- Article
-
シミ治療、施術後の経過は?
レーザー照射、その他代表的な治療法
- シミ治療の効果
- 2019.05.31
シミ治療の施術方法はシミの種類に合わせて色々ありますが、どの治療法も同じような経過をたどるわけではありません。シミの種類、治療法によってそれぞれ異なる治療方法があり、その経過も同様です。
代表的なシミ治療はどんなものがあり、どんな経過をたどりシミを解消していくのか見てみましょう。
出発点は正しい診断から
シミを解消したいと思った時、多くの人は皮膚科や美容皮膚科でのレーザー治療を最初に思いつくのではないでしょうか? 確かにレーザー治療は長期にわたり行われ続けてきた実績の高い治療です。しかし「どんなシミもレーザー照射さえすれば、1度でキレイになる」わけではありません。シミには複数の種類があり、シミができた原因も、そして解消法もそれぞれ異なります。そのため1度で確実に取れる方法は存在しません。まずは皮膚の専門家によるシミについての診察が必要です。シミ治療の体験談などで「効果がなかった」という意見があるのは、そこを十分に理解せずに1度の治療でやめてしまった可能性があります。
またその際、同じ顔の中に複数の種類のシミが存在していることは珍しいことではありません。シミごとに別のアプローチが必要になるので、それぞれのシミにとって必要な治療法をシミの種類ごとに選択し、その上で数ヶ月という、ある程度の時間をかけた治療計画が必要です。
皮膚科や美容皮膚科で行う、シミ治療の種類について
具体的にはどんなシミの種類に対して、病院ではどんな治療があるのでしょうか?
日光性色素斑(老人性色素斑)
一般的にシミとして認識されていることの多いシミで、紫外線が原因です。加齢とともにその数は増える傾向があります。レーザー治療、IPLなどの光治療、ハイドロキノン(外用薬)塗布などが治療法です。
炎症後色素沈着
ニキビややけど、傷などが治ったあとに色素沈着が残る褐色のシミです。ターンオーバーを促すピーリング治療、トーニング治療、の他レーザー治療、ハイドロキノン(外用薬)塗布などの治療法でアプローチします。外傷性色素沈着の場合保険適応になる場合もあります。
そばかす
そばかすの多くは家族性で、色白の人に見られやすく子供のころなどかなり低い年齢からみられることが多く紫外線により色素斑ができやすい肌質といえます。シミをピンポイントで狙うより、肌全体に美白効果がある光治療、ピーリング治療、美白点滴や注射などがそばかす解消へ効果が望めます。
肝斑
30代から50代にかけての女性の頬に現れるシミで女性ホルモンが関係していると言われていますが、通常では色素沈着が起きないような軽い刺激(コットンパッティングやふき取りのメイク落としなど)でも色素沈着が起きやすい過敏状態であるため治療が難しいことも多く、特に根気強いケアが必要になってきます。ケミカルピーリングやメソポレーション、美容点滴、内服薬などの組み合わせが有効です。
対称性真皮メラノサイトーシス
おでこの外側、小鼻などに左右対称にできる黒っぽいシミです。加齢とともに濃くなる特徴があります。レーザー治療が効果的です。
太田母斑
メラニンという色素を産生するメラノサイトの増殖が原因でできる青あざです。生後半年までに現れることが多いのですが、青年期に現れることもあります。レーザー治療が効果的ですが、レーザー治療器の種類によっては保険診療が対応になる可能性もあります。
気になる施術後の経過について詳しく知りたい!
シミ治療の種類は複数ありますが、それぞれ肌に赤味が出たり、かさぶたができたり、テープによる保護が必要な治療部位があったりと、治療経過が異なります。どんな経過をたどってシミを解消していくのでしょうか?
