【専門医監修】あなたのシワはどこから？シワの種類別対策まとめ

スキンケア

あなたのシワはどこから？　シワの種類別対策まとめ

年齢を重ねるとともに気になってくる顔のシワ。毎朝鏡を見るたびにどんより落ち込んでしまう……という女性も多いのではないでしょうか。
実は、シワを完全に消すことはできなくとも、努力次第で目立たなくすることはできるのです！しかし、やみくもにコラーゲン飲料を飲んだり「シワがなくなる」とうたわれた化粧品でケアをしたりしているだけでは、あまり効果的とはいえません。
シワのスキンケアのコツは、シワの種類と特性を把握し、それぞれに応じた適切な対処をすることなのです。今回は、シワの種類別のスキンケアについて、それぞれ詳しくご紹介します。

この記事の監修ドクター

イデリアスキンクリニック代官山　前院長
２０１８年６月より　まみ皮膚科クリニック（水戸市）　院長
日本皮膚科学会　認定皮膚科専門医

千葉真美先生

1．そもそもシワはどうしてできるの？
2．シワの種類別スキンケア・小ジワ編
3．シワの種類別スキンケア・ちりめんジワ編
4．シワの種類別スキンケア・表情ジワ編
5．シワの種類別スキンケア・真皮ジワ編
6．おわりに

■そもそもシワはどうしてできるの？

シワの主な原因は老化だと思われがちですが、実はその原因は多種多様です。紫外線や乾燥トラブル、ダイエットのやり過ぎなど、さまざまな要因が絡み合ってできるのです。それぞれの原因に応じた対処法をとらないと、頑張ってスキンケアをしているのにいつまで経っても顔がシワシワのまま……なんて悲劇になりかねません。
シワは大きく分けて4種類になります。「小ジワ」「ちりめんジワ」「表情ジワ」「真皮ジワ」です。
小ジワは20代の若い女性にも多く見られる、目や口の周りにできるシワです。手指でシワを広げたときにシワがなくなるようなら、それは小ジワということになります。
ちりめんジワは乾燥した肌に表れる浅くて細かいシワです。ダイエット後や熱が出て脱水症状に陥ったときなどに出てきます。
表情ジワは名前の通り、大口を開けて笑ったり眉をひそめたりなど、表情筋を動かした際にできるシワです。目尻や眉間、額などのシワが多く該当します。
最後の真皮ジワ、これが一般的にいわれる「シワ」です。老化や紫外線によって真皮の繊維が劣化・変質することで生じます。代表的なものは額のシワや、鼻翼部から口唇の両端にかけて頬との間にできるシワ、上まぶたのくぼみ部分のシワなど、ぱっと見て分かりやすいものが挙げられます。小ジワと違い、手で引っ張ってもシワは消えません。

■シワの種類別スキンケア・小ジワ編

小ジワの大きな原因は肌の乾燥トラブルです。人間の肌は表皮、真皮、皮下組織の三段構造になっており、表皮の最上層である「角質層」の水分が不足し、機能が低下すると生まれるシワが「小ジワ」と呼ばれます。
これは、きちんと保湿をすれば目に見えて改善することが期待できます。シワができたと思ったらまずは皮膚を引っ張ってみて、それが小ジワなのか、それとも他のシワなのかを確認してみましょう。
保湿にあたっては、潤いを守る3成分である「皮脂膜」「NMF（天然保湿因子）」「細胞間脂質」を化粧品によって補充することが重要です。皮脂膜は脂肪酸・スクワレン・ロウ酸など、NMFはアミノ酸やPCA-Na、細胞間脂質はスフィンゴ脂質・セラミド・コレステロール・脂肪酸などで構成されています。それらを含む化粧品でスキンケアに励むのが効率的でしょう。角質層を傷つけないよう優しく顔を洗い、化粧水でふんだんに水分を補給したら、美容液と乳液で水分を保持・カバーするようにしましょう。

