■シワには保湿!潤いアップで紫外線などのダメージをカット
シワといっても原因によって様々な種類があります。目や口元に現れるシワ、顔の部位に関わらずできる細かいちりめん状のシワは、乾燥や発熱など体内の異常によって引き起こされる一時的なシワです。皮膚の表面に現れる小ジワのため、表皮をしっかり保湿することで症状は改善されます。
加齢や紫外線の影響で現れるシワは真皮ジワといい、小ジワと違って指で押し広げても無くなることはありません。これは皮膚の最も奥にある真皮のコラーゲンやエラスチンが減少し、肌にハリが無くなったために現れるシワです。
非常に深く刻まれたシワのため、こちらは一度できると完全に消すことは難しいといわれています。コラーゲンは化粧品や食品から真皮に届けることができず、紫外線対策やコラーゲン生成を促す成分が含まれた化粧品を使ったケアが必要です。
保湿だけで完全に改善することは難しいですが、だからといって保湿に手を抜いてはいけません。なぜなら、保湿は肌のバリア機能を高める効果があり、真皮ジワの原因となる紫外線などの刺激を受けにくくなるからです。
肌本来の機能を高めることで真皮のコラーゲンを守って新しいシワの発生を防止し、シワ対策化粧品の効果をアップさせることができます。つまり、真皮ジワを改善するための最初の一歩は、しっかりとした保湿ケアなのです。
■浅いシワに効果的な保湿成分3選
それでは、小ジワなど浅いシワに効果がある保湿成分を3つご紹介します。
・セラミド
保湿成分の中で最も効果が高いといわれています。皮膚は細胞間脂質とNMF、皮脂膜の3つによって潤いが保たれています。細胞間脂質は、ほとんどがセラミドで構成されています。セラミドには複数種類あり、「セラミド1」「セラミド6」など数字がつくものが肌なじみ良い成分です。
・ヒアルロン酸
セラミドの次に保湿効果が高い成分です。加齢と共に減少していくため、化粧品から補いましょう。肌のバリア機能を回復させる効果もあります。
・NMF
天然保湿因子とも呼ばれ、本来は肌に元々備わっている保湿成分です。肌の水分を保持する働きをしますが、加齢や間違ったスキンケアを繰り返すことで減少していきます。強すぎるマッサージなどで刺激を与えないように注意しましょう。
■深いシワに効果的な成分3選
真皮ジワの改善には、単純に不足しているコラーゲンやエラスチンを補えば良いわけではありません。なぜならコラーゲンは分子が大きいため、成分が真皮にまで浸透できないからです。そのため、コラーゲン生成を促す成分が真皮ジワ改善に効果的な成分と考えられています。主な有効成分は以下の3つです。
・レチノール
ビタミンAの1種で、コラーゲンを増やして傷んだ肌を修復する作用があります。油溶性の成分で美容液やクリームの化粧品に多く配合されています。
元々は美容皮膚科で処方されるレチノイン酸という医薬品でしたが、化粧品として使用するために改良されました。効果が高い成分ですが、刺激が強いため顔全体に使用することは少ないです。目元や口元など気になる部分にピンポイントで使用するようにしましょう。
刺激が強い成分のため、塗った時は少し肌がピリピリすることがあります。肌が弱い人は赤くなる場合があります。最初は2~3日に1度のペースで、様子を見ながら使用するといいでしょう。
・ビタミンC誘導体
真皮にある線維芽細胞を活性化させ、コラーゲン生成をサポートする働きをします。肌の内側から弾力やハリで表皮を支え、深いシワを改善する効果が期待できます。その他にも皮脂抑制作用、抗酸化作用があり、女性のエイジングケアに役立つ成分の1つです。
有効性から化粧水や美容液など様々な化粧品に配合されています。「リン酸アスコルビル」や「パルチミン酸リン酸アスコルビル」などの名前で表示されていることが多いです。
・ナイアシン
肌の代謝を促進し、細胞を活性化させます。それにより肌のハリをアップしてくれる成分です。さらに老化を促す活性酸素の働きを抑える抗酸化作用もあり、肌の老化を遅らせる効果も期待できます。他の成分と比べて、肌への刺激が少ないため、敏感肌の方も安心して使うことができます。
■美容オイルで保湿効果アップ!そのメカニズムは?