※個人により違いがあります
治療の種類 | 直後 | 1週間〜10日 | 1ヶ月後 |
---|---|---|---|
Qスイッチアレキサンドラレーザー | 照射部位に赤味が出ます。場合によってかさぶたになることがあります。ガーゼの上からテープで目立たないよう保護します。 | かさぶたになった箇所のかさぶたが自然に取れます。 | 多くの人は症状が収まります。一時的にシミの色が濃くなることもありますが、次第に薄くなります。 |
CO2レーザー | 治療部位が徐々にかさぶたになります。かさぶた部位にはテープ保護が必要です。 | 1〜2週間でかさぶたが自然に取れます。 | かさぶたが外れた後の皮膚は赤味が目立ちますが数ヶ月で自然に目立たなくなります。 |
ケミカルピーリング | 施術直後から数日乾燥を感じることがあります。 | 新しく角質が作られている最中ですので、1週間はいつも以上の保湿が必要です。 | 2週間ほどで新しい角質が作られます。 |
マッサージピーリング | 施術直後赤味が出ることがあります。 | ハリ感が向上していくのを感じられます。 | 肌の調子が整っていきます。 |
イオン導入 | ダウンタイムはありません。 | 肌の調子が整いはじめます。 | 肌の調子が整っていきます。 |
メソポレーション | ダウンタイムはありません。 | 肌の調子が整いはじめます。 | 肌の調子が整っていきます。 |
レーザーフェイシャル | 治療部位が赤くなることがありますが、2〜3時間、長くても当日中に落ち着きます。 | かさぶたができても2~3日で取れます。小さな発疹が出る場合がありますが、数日で治まります。 | 多くの人は症状が収まります。時的にシミの色が濃くなることもありますが、次第に薄くなっていきます。 |
色素沈着、ニキビ跡、くすみ、シミだけにとどまらず総合的に解消したい!
シミ治療は受けただけで時を置かずに肌が改善されるわけではありません。一旦現状より悪くなることもありうる途中経過を適切なケアで乗り切りながら、他の治療と組み合わせながら肌を改善していく必要があります。しかし、その時間こそが肌を総合的に上向きにする重要な時期です。
多くの人にとって肌の悩みはシミだけにとどまりません。シミも気になるけれどくすみも小じわも気になる。ニキビ跡が治らないという人もいるのではないでしょうか? シミ治療は今あるシミをとるだけではなく、今後シミをできにくくする、シミ以外の肌の凹凸による色くすみまでターゲットにして改善していくということも含まれます。そのため、肌のターンオーバーを促したり、潤いをもたらしたり、肌の調子を整えるという治療も同時に行います。上記の治療にはそのような効果もあり、シミ治療をしているうちに「気が付いたら肌のハリやツヤも蘇った」、「お化粧のノリがいい」など予期しなかった付帯効果も起こります。
ただし、それは必要な治療を必要な期間きちんと続けた場合です。お試し治療を複数のクリニックで思いつくまま受けていても得られる効果ではありません。
シミ治療の症例数が多いイデリアスキンクリニック代官山では、せっかく治療するならば理想的な治療を、きちんと効果が出る回数だけ受けてほしいという思いから「6ヶ月の集中治療」を行なっています。日本皮膚科学会の認定医である院長が個人個人肌を診断した上で、必要だと思われる治療をオーダーメイドで組み合わせ治療計画を立てたのち、月に1度のペースで施術を行なっていきます。定額制のため、「予想以上に費用がかかってしまった」「受けたい治療があるけれど費用の面で諦めた」という心配もいりません。
半年かかる治療期間の最初のうちは、かさぶたができることも一旦シミが濃くなってしまうことも考えられます。最終的な効果を目標にしっかり治療に向き合うことで大きな効果が生まれます。
まとめ
美容医療をもってしても、美しくなるためには時間が必要です。シミ治療を考える時、どんな経過をたどり、どんな結果が望めるのか頭にしっかりイメージしておくのも大切なことの一つです。
- この記事の監修
- 医療法人社団代仁会理事長
イデリア スキンクリニック代官山
佐治なぎさ院長
プロフィール
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
昭和大学病院皮膚科兼任講師
日本抗加齢医学会認定抗加齢医学専門医
2004年
昭和大学医学部を卒業
同年より昭和大学病院皮膚科勤務
2008年
昭和大学病院横浜市北部病院皮膚科勤務
2011年
昭和大学病院皮膚科勤務
2013年~
昭和大学病院皮膚科兼任講師
2018年
イデリアスキンクリニック代官山勤務
4月より
イデリアスキンクリニック代官山院長 就任