隠しきれない首のシワ。原因と予防・対策は?

顔は毎日のように鏡でチェックするものですが、その下の首となるとつい意識がおろそかになりがちです。顔はしっかりメイクしてある程度気になる点をカバーできますが、首はそうはいきません。「顔よりも、首を見た方が年齢が分かる」といわれるのもそのためです。
この記事では、カバーしにくい首のシワができてしまう原因と、効果的な予防法・対策についてご紹介します。これから首にシワを作りたくない方も、すでに少し気になり始めたという方も、ぜひご参考にしてください。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■こうしてできる!首のシワ

顔や手などと同じく、一定の年齢を迎えると首にもシワができやすくなります。ここでは、首にシワを作りやすくする原因について、ご紹介します。

1.乾燥
顔の保湿には気を遣っていても、首はお風呂上りなどもそのまま…ということはありませんか?顔と同じく、首も乾燥した状態が続けばハリが失われ、皮膚がたるんで下がることでシワの原因になってしまいます。

2.姿勢
首を曲げる姿勢が長時間頻繁に続く生活をしていると、首にシワが刻まれやすくなります。また、人の頭はとても重いため、それを支える首にはつねに負担がかかっているもの。一部に負担がかかる姿勢を繰り返せば、その部分を曲げた状態が癖になってしまい、シワになりやすくなります。
たとえば、パソコンやスマートフォンを長時間見ることで下向きの姿勢が続くことや、高すぎる枕を毎日使用することで眠っている間ずっと首が曲がった状態になってしまうこともシワの原因に。スキンケアをしっかりしているからと油断せず、日常の姿勢も見直すようにしましょう。

3.紫外線の悪影響
顔のUVケアには十分気をつけていても、首はうっかり紫外線予防を忘れてしまいがちです。また、帽子などで日焼け対策をしている方の場合も、首までは防ぎきれないこともあり得ます。紫外線は日焼けやシミの原因となるだけでなく、皮膚の深い部分にまで悪影響を与え、肌のハリや弾力をおとろえさせてしまいますから、長期的にシワを作ってしまう原因になるといえます。

4.加齢
加齢によっても肌は乾燥しやすくなり、ハリや弾力が失われやすくなります。しかし、加齢の影響は先にご紹介した3つの原因が重なるとより肌に現れやすくなりますから、日頃のケアをしっかり行って加齢の影響が早期に肌に出ないよう気をつけましょう。

■首のシワ予防・対策には具体的に何をする?

「クリームを塗る」「UVケアをする」など、首のシワ予防と聞くといくつかの対策法が思い浮かぶ方も多いでしょう。実はこれら2つの予防策以外にも、意外ながらも効果的な方法が数多くあります。ここでは、首のシワを予防し、さらに深いシワにしないための対策法についてご紹介します。

1.保湿・加湿
洗顔後、顔につけている化粧水を少し多めにとって、首にまで伸ばすようにしましょう。そのあとは顔と同じ乳液やクリームでお手入れしてもよいのですが、首の保湿により特化した成分を含むネッククリームなども市販されていますから、それらを活用するのもおすすめです。
また、見過ごされがちですが室内の乾燥も、首の皮膚のうるおいには大きく関係があります。加湿器などを積極的に活用し、適切な湿度を保つよう気をつけましょう。もし、仕事などで長時間デスクの前にいる機会が多ければ、卓上用の小型加湿器で首の乾燥を防ぐ方法を用いてもよいでしょう。

2.紫外線予防
紫外線の影響は、首の見た目年齢にとても大きく関わります。 一説では、首のシワの1番の原因は長年多量の紫外線を浴び続けることであるともいわれます。顔に塗る日焼け止めを首にも塗るか、腕や脚に塗るボディ用日焼け止めを首にも塗るなどして、徹底的に紫外線を防止しましょう。紫外線量が気になる夏だけでなく、年間通しての紫外線ケアが大切です。
敏感肌などで日焼け止めを使いにくい方の場合は、日傘やUVカット効果のあるスカーフ・ストールなどでしっかり首を覆い、陽差しにあたらないよう気をつけるとよいでしょう。

3.首のストレッチ運動
デスクワークなどで下を向く機会が多い方は、長時間同じ姿勢にならないよう、座ったままできる首のストレッチ運動を行いましょう。首を前後左右に曲げたり、ぐるりと何度か回したりと方法は簡単です。「1時間おき」「休憩のたびに」など、行う時間を決めて毎日続けるとよいでしょう。
その他、表情筋のトレーニングを兼ねて口で大きく「ア・イ・ウ・エ・オ」の形を作る顔の体操を行う方法も、首の筋肉を鍛えて皮膚のおとろえを防いでくれます。顔のたるみ予防にもなる有効なケア方法ですから、ぜひ取り入れましょう。

4.枕選びの見直し
毎日眠るときに使う枕の高さは合っていますか?高すぎれば首がつねに曲がってしまいシワの原因になりますし、低すぎても首の皮膚が伸びてしまいたるみの原因になることがあります。
枕が低い場合は、下にタオルを敷くなどして高さを調整する方法があります。逆に高すぎる場合は、枕を新しくするかタオルや毛布を丸めるなどしてご自分にあった高さの枕代わりに使うとよいでしょう。
デパートや寝具店などでは、1人ひとりの頭の高さに合った枕をオーダーで製作してくれる所も数多くあります。
一般的な枕よりは高価になり、出来上がりまで日数もかかりますが、自分の身体に合ったたった1つの枕が作れると考えると決して無駄にはならないでしょう。首のケアのみならず、睡眠そのものの質も大きく向上させられることを考えればおすすめといえます。

5.まめに汗拭きをする
あまり意識されていないことですが、肌に汗をかいたままの状態で放置してしまうと、汗が乾くとき肌のうるおいが一緒に奪われてしまい、乾燥によるシワにつながります。額や腕の汗はすぐ拭くけれど、首は忘れられがち。暑い日やスポーツなどで首に流れるような汗をかいてしまったときは、ハンカチやタオルですぐ拭くようにしましょう。また、日焼け止めを塗っている場合は、汗拭きと一緒に塗り直しを忘れずに。

■要注意!首のシワは年齢に限らず現れる!?

首にシワがあると、年齢が感じられやすいとは非常によく言われることですが、年齢に関係なく若いうちからでも首にシワができてしまうこともあるとご存じでしたか?年齢に関係なく首に現れてしまうシワは、先にご紹介した原因のなかでも主に姿勢や枕の影響が大きいといわれています。
普段から頬杖をつく姿勢が多かったり、猫背やスマートフォンの使い過ぎなどで下を向きがちになったりしていると、たとえまだ老化を感じる年代でなくとも首にシワができてしまうことも。
「まだそれほどの歳ではないのに、首にシワが出ているように見えるかも…」と危機感を持ったら、まずは姿勢や枕の高さを見直してみましょう。もちろんそれを機会に、保湿や紫外線対策などにより一層力を入れることも始めてみてください。

■おわりに

この記事では、首にできるシワの原因や、早期から始められるさまざまな対策法についてご紹介しました。顔と首で見た目年齢に差があると、どうしても首を見て判断されてしまいがちになります。日頃の対策をしっかり行い、加齢の影響が早くから現れないよう配慮しましょう。
それでも気になってしまう首のシワには、美容クリニックで治療を受けることを検討する方法も一案です。治療法にもさまざまな種類がありますし、綿密なカウンセリングによって医師が治療に関するアドバイスをしてくれます。意外に敷居は高くありませんから、お悩み相談を兼ねてクリニックを訪ねてみてはいかがでしょうか。

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