■シワの種類別スキンケア・ちりめんジワ編

ちりめんジワは顔の部位に関わらず、細かくちりめん状にできます。急激な体重減少や栄養失調、肌荒れ、湿疹など、体内の異常によってできやすいため、ちりめんジワができる前と後の体の状態に注意を払うようにしましょう。
原因が取り除かれれば、ちりめんジワがなくなる可能性も高くなります。それとあわせて、小ジワと同様に肌の保湿に取り組むようにしましょう。
ちりめんジワができている場合、血行不良や皮脂分泌の低下を起こしている可能性が考えられます。パックやマッサージなどでお肌の潤いを取り戻し、血液の循環を良くすることが大切です。
特に、あたたかいお風呂の中で、保湿効果の高い化粧品でパックをするのがおすすめです。就寝1時間前に入浴すれば、血行を良くしながら保湿力をUPさせ、おまけに自律神経のバランスを整えて快眠サポートまでできます。お風呂に入れないときやシャワーしか浴びることができないときなどは、お部屋でのパックだけでも忘れずにやっておきましょう。

■シワの種類別スキンケア・表情ジワ編

喜怒哀楽の感情表現が豊かな人ほどできやすいのが、表情ジワです。お肌がたっぷり潤っていれば表情を戻してもシワのない元の状態に戻るのですが、紫外線などによって肌が乾燥状態になると、肌の形状記憶力が弱まり、シワが残ってしまいます。
真皮の中で表皮をしっかり支えているコラーゲンやエラスチンが壊れて減少してしまうと、作られたシワを肌が記憶してしまうのです。無表情にしていれば表情ジワはできませんが、いつでものっぺりとした人形のような表情をしている訳にもいきませんよね。
対策は、肌の新陳代謝を促し真皮の中のコラーゲンを補給するために「ビタミンC誘導体」を摂取することと、肌の古い角質を落とす「ピーリング」をおこなうことがおすすめです。コラーゲンやエラスチンを化粧品で補おうとしても、それらの成分は分子として大きすぎるために、肌の奥の奥にある真皮までなかなか浸透しません。
ネット通販などで家庭用のピーリング石けんが購入できるので、週2～3回程度、洗顔に利用してみることから始めてみましょう。

■シワの種類別スキンケア・真皮ジワ編

最も手強いのがこの「真皮ジワ」です。表情ジワ同様コラーゲンやエラスチンの減少・劣化でできるといわれ、表情ジワをそのまま放っておくと真皮ジワとして深く刻まれてしまいます。加齢のほかに、長時間のデスクワークなどで猫背が続くと、顔の筋肉が首の方へと引っ張られてたるみ、この真皮ジワのもとになることが知られています。
真皮ジワに対しては、「リン酸アスコルビル」「APPS」などのビタミンC融合体、皮膚の再生医療などでも使われる「成長因子（グロスファクター）」、傷ついた細胞を回復させる働きがあるビタミン「レチノール」が配合された化粧水や美容液を使ってケアするようにしましょう。ただし、レチノールは敏感肌の人にとっては大きな刺激になってしまうこともあるので、必ず事前にチェックしておくことが必要です。
また、これ以上コラーゲンを傷つけないよう、日々紫外線の予防に努めるのもポイントです。毎日スキンケアした後、忘れずに日焼け止めを塗るようにしましょう。
日常生活では「SPF20、PA」程度、アウトドアなどでは「SPF50、PA+++」程度と、TPOに応じて日焼け止めを使い分けるようにしてください。日焼け止めは汗をかいたり水に濡れたりするとすぐ落ちてしまうため、少なくとも2～3時間おきに塗り直すことも重要です。

■おわりに

シワを見つけると、焦って高価な化粧品や口コミで評価の高いスキンケア商品に手を出してしまう人も少なくありません。しかし、まずはシワができた原因を究明し、それを改善していくことが最終的にシワの少ない美しい肌を目指すことへつながっていくのです。
今回は4種類のシワごとにスキンケアのコツをご紹介しましたが、ポイントはこれらのケアを正しく、毎日継続できるかということです。ご自身が悩まれているシワがどの種類か、しっかり判断した上で適切なケアをおこないましょう。
真皮のターンオーバー（新陳代謝）は4～5年周期です。つまり、一度できてしまった表情ジワや真皮ジワは4～5年はなくならないと考えた方がよいでしょう。
諦めず、一途にケアを続けることが大切です。それがシワ対策に一番欠かせないものなのかもしれません。