AGA(フィナステリド) 川島 眞 先生
男性型脱毛症の内服治療
- 日本人男性の薄毛調査
日本人男性で薄毛を意識している方は1260万人にものぼり、20歳代でも12.5%、30歳代では20.5%が意識しているという調査があります。 日本人男性にとって薄毛は大変気になる美容的な問題なのです。 - これまでの治療
これまでの日本における薄毛(男性型脱毛症と呼びます)の治療は、残念ながら充分な効果、満足感が得られるものはなかったといえます。 それは多くの育毛剤、養毛剤が脱毛する根本の原因に作用するものではなく、毛根周囲の血流を改善して、栄養を供給することにより発毛を促すというものであったためです。 - 画期的な治療薬:フィナステリド
ところが、米国のメルク社が販売しており、日本では萬有製薬が開発試験を行ったフィナステリド(商品名:プロペシア)は 1日1回内服する錠剤ですが、日本での試験でも非常に高い効果を示すことが証明され、当初心配された男性の性機能の低下などの副作用もなく、 安全性の高い男性型脱毛症治療薬として厚生労働省の承認を受けて、まもなく発売されることとなりました。 - フィナステリドはどうして効くか?
男性型脱毛症は、男性ホルモンの一つであるテストステロンがより強力な5αダイハイドロテストステロンに変換され、 これが頭頂部や前頭部の毛根に働いて、毛の成長を抑えてしまうことで起りますが、フィナステリドはテストステロンがより強力なホルモンに変換されるのを阻止する薬剤なのです。 つまり、男性型脱毛症の根本的な発症メカニズムに作用する薬なのです。男性型脱毛症の研究が進む中で考案された薬です。残念ながら胎児への安全性や試験データがないことから 女性での使用は禁止されています。しかし、薄毛に悩む大勢の日本人男性には大変な福音となることと思います。 - その他の併用療法
その他の育毛剤との併用では、2%ミノキシジル(日本では1%ミノキシジルがリアップの商品名で発売されています)との併用で、さらに発毛効果があがると報告されています。
外用薬との併用、ホームケアとしての育毛を考えたシャンプー、リンスなどの使用により、フィナステリドの効果はさらに増すものと考えます。
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