顔のたるみの原因や種類を知り、改善に役立てよう!

テレビに出ている有名人を久しぶりに見て、「あの人、しばらく見ないうちに顔がすっかりたるんでしまったなあ…」という感想を持ったことはありませんか?顔のたるみは、誰かの顔を久しぶりに見たときにこそ気づきやすいもの。毎日鏡で見ている自分の顔では、なかなか気づけていない可能性もあるでしょう。
この記事では、顔がたるんでしまうさまざまな原因やたるみの種類、たるみを改善できる日常的な対策などについてご紹介します。久しぶりに会った誰かに「ずいぶん顔立ちが暗く沈んで見えるけれど、顔がたるんでいるのかしら?」と思われてしまう前に、今できることから始めたいものですね。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■「顔のたるみ」には、これだけ多くの種類があった!

ひとくちに「顔がたるんでしまう」といっても、たるみの様相は人によってさまざまです。ここでは、数ある「顔のたるみ」を感じられる状態についてご紹介します。

1.二重あご
顔のたるみといえば思いつく状態の1つが「二重あご」。太ってもいない、もしくはむしろ以前よりも痩せているのに二重あごが気になってきたら、顔のたるみによりあごの肉が下がってしまったことを疑う必要があるかもしれません。

2.口角の下がり
親しい人に、特に何事もなかった日でも「なんだか機嫌が悪そう」「何か不愉快なことでもあったの?」と聞かれてしまったときは要注意。なるべく口角(口の両端)を上げるように気をつけていても、ふとしたときにどうしても下がってしまうようなら、顔のたるみが口角を下げてしまっている可能性があります。また、口角の下がりは、女性に限らず男性でも気になりやすいお悩みの1つです。

3.ミッドチークライン(ゴルゴ線)
目の下から始まり、頬の真ん中を横切って顔に影のような線が見えてしまうことを「ミッドチークライン」と呼びますが、その特徴で知られる漫画の主人公の名を取って「ゴルゴ線」とも呼ばれます。ゴルゴ線を見つけると、顔の真ん中に大きなシワができたのかとびっくりしてしまいますが、実はシワではなく顔の筋肉や皮膚のたるみが原因でできるといわれています。シワではないとはいえ老けて見えることに違いありませんから、出現させてしまうことは可能な限り避けたいものです。

4.額の下がり
額の生え際のラインが下がって見え、額の表面にもハリやツヤがなくなってきたと感じることはありませんか?実はそれも、筋肉や皮膚の弾力が奪われることで起こる、顔の脂肪によるたるみの一種です。鏡を見たときに「前髪を上げて、おでこを出すのが恥ずかしい…」と思い始めたら、要注意サインかもしれません。

■「顔のたるみ」の原因も、1つだけじゃない

顔のたるみに多くの種類があるように、その原因も1つとは限りません。一般的な要因として挙げられるものだけでも、ざっと紹介して以下の原因があります。

1.加齢
顔のハリに大きく関連がある、真皮にあるうるおい成分「コラーゲン」「ヒアルロン酸」、弾力成分「エラスチン」などが加齢によって失われることで、たるみを感じてしまいます。一説によると、40代になると新生児の頃と比較して半分近く減少してしまううるおい成分もあるといわれています。

2.紫外線による悪影響
紫外線は2種の波長を持っていますが、そのうちA波(UV-A)と呼ばれる波長の長い紫外線は、肌の真皮層にまでダメージを与えてしまうといわれています。真皮層にある、うるおい成分を形成する細胞がUV-Aの影響で傷んでしまい、肌のハリや弾力のもとになるコラーゲンやエラスチンの減少につながります。しかも、それらのうるおい成分を分解させてしまう酵素もUV-Aの影響で多く発生するのだとか。まさに、紫外線はお肌の大敵と言えますね。

3.お肌の乾燥
肌表面を乾燥させたままにしておけば、表面にある角質層のみならず、その奥の真皮層にまで影響が及んでしまいます。過剰な乾燥状態が続くと、真皮の水分保持にも悪影響を及ぼしてしまうため、肌のハリが失われてたるみを引き起こしてしまうのです。

4.乱れた食生活や睡眠不足
身体の健康と同じく、健康な肌も食べたものによってつくられています。偏食やダイエット、不規則な食事のとり方などで食生活が乱れがちになれば、それは肌の不調としててきめんに表れてしまいます。また、成長ホルモンが分泌される22時~2時までの間の時間に睡眠をとらず、寝不足の状態が続けば肌のたるみを進行させてしまうでしょう。

5.表情筋など、顔の筋力の低下
皮膚だけではなく、顔の筋肉も顔のたるみと深い関係があります。顔の皮膚の下にある表情筋と、その下にあり骨格に直接くっついている深層筋の2つの筋肉によって顔は支えられていますが、それらの筋力が低下してしまうと、皮膚や皮下脂肪が重力に逆らえなくなり、たるみが引き起こされてしまいます。

6.姿勢
姿勢の良くない状態を長時間続けることが習慣になってしまうと、首の前方ばかりを偏って伸ばす癖がついてしまうため、頬の部分が引っ張られてたるみを起こす原因となります。スマホを使うときの特徴的な姿勢によって起こる「ストレートネック」という首の不調が問題となっていますが、それと同時に顔のたるみも進行させてしまっている可能性も考えられます。

■日常でできる、顔のたるみの改善策は?

顔のたるみは日常生活の悪習慣の積み重ねで起こるケースが大半ですから、それらの習慣を改善することで、たるみもある程度改善させられるかもしれません。

・姿勢を良くするよう心がける
・3食バランスの良い食事をとり、睡眠時間をきちんと取る
・肌の保湿を心がけ、できるだけ乾燥させないよう気をつける
・年間を通して紫外線予防を心がける
・表情筋を鍛える顔のトレーニングなどを習慣づける

上記の改善策を、暮らしの中で取り入れてみましょう。よく「表情が豊かすぎると早く顔が老けてしまう」と、あまり笑わないようにしている人を見かけますが、これは逆効果になってしまうかも。表情を作る表情筋をあえて使わずにいると、たちまち筋力が衰えてしまいます。笑いなどのポジティブな感情表現は顔でしっかり表したほうが、表情筋にも精神面でも良い効果があるのではないでしょうか。

■どうしても改善できない顔のたるみには?

生活習慣に気を配り、しっかり肌の保湿を心がけて紫外線対策を行っても、加齢は自然現象なので基本的に防ぐことはできません。もちろん、年齢ばかりを気にすることは美容の面では禁物ですが、今起こってしまっている顔のたるみを積極的になくすことも考えてよいかもしれませんね。
美容外科・美容皮膚科でのたるみ治療はより確実に、楽に受けられるよう日々進化しています。美容クリニックは敷居が高いとあきらめず、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

■おわりに

この記事では、顔のたるみの種類と原因、日常的な対策などについてご紹介しました。
日頃のスキンケアや顔の筋トレ、生活習慣面でしっかりたるみ対策をしながら、今気になっているたるみはとりあえず治療で解消しておくという方法も一案でしょう。
美容外科・美容皮膚科では、単にたるみの治療を行うだけでなく、せっかく治療で解消したたるみをまた引き起こさないよう、普段の生活の中でできる対策方法についてのアドバイスなども詳しく行っています。
まずはしっかりカウンセリングすることから始め、お悩みをしっかり把握したうえで最適な治療法や改善法をご紹介してくれますから、1度気軽に相談に出向いてみてはいかがでしょうか。

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