■注射によるシワ治療法にも多くの種類がある
注射でシワを治療するといっても、その方法は1つだけではありません。どのような物質を注射するかによって、シワを消すメカニズムも異なります。以下に、現在美容医療で主に用いられている、注射によるシワ治療法を5つご紹介します。
【1.ヒアルロン酸注入】
人の体内にも含まれるヒアルロン酸をシワや凹みの部位に注入し、皮膚を盛り上げてシワを改善する治療法です。人体との親和性が高いヒアルロン酸を使用するため副作用やアレルギーの心配が少なく、治療費が手術と比べ比較的リーズナブルな点が主なメリットです。ただし、持続期間はヒアルロン酸の種類によりますが6か月~2年ほどといわれているため、良い状態を維持するには定期的に施術を受けることがおすすめです。
【2.ボトックス】
ボツリヌス菌という細菌由来の「ボツリヌストキシン」というたんぱく質から成る薬剤を注入し、筋肉の過剰な動きを抑制することで表情によって生じるシワを改善する治療法です。特に、眉間のシワや額の横ジワにお悩みの方には高い効果が望める治療法といわれています。持続期間は3か月~6か月ほどで、継続的な効果をお望みであれば定期的に施術を受ける必要がありますが、1回の治療費用は整形手術などと比較すると低く抑えられます。そのため、ヒアルロン酸注入と同様に継続的なメンテナンスも難しくないでしょう。
【3.脂肪注入】
施術を受ける方自身の腹部や太ももなどから脂肪を吸引して少量取り出し、それをシワによるくぼみが気になる箇所へ注入する方法です。持続期間は比較的長く、ヒアルロン酸注入は半年~1年ほどであるのに対し、脂肪注入は1年以上効果が持続するといわれています。ご自身の体内組織を利用するためアレルギーなどの心配がない点はメリットですが、もし仕上がりに満足できない場合も元に戻すことが非常に難しいというデメリットもあります。また、施術費用もヒアルロン酸注入と比較するとかなり高額になります。
【4.レディエッセ】
レディエッセとは、歯・骨などに含まれる「ハイドロキシアパタイト」という物質を主成分とした薬剤を患部に注入することで細胞組織でのコラーゲン生成を促し、シワを改善する治療です。ヒアルロン酸よりも周囲の水分を吸収しにくいため、鼻や顎をシャープに形成したい時によく用いられます。ただ、ヒアルロン酸のように分解する事ができないため、仕上がりが気に入らない場合溶かすことができないのが難点です。
【5. PRP血小板療法】
元は歯科治療などでの事例が多くあった、再生医療による治療法です。施術を受ける方自身の血液から血小板をとり、患部に注入します。血小板が細胞組織でコラーゲンを生成する線維芽細胞のはたらきを活発にして、皮膚内のコラーゲン量を増やすことでシワを改善します。自身の組織を使うためアレルギーや免疫による副作用の心配はほぼありませんが、他の注射による治療と比較して即効性はありません。効き目があらわれるまでは、個人差はあるものの数か月かかります。また持続期間は2年程度と長くなりますが、1回の施術にかかる費用は20万円ほどと比較的高額になります。