顔ヨガって効果があるの?たるみやほうれい線予防にもなるって本当?

一般的なヨガの効果が及びにくい「顔」に的を絞った「顔ヨガ」というエクササイズが注目されています。具体的に「二重あご」や「ほうれい線」など、肌のたるみが引き起こすお悩みに効果があるとされていますが、実際のところどの程度の効果が期待できるのでしょうか。 この記事では、今話題の「顔ヨガ」の基本的なやり方や「効果がない」という噂の真実、そして顔ヨガを始めるならぜひ同時に取り入れたいケアについてご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■顔ヨガのやり方と期待できる効果とは?

「ヨガ」というと全身でのポージングと呼吸法で心身を内側からおだやかに鍛えていくエクササイズを指しますが、「顔ヨガ」はその名の通り、顔の部分だけを使って表情を変化させながらおこなうエクササイズを指しています。

【基本的な顔ヨガのやり方】
1.二重あご予防の顔ヨガ
鏡を見ながら、舌で頬の裏側を押さえつけながらシワを伸ばすようにして、そのまま舌を口の周囲に沿って回転させます。同じ方向に5回ほど回転させたら、次に逆回転で同様の動作をします。ゆっくりと回転させることで、フェイスラインのむくみによる二重あごの予防や、舌の筋肉を鍛える効果が期待できます。

2.頬のたるみ対策の顔ヨガ
口を閉じて縦長になるようにすぼめ、両頬をぐっと吸い込むようにして鳥のくちばしのような状態にします。頬を吸って唇をすぼめたまま縦に開け閉めすることを。10秒ほど続けます。この方法で頬と口の周りの筋肉を鍛え、頬が下にたるんでしまう状態を予防するといわれています。

ヨガというと呼吸法の取り入れ方が肝心なイメージがありますが、顔ヨガは呼吸を取り入れないため厳密にいうと一般的なヨガと同義ではなく、「顔筋エクササイズ」の一種と考えられそうですね。ヨガと顔ヨガが似ているのは「1つの動作に時間をかけ、じっくりおこなっていく」という要素かもしれません。
顔ヨガは、顔の筋肉を部分的に鍛えることでむくみを解消するエクササイズです。そのため、たるみやシワそのものを予防する効果よりは、フェイスラインをスッキリさせて小顔に見せる効果のほうが高そうに感じられます。
そのため、顔ヨガは以下のようなお悩みがある方におすすめといえそうです。

1.顔がむくんで大きく見えやすい人
2.無表情に見られたり、顔が疲れているように見られたりしがちな人

毎日顔の筋肉を鍛えることは「フェイスラインのむくみ対策」に効果的です。「つねに顔がむくみやすいことで、無表情で機嫌が悪そうに見られがち」「むくむ日とそうでない日の顔立ちの落差が激しく、日々顔の印象が違って見えてしまう」という方は、顔ヨガを一定期間続ければ顔がスッキリとし、表情豊かな印象を与えられるかもしれません。
しかし、顔ヨガには効果がないという人も一部にいます。これだけ多くの人に話題になり、効果が期待できるといわれる顔ヨガにも弱点があるのでしょうか。次の項目では、顔ヨガについて稀に聞かれる、意外によくない評判についても触れていきます。

■顔ヨガで逆に老け顔になるって本当?

顔ヨガについてインターネットで検索すると、「逆効果」「シワが目立つようになる」「ハリがなくなって老け顔に」など、どちらかというとネガティブな言葉も目立つと感じませんか?
とはいっても、顔ヨガをしたからといって肌が衰えたり老けたりすることはありません。老けたように感じられたとすれば、おそらく「顔の筋肉が増えてフェイスラインが引き締まった」などの作用が、別の影響を与えているのかもしれません。
ふっくらしていたフェイスラインが顔ヨガを続けることでスッキリすれば、「急にハリがなくなった」と感じてしまうこともあり得ます。また、「シワが目立ってきた」と感じるなら、パンパンだった頬のむくみが落ちたことで、伸びていた皮膚が一時的に余って見えることが原因かもしれません。
「顔ヨガをすると顔が老ける」というのは誤った認識で、実は顔がスッキリしたことで、これまで脂肪やむくみによってカモフラージュされてきたお悩みの要因が、白日のもとにさらされたといってよいのかもしれません。
しかし「顔ヨガはやめたほうがよいの?」と、早合点するのは禁物です。フェイスラインがたるんだままよりはスッキリ締まっていたほうがよいのは当然ですし、疲れた顔に見せてしまうむくみも、そのままにせず解消したほうがよいに決まっています。
顔ヨガの効果があらわれることで別のお悩みが増えたとしても、解消する方法が分かっていればそれ以上悩む必要はありません。次の項目では、顔ヨガの効果が出てからお悩みが増えたときに、顔ヨガと並行しておこないたいことