■肌のたるみはどうして起こってしまうの?
たるみ防止のケアを考える前にまず、肌にたるみを引き起こす原因からみていきましょう。
・真皮にある弾力成分の減少やおとろえ
肌の深い部分にある真皮は、「コラーゲン」や「エラスチン」などの弾力成分で満たされることで肌のハリを保っています。紫外線による悪影響を長期間にわたって受け続けることで起こる「光老化」や、加齢によって肌の乾燥が進み「バリア機能」が低下することにより、これらの弾力成分が減少してしまうことで、たるみが発生するといわれています。
・表情筋の筋力低下や減少
私たちは、日々顔の筋肉を動かすことで表情を作っています。この顔の筋肉は「表情筋」と呼ばれますが、他の筋肉と同様表情筋も加齢によって減少したり、筋力が低下したりします。表情筋のはたらきが低下することで、その上にある皮膚や皮下脂肪が支えきれなくなり垂れ下がった状態になれば、それが肌のたるみとなって現れてしまいます。
・食生活の乱れや喫煙、ストレスなどの生活習慣
内面の影響が肌に出てしまうことも多いものです。特に寝不足や偏った食生活、喫煙の習慣などは肌荒れの原因となりやすく、それらが長期にわたって習慣化することで肌の見た目年齢を高く見せる「老け顔」を招いてしまいます。たるみに限らず、シワやくすみなどもできやすくなるため、注意が必要です。
■たるみ予防の美容液選びは何をポイントにする?
たるみを引き起こさないためには、表情筋を積極的に動かしたり、ストレスなどを減らして生活習慣の改善を図ったりすることが何より大切です。しかし、スキンケアで外から必要なものを補うことも、たるみ予防には一役買ってくれるはず。
ここでは、たるみ予防を考えた美容液選びについてご紹介します。
1.たるみを防ぐには「保湿ケア」が基本
シワやくすみなど他の肌トラブル同様に、たるみを防ぐお手入れの基本は「保湿ケア」です。肌にうるおいをきちんと補い、それを逃げないよう保護することで皮膚の「バリア機能」が高まり、弾力成分をおとろえさせないケアを早いうちから始めましょう。
保湿美容液でたるみを防ぐなら、「セラミド」や「ヒアルロン酸」など、体内にもともと存在するうるおい成分を含むものを選ぶことがおすすめです。なかでもセラミドは、少しの乾燥でも奪われやすいデリケートな成分。セラミドには刺激から肌を守り、弾力成分などが奪われないよう作用する「バリア機能」を保つはたらきもあります。セラミドを効果的に補う美容液を選んで継続的に使用することで、たるみの予防も期待できます。
2.肌のハリアップが期待できる美容液とは?
たるみを予防するには、保湿と共に肌のハリを失わないことが大切。肌に活力を与え、ハリを取り戻すためのお手入れを考えた場合、美容液にもハリを与える成分が配合されたものを選びましょう。
・あらゆる肌のおとろえを防ぐとされる「ビタミンC誘導体」
ビタミンC誘導体には、肌の新陳代謝を促して皮膚の生まれ変わりを正常に整えるはたらきがあります。この作用は肌のハリにもつながりますが、そのほか美白効果やたるんだ毛穴を引き締める作用も。ビタミンC誘導体が配合された美容液はたるみ予防のほか、肌の調子を総合的に底上げすることも期待できます。
・若返りのビタミン「レチノール」
レチノールといえば、シワ予防や美白効果などでその名前を聞いたことがある方も多いでしょう。レチノールは肌でビタミンAに変化する成分で、シワやくすみのほか肌にハリを与え、たるみの予防ができるともいわれます。
レチノールも肌の新陳代謝を促進する成分ですが、紫外線に当たると変質しやすいという特性がありますから、レチノール配合美容液は主に夜のお手入れでの使用がおすすめです。
主に美容液に配合され、ハリを与える効果が期待できる上記の2成分は、作用は強めですがその分肌への刺激となる可能性もあります。敏感肌の方は成分が強いと感じるケースもありますから、肌が弱めの方はよく試してご自分の肌に合うものを選ぶようにしましょう。
■美容液でのお手入れ後は「表情筋エクササイズ」をしてみよう
さまざまなお手入れを試してきた、美容の達人ともいうべきスキンケア上級者の方なら「たるみを防ぐには、美容液の効果だけに頼るのは難しいのでは?」と思うかもしれません。確かにその通りで、美容液でのお手入れはあくまで「予防」に特化したものと考えた方が良いでしょう。もし、すでにたるみが気になり始めている状況であれば、スキンケアに加えて表情筋の活性化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
たるみ予防の美容液を含むスキンケアでのお手入れ後に、「表情筋の筋トレ」を毎日行うと顔の筋肉量が増えて筋力もアップします。内側からハリやツヤをアップさせられるほか、表情から活力や若々しさを取り戻せるかもしれません。
1.「あ・い・う・え・お」を大きな口で!
簡単ですが、とても効果的なエクササイズです。「あ」「い」「う」「え」「お」と、順に大きく口を開けて発音しましょう。お家にいるときならしっかり声を出しながら行えば、話し方を明瞭にするトレーニングも兼ねられます。
2.目元のたるみを防ぐエクササイズ
眼球だけを動かすエクササイズも、目の周りの表情筋を鍛えるために効果的です。目元のたるみが気になるなら、ぜひ試してください。
眉を一緒に動かさないよう注意しながら、目だけを「上→左ななめ上→左→左ななめ下→下→右ななめ下→右→右ななめ上」の順でぐるりと一周させましょう。これを1セットにし、無理のない速さで3セット繰り返しましょう。
■美容液やエクササイズで改善できなければ、たるみは良くならないの?
残念なことですが、美容液などのスキンケアやエクササイズを行っても改善が難しいたるみもあります。特に、すでにたるみが進行している状態であれば「予防」のお手入れである美容液やエクササイズの効果は現れにくいことも。
「できてしまったたるみは、もう良くならないの?」と、早合点するのは禁物です。美容医療を選択すれば、できてから時間が経過したたるみでも改善できる治療法があります。もし、大がかりな手術などで治すことに抵抗があっても、今はリフトアップ治療にはさまざまな選択肢があります。お悩みやご予算に合った最適なケアを提案してもらえますから、美容クリニックを訪ねてみるのも1つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
■おわりに
この記事では、たるみのお悩みに合わせた美容液での予防ケアや、それにプラスしたい対策についてご紹介しました。
まずは今回ご紹介した予防のケアから始め、これ以上たるみが表面化しないよう気をつけながら過ごしてみましょう。それでも進行してしまうたるみがどうしても気になれば、美容医療などの選択肢もプラスして、より効果の高いリフトアップケアにチャレンジする方法も一案です。