40代

40代。シワが気になりはじめたら、どんな対策をする?

シワは怖いものだと思っていても、40歳を迎えるまではそれほど現実味を感じていなかった方が多いかもしれません。お肌にもハリやツヤが保たれていることで、加齢と関係ない表情などが原因のシワが少しはあっても、それほど目立たなかったはず。
しかし、40代を迎えるタイミングを境に、鏡のなかの自分が「疲れ顔」や「老け顔」に見える機会が増えてきたという方は多いのでは。そう見える原因が、目元や口元のシワだと分かったときにはかなりショックを受けてしまいますね。
そこでこの記事では、「40代で気になりはじめるシワのお悩み」をテーマに、40代のシワの特徴やメイクで小ジワをカバーするテクニックなどをご紹介します。そして、カバーしきれないシワをしっかり改善する方法も、これからのために押さえておきましょう。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■40代女性が気になるシワは「目元・口元」

30代までは「シワ予備軍」という言い回しをよく聞いたかもしれません。将来シワを深くしないよう、薬用化粧品や日焼け止めなどで予防のお手入れをマメにしていた方も多いでしょう。 しかし、40代を迎えると「シワ予防」では済まなくなってくる方も増えてきます。朝、ふと鏡を見ると「もしかしてシワ……?」と感じてしまうようなお顔の影を見つけて、その日じゅう気が滅入ってしまった経験をもつ方も少なくないはず。
でも、40代に差し掛かったころのシワのお悩みは、まだ部分的で浅いシワにとどまるケースが多数。多くは「目元」や「口元」など、お顔のなかでも表情の変化でよく動かす箇所から、少しずつ浅いシワがあらわれてきます。
目元や口元などにあらわれる小さなシワは、いわゆる「小ジワ」と呼ばれるもの。目元や口元など、皮膚が薄い箇所は角質層(表皮)の水分も奪われやすく、顔の他の場所よりも乾燥の影響が大きく出ます。乾燥した状態を長く放っておくとどんどん皮膚のバリア機能が低下し、外界の刺激や紫外線の悪影響を強く受けてさらに乾燥しやすい状態に。さらにその状況が長期化すると、「小ジワ」となりダメージが目に見えるようになってしまいます。
それでもまだ40代前半のうちなら、できた小ジワを気にする程度で済むでしょう。しかし40代半ば、40代後半と歳を重ねていくと、小ジワはさらに深くなり本格的な「シワ」に進化してしまうかも。また、目元や口元にとどまらず、首や頬などに大きなシワができてしまう不安も現実的になってきます。
40歳を迎えたら、「シワ予防」から「シワ対策」にお手入れの考え方を切り替えるタイミング。まずは、シワの部分が気になるからと度々手で触ったり、面倒だからと紫外線対策を怠ったり、洗顔後すぐに保湿しなかったりなど、誤ったケアは避けましょう。その上で、気になりはじめたシワの悪化を回避するお手入れを早めに始めると良いでしょう。

■スキンケアに取り入れたいオイルの種類とそのはたらき

40代を迎え、小ジワが気になりはじめたらメイクの方法にもひと工夫してみましょう。目元や口元の小ジワは、ある程度メイクでカバーすることもできます。

【1.マスカラを「下まつげ」にもしっかり付ける】
マスカラは毎日使っていても、上のまつげにボリュームを出したらそれで満足してしまっていませんか? 目元の小ジワが気になりはじめたら、上だけではなく下のまつげにもしっかりマスカラを付けてあげましょう。下まつげのボリュームに視線を集中させることで、目の下の小ジワや影・クマを効果的に目立たなくしてくれます。

【2.パール入りのアイシャドウで陰影をカバー】
「40代になったら、パールやラメのアイシャドウは卒業」……こう思ってしまうのは、意外にもったいないもの。細かいパールやラメが入ったシャドウは、気になる目元の影や溝を効果的にカバーしてくれます。目の下の「涙袋」の部分に、血色に近いピンク系のパールやラメのシャドウを薄く伸ばすことで、自然にふっくらと見せる効果をプラスしましょう。

【3.口元のシワはコンシーラーより「光効果」でカバー】
口元の小ジワを隠すために、コンシーラーをぐりぐり厚塗りしてしまうとかえって逆効果に。時間が経つとヨレてきて、シワの部分を悪目立ちさせてしまうかも。シワの部分にベースメイクを厚塗りすることは避け、鼻筋や額の中心、頬骨の頂点など顔の高い部分にハイライトを入れる方法がおすすめ。ツヤを出した部分に視線を集め、小ジワを自然にぼかして見せてくれます。

■シワになったら治せるの? シワ治療の疑問を解決

シワの予防は可能ですが、完全にシワの発生を防げる方法はありません。シワのお悩みは、年齢にともなってどなたでも直面する可能性があるものと考えたほうが良いでしょう。
シワを取る(治す)治療法はご存じの方も多いはず。でも、「フェイスラインに切り込みを入れ、シワの部分の皮膚を伸ばして縫う」というような、大がかりな手術を想像してしまう方もいるのでは? もちろん、手術をすればシワのお悩みは確実に解決できます。しかし、忙しい方の場合シワ治療にそれだけの時間と手間を割くことは難しいでしょう。それに、治療費も高価になるのでコスト面でのハードルも高め。
「手術は怖いし、思い通りの効果が出なくても元に戻せない。顔立ちが変わってしまうことや、『整形』と周りにバレるのも心配……」という方には、もっと安全性が高くリーズナブルなシワ治療があります。

【1.ボトックス注入】
シワの部分に「ボトックス」という薬剤を注入し、筋肉の動きを控えめにすることによりシワを改善する治療法です。注射をするだけなので外来で治療が可能ですし、もともとの顔立ちが変化してしまうこともありません。大きな副作用などの心配はそれほどないとされていますが、治療の経験・実績があり信頼できるクリニックを選んで施術を受けることが大事です。

【2.レーザー治療】
特殊な光(レーザー)をお顔に照射して皮膚の働きを活性化させ、内側から皮膚を若返らせてキメや小ジワなどのお悩みを軽減します。化粧品は表皮(角質層)までしか浸透しませんが、レーザーは肌のハリに深く関係する真皮にまで働きかけるので、確かな効果が得られます。小ジワやたるみのお悩みだけでなく、毛穴の開きやキメなどにも効果があるため、お肌のトータルメンテナンスとして活用する方も多い治療法です。

このように、今は安全性が高く多くの方が積極的に検討できる美容医療が普及しています。「美容医療は自由診療なので、治療費が高そう」と心配される方も多いかと思われますが、手術などと比較すればかなり低コストに抑えられるケースも多いためご安心ください。また、つねに医師がご予算などのご希望も事前にカウンセリングし、最適な治療を推奨しています。もちろん、あくまで医療機関なので無理なおすすめも行っていません。まずは現在のお悩みや体調、ご要望などからお気軽にご相談くださいね。

■おわりに

この記事では、40代を迎えてシワが気になりはじめた方のために、効果的にカバーするメイク術やさらに1歩進んだシワ治療など、積極的な対処法についてご紹介しました。
小ジワだからと油断して放っておくと、年齢とともにさらに大きなシワになってしまう可能性もあります。シワを見つけて気になるようなら、まだ小さなうちが解消のチャンス。日ごろのケアをさらに積極的に行いつつ、それでも気になってしまうようなら治療を受ける選択肢も頭の隅に残しておくと良いかもしれませんね。