シワを改善、予防するために行う肌の保湿は水分を補うだけでは不十分な場合もあります。補給した水分は肌にキープし続けることが大切です。弱った肌細胞は水分をキープする力が衰えているため、美容オイルを使ったプラスワンのケアがシワ改善への近道となります。
・美容オイルの効果
① 肌の水分保持量がアップ
② 化粧品の浸透力アップ
③ 肌のバランスを整える
肌は角質細胞が並んで構成されており、その細胞の隙間を埋めているのは細胞間脂質と呼ばれる脂質です。洗顔料で必要な皮脂も洗い流してしまうと、化粧水で保湿してもすぐに蒸発してしまいます。
通常、肌の機能として、皮脂を分泌して水分の蒸発を防いでくれます。しかし、年齢を重ねると皮脂が分泌されるまでに時間がかかったり、皮脂そのものの分泌量も減ったりします。そこで、美容オイルを使うと細胞間脂質に十分な脂質を届けることができ、角質細胞に潤いのバリアを張ってくれます。シワの原因となる乾燥を防ぎ、ふっくらとした肌を保つことができるのです。
■おすすめ美容オイルの種類とケア方法
肌を保湿してくれる美容オイルは、ほとんどが植物から摂れるものです。原料となる植物によって性質や効果が異なるため、自分に合ったものを探しましょう。
・ホホバオイル
ホホバオイルはオーストラリアなどで栽培されている植物です。皮脂の主成分である「ワックスエステル」を豊富に含んでいるため肌なじみが良く、アレルギーを起こす確立が少ないオイルです。
刺激が少なく保湿効果が高い成分のため、エイジングケアによく使用されています。
・アルガンオイル
モロッコにのみ生育するアルガンという木の実から作られるオイルです。ホホバオイルよりも重めのテクスチャーですが、ビタミンEがたっぷり含まれています。
抗酸化作用があるため、シワやシミを予防して若々しい肌を守る効果が期待できます。
・マカダミアナッツオイル
食用として知られるマカダミアナッツを絞って作られたオイルです。肌への浸透力が高く、老化防止に効果がある「パルミトレイン酸」が豊富に含まれています。他のオイルと比べると少し粘り気がありますが、乾燥した肌になじんで肌のキメを整える効果が期待できます。
マカダミアナッツオイルには一緒に使用した化粧品の浸透力をアップさせるヴィーグル効果があるため、化粧水や美容液の前に使用するといいでしょう。特に皮脂の分泌が減少する30代以降の乾燥肌には高い効力を発揮します。
これらのオイルは洗顔後3~4滴を手にとって、少し温めてから肌になじませていきます。化粧水の前に使うと肌が柔らかくなり、肌への浸透力をアップさせることができます。
また週に1度のスペシャルケアとして、オイルパックを行うとより保湿効果が期待できます。オイルを手で温めて優しく顔をマッサージし、蒸しタオルで毛穴を開いてオイルを浸透させていきましょう。
タオルの上からも軽くマッサージをし、終わったら普段通りのスキンケアを行います。顔を蒸しタオルで温めるためリラックス効果が高く、ストレスによる肌ダメージも解消してくれます。
■おわりに
シワには乾燥や加齢、紫外線などの原因があります。薄い小ジワ以外は保湿だけで改善することは難しいですが、肌の潤いが足りない状態でシワ対策化粧品を使っても肌に浸透することはありません。
保湿はシワ改善の第1歩です。化粧水だけで潤いが足りない場合は、植物由来のオイルをプラスすると肌細胞の保水力がアップします。オイルは原料となる植物によって効果や性質が異なるため、自分の肌状態やシワにピッタリの1本を探しましょう。