■手ごわい「たるみ」は、ダイエットしてもなくならない?
「ダイエットに成功して、顔や体形もシェイプアップできたと思ったのに、太って肌がたるんでいた部分だけは元通りにならず、相も変わらずたるんだ状態のまま…」というお悩みを実際に経験したり、誰かから聞いたりしたことのある人は、意外に多いのではないでしょうか。
1度肌がたるんでしまうと、脂肪などを減らして体重をダウンさせたとしても、逆に余計たるみが目立つようになってしまうケースが少なくないのです。もし、それが衣服で隠せない顔や首などにくっきりと表れてしまえば、お悩みも深刻になるのは仕方ありません。
しかも、たるみの原因は1つだけではなく、お悩みを抱える多くの人のケースで複数の原因が重なり合うことにより、さらに改善しにくい状態になっている場合もあるといわれています。
「それだけ手ごわい肌のたるみを解消するなんて、無理なのでは?」と思ってしまうのも、無理はないでしょう。しかし、複数あるといわれる肌のたるみの原因をきちんと知り、それらに効果的にアプローチする対策をしっかりと実行すれば、改善は望めるかもしれません。そこで次の項目からは、それら肌のたるみの原因がどんなものなのかを探っていきましょう。
■結局、肌がたるむのは何が原因?
肌のたるみの原因は、1つではなく複数あると前の項目でご説明しました。それでは、具体的にどのような要因で肌がたるむのかについて、ここからはご紹介していきます。
1.皮膚のたるみ
「肌がたるむのは、皮膚がたるむから」と分かっている人は多いでしょうし、そうであればこの原因が真っ先に思いつくかもしれません。「ほうれい線が目立つことが気になる」「頬のハリがなくなり、全体的に下へ下がって見える」のような具体的なお悩みを抱えている場合、加齢などによる皮膚構造の変化でたるみが生じていると多くの人が考えるでしょう。もちろん、それも大きな要因の1つですが、顔などの肌がたるむのは皮膚そのものだけが原因ではありません。
皮膚や筋肉が乗っている骨格も、加齢などによって骨密度が低下すれば体積が減少します。つまり骨格自体が小さくなるのですが、そのために上に乗った皮膚が余ってしまうのです。また、皮膚の水分保持力が低下することでハリも失われてしまえば、さらにたるみが加速してしまいます。
2.筋肉のたるみ
筋肉をあまり使わなければ、皮膚の下にある筋肉組織は減少してしまいます。顔の筋肉である表情筋も例外ではなく、加齢などで筋力が低下して行けば重力に従って全体が垂れ下がってしまったように見えることになります。
また、顔の筋肉に限らず、良い姿勢を保つ全身の筋肉が衰えれば身体は重力に逆らえなくなり姿勢が悪い状態になります。良い姿勢が保たれなければ、さらに筋力が衰えて筋肉のたるみを進行させてしまう悪循環になってしまいます。
3.脂肪によるたるみ
筋肉の力が衰えてたるんで行けば、その部分には代わりに脂肪がつきやすくなります。筋肉がたるんでいくことに加え、ついた脂肪の重さでさらに全体が下がってしまうことにより、ますますたるみを早めてしまうことになります。
つまり、たるみの原因は複数あるものの、根本的な要因には「身体を動かさなくなることによる筋力の衰え」があると考えられます。それによって、さまざまなたるみの原因が生み出され、「たるみがさらにたるみを呼ぶ」ような状態が引き起こされてしまうのです。
■肌のたるみの対策法はこれだけあった!
少しでも肌がたるんでしまったと感じたら、それ以上ひどいたるみにしないよう、まずは自分でできる対策から始めてみましょう。
1.まずは、姿勢を正すよう心がける
姿勢が悪くなるということは、筋肉がしっかり使われていない状態ともいえます。猫背にならないよう、良い姿勢を心がけるだけでも、使うべき筋肉がしっかり使われるようになるため、筋力で重力に逆らって引き上げられるべき部分がたるんでしまうことを防げるのではないでしょうか。
また、猫背の人は、顔の皮膚が下方に引っ張られる姿勢を続けているために顔もたるみを起こし、暗く沈んで見えがちになります。姿勢をよくするよう心がけるだけでも、顔にハリが出たように見える効果を得られるかもしれません。
2.顔の筋肉を鍛えるマッサージ・エクササイズは適切な方法で
顔の筋肉が衰えれば、顔のたるみの原因がいくつも生み出されてしまいます。それを避けるため、表情筋を鍛えるエクササイズなどを取り入れる方法はまちがいなく有効といえるでしょう。
しかし、方法を誤ってしまえば、まちがったマッサージで肌を無駄に伸ばすことによる「皮膚のたるみ」が起こってしまう可能性もあります。それを防ぐためには、実は自分でマッサージなどを行うより、効果的な手順を知っているプロのエステティシャンに任せた方が無難です。
ご自分でマッサージする場合には、力を入れて鍛える方法よりは、筋肉をリラックスさせてリンパの流れが滞らないようにする程度の優しいマッサージにしておくとよいでしょう。
3.スキンケアでたるみを予防する
化粧品などのスキンケアで、たるんでしまった部分を解消することは難しいものですが、もちろんたるみ予防には効果的です。たるみ予防によいスキンケアといえば、やはりUVケア成分の入った化粧品で紫外線予防をすることに尽きるでしょう。
また、ハリを取り戻せるといわれている「レチノール(ビタミンA)」が含まれた美容液などを気になる部分に塗る方法もおすすめです。
4.美容外科クリニックで治療をする
美容外科や美容皮膚科でのたるみ治療というと、ハードルが高そうに感じる人もいるでしょう。確かに、メスを使うフェイスリフトや、金でできた特殊な糸を使ったたるみの治療法は、効果こそ確実なもののリスクやデメリットも伴ってしまいます。
しかし最近では、「ラジオ波」と呼ばれる安全な高周波治療などで、たるみの改善治療が行えるようになりました。費用やリスクは抑えめで、スキンケアなどより効果が高く気軽に安心してお任せできる治療法の選択肢も増えています。
美容外科クリニックへ通うといえば、ひと昔前は悲壮な不退転の決意のもとに行うことでしたが、今はカウンセリングも充実しているため、気軽に足を運べる雰囲気の医院も多くなっています。
■おわりに
この記事では、肌のたるみのさまざまな原因や、改善対策についてご紹介しました。姿勢に気を配ったり、生活習慣を改善したり、スキンケアを充実させたりと、肌のたるみを防ぐ生活の知恵はいくつもあります。
しかし、どうしても解消できない肌のたるみには、美容外科クリニックに相談して治療を考えることも得策です。今は相談しやすい女医さんのクリニックも多く、個室のカウンセリングルームを設けている医院もありますから、まずは肌悩みのことから相談して次に何をするか考える方法も検討材料にしてみるとよいでしょう。