですから、これらの成分を含む美容液を1本、ほうれい線対策として、毎日のスキンケアに取り入れてみるとよいでしょう。
注意していただきたいのは、コラーゲンを含む化粧品です。この場合のコラーゲンは、あくまで保湿成分としてのものであり、真皮まで浸透することはないので、真皮のコラーゲンを補うような働きを期待することはできません。また、加工して分子量を小さくしたものが真皮まで浸透したとしても、自分のつくるコラーゲンと同じものでなければ定着しないため、やはり、保湿機能のみのものとして考えるべきでしょう。
また、コラーゲンは食べても胃で分解されてしまうため、肌へそのまま届くということも考えにくいです。それよりも、各種ビタミンやミネラルをしっかり摂りましょう。
肌づくりを助ける栄養素は、チームで働きます。ひとつのビタミンを大量に摂るよりも、色々なビタミンやミネラルを摂る方が、美肌には有効だと考えられます。

■ほうれい線対策・生活習慣と皮膚科治療

ほうれい線の予防について、肌の老化を遅らせるという意味では、紫外線対策が第一です。皮膚が老化する原因の9割は、紫外線だといわれています。
また、タバコを吸わないこと、肌の構成要素が不足しないように栄養や水分をきちんと摂ること、十分に睡眠をとることなども、ほうれい線予防のために重要です。もちろん、肌老化の一因となるストレスを減らすことも大切です。そのためには適度な休息や運動も心がけましょう。
できてしまった深いほうれい線については、日常のケアだけでは改善が難しいため、美容皮膚科で相談し、さまざまな治療からご自身に合ったものを選択肢してもよいでしょう。コラーゲン注入ヒアルロン酸注入などの方法は、シワのある真皮部分にこれらを注入してシワを目立たなくするものです。数か月経つと分解されて体に吸収されるので、永続的なものではありませんが、組織内に残らないため安全性も高いです。
その他、レーザー治療、自分の血液から採取した成分を皮下注射する方法(皮下再生療法)などがあります。皮下再生療法は、注入した血小板に含まれる成長因子の作用によって、肌のシワやたるみを改善し、肌を若返らせるという方法です。いずれも安価ではありませんが、深いシワに対しての有効な手段と考えられます。

■おわりに

ほうれい線は、肌のたるみです。その対策には、表情筋を衰えさせないことが大切です。
表情筋を今まであまり使っていなかった方なら、少しエクササイズするだけで効果が出るかもしれません。すぐに効果が見えなくても、地道に継続していけば結果はついてくるでしょう。
ただ、「これを絶対やらなきゃダメ」という気持ちはかえってストレスになり、美肌を遠ざけるかもしれません。取り入れやすい方法から始めて、休む日があってもダメと思わず、気がついたときからまた再開する、というのが、ストレスなく継続するコツです。
より確実に、シワやたるみのない美肌へ近づくために、栄養面や生活習慣も少しずつ見直してみてくださいね。

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