シワの正体は、帯状毛穴かも?!正しいスキンケアで予防しよう

「最近ほうれい線が目立つようになった」と感じることはありませんか?もしかすると、それはほうれい線ではなく、帯状毛穴かもしれません。帯状毛穴とは、頬にある毛穴同士がつながってシワのように見えるもので、40歳前後の女性を中心に多くの方の悩みとなっています。
今回は、帯状毛穴を改善するためのポイントとなる「保湿」と「栄養素」を中心に、日頃使えるメイク術まで、たっぷりとご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■毛穴とシワが関係しているって本当?

毛穴とシワは一見すると別物のように思えますが、頬のシワなどをよく観察してみると、毛穴同士がつながっているように見えることがあります。これが「帯状毛穴」です。帯状毛穴の原因は、主に「乾燥」と「コラーゲンの減少」が考えられます。
肌が乾燥すると、水分を失った肌は萎縮し、縮んだ皮膚に引っ張られて毛穴が拡がってしまいます。その状態が長く続くと、皮脂で肌を覆って水分の蒸発を防ごうと、毛穴から皮脂を分泌するため毛穴はさらに拡がります。また、肌の弾力を保つ役割のコラーゲンが不足した場合も、肌と同時に毛穴もたるんで拡がってしまいます。
拡がった毛穴同士がつながる帯状毛穴は、頬などたるみやすい部分に現れやすく、ほうれい線もそのひとつです。一度できてしまうと改善は難しいとされていますが、保湿によって乾燥を防いだり、肌にコラーゲンを与えたりすることで肌状態を良くする効果は期待できるので、毎日のスキンケアや食事の見直しがポイントとなります。

■正しいスキンケアで毛穴対策・洗顔編

「時間をかけて洗う」「ニキビができたら特に念入りに洗う」「1日に複数回洗う」などの方法で洗顔をしていませんか?どれも正しいように思えますが、長時間洗顔料が付いているだけでも肌へは負担がかかっています。
また、肌荒れやニキビがある部分は肌が弱っている状態のため、洗顔によって肌を傷めてしまう可能性や、複数回の洗顔によって必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。洗顔は朝と夜の2回、それぞれ1分から1分半を目安にするとよいでしょう。
朝の肌は夜に比べて汚れが少ない分、洗顔料をつけて洗うと肌の潤いや必要な皮脂まで流してしまうので、朝は洗顔料をつけず肌に負担の少ない32度から35度のぬるま湯で洗うようにしましょう。
反対に、夜の肌は日中にふれた外気のホコリや、メイクなどの汚れが毛穴に溜まっているため、クレンジングが必要です。つい汚れを落とそうと強く擦ってしまいがちですが、肌を擦ると摩擦が発生して肌の角質層を傷つけてしまうため、しっかりと泡立てた泡の弾力で、優しく撫でるように洗いましょう。
皮脂の多い額部分は、泡を乗せてクルクルとマッサージをするようにしましょう。皮脂の少ない頬部分は泡を乗せる程度に、そして、皮膚が薄くデリケートな目元や口周りは力を入れず特に優しく洗うのがポイントです。
洗い流す時には、バシャバシャとお湯を顔に叩きつけるように洗い流すのではなく、手のひらですくったぬるま湯を、そっと顔に付けるイメージで優しく流します。髪の生え際や顎、こめかみなどに流し残しがないよう、十分にすすぎましょう。また、洗顔後もゴシゴシ擦らず、タオルで水分を吸収させるようにそっと顔に当てる程度がよいでしょう。
初めのうちは物足りなく感じられるかもしれませんが、肌に負担をかけないためにもぜひ試してみてくださいね。

■正しいスキンケアで毛穴対策・保湿編

洗顔で肌の汚れを洗い流したあとには、乾燥を防ぐため、必ず保湿をしましょう。保湿は、化粧水、乳液、クリームの順でおこないます。
化粧水は肌のキメを整え、毛穴を引き締めてくれます。乳液には、肌の潤いを保ち、肌を柔らかくする働きがあります。これだけでは肌の潤いを長時間保つことが難しいため、最後にクリームを塗ります。
クリームは、肌の表面にフタをして潤いを閉じ込め、化粧水や乳液などの成分を逃がさない役割があります。肌の状態に合わせて、乳液をつける前に美容液を使うのもよいでしょう。美容液には肌の栄養を補助する役割があり、配合成分や効果も様々なので、肌の状態や悩みに合わせて選んでください。
これらの基礎化粧品は、「ヒアルロン酸」「セラミド」「グリセリン」「尿素」「AMP(アデノシン一リン酸)」などの保湿成分が配合されたものがオススメです。セラミドには水分を取り込む働きがあり、ヒアルロン酸と尿素は、水分を保持する働きがあります。また、吸湿性が高いグリセリンと、エネルギー代謝の働きをするAMPは体内に存在している成分で、化粧品に配合することによって補うことができます。

■コラーゲンとビタミンCで肌改善

肌にハリを与えるため、コラーゲンが配合された化粧水を選ぶ方が多いようですが、化粧水は一時的に肌の表面に潤いを与える効果は期待できても、コラーゲンの成分を真皮にまで届けるのは難しいといわれています。
肌本来が持つコラーゲンの生成機能をアップさせるためには、コラーゲンを多く含む食品と同時に、コラーゲンの生成と保持の働きがあるビタミンCを摂ることがオススメです。
コラーゲンを含む食品は、「動物性食品」と「海洋性食品」に分けられます。動物性食品には、手羽先や鶏の皮、軟骨、牛スジなどがあり、牛や鶏、豚の骨を煮込んで作るスープなどにも、コラーゲンが多く含まれています。海洋性食品には、よく耳にするスッポンやフカヒレのほか、魚の皮やウナギ、クラゲなどがあります。また、ゼラチンを使ったゼリーにもコラーゲンが含まれています。
ビタミンCはレモンをはじめ、キウイやイチゴ、ブロッコリー、赤パプリカ、ホウレン草などに多く含まれています。熱に弱い成分のため、加熱せずにサラダやフレッシュジュースなど、生で食べるのがオススメです。加熱をする場合は、さっと熱を通す程度にするとよいでしょう。
ただし、肌に良いからといって偏った食事をするのは、栄養バランスの乱れにつながります。一度に多く食べるのではなく、毎日継続して食事に取り入れることが大切です。

■帯状毛穴をカバーするメイク術

スキンケアや食事の見直しによって、帯状毛穴の原因を改善することは大切ですが、すでにできてしまったシワは、メイクによってカバーすることもできます。ほうれい線を例に、メイク方法をみてみましょう。
メイクでカバーする時に最も重要なステップは、ベースメイクです。ほうれい線はくっきりと目立ってしまうことが多いため、メイク下地はほうれい線を境にして内側は少し明るい色味にし、外側は顔全体と同じ色味を塗ると、光の反射を利用してシワのラインが目立ちにくくなります。
ファンデーションに関しては、リキッドタイプもしくはクリームタイプを選びましょう。光の反射を受けやすくするために、パール入りのものがオススメです。パウダータイプではシワ部分までカバーしきれず、かえってほうれい線を目立たせてしまう可能性があるため、注意しましょう。ファンデーションの上にチークをつける場合は、笑った時に浮き出る頬骨の上あたりに入れると、ほうれい線から目線を外す効果が期待できます。
口紅は直接唇に塗るのではなく、紅筆を使って輪郭を描くように塗りましょう。口角を少し上に向けて描くと、口元のたるみをカバーでき効果的です。
また、アイメイクによって視線を上に持っていくことで、ほうれい線を目立たなくさせるテクニックもあります。目元を強調するため、アイラインは目尻を少し長めに引き、目頭と目の下あたりにハイライトを入れるとよいでしょう。

■おわりに

年齢を重ねるとともに肌が乾燥したり、シワができたりするのは誰もが経験すること。過度にシワを気にしてストレスを溜めこんでしまうのは、肌にとって良くありません。悩んでいる方は、スキンクリニックなど専門家に相談するのもひとつの方法です。
シワや毛穴のない肌を作るのは簡単なことではありませんが、すぐに結果を出そうと焦らずに、毎日続けることを心がけましょう!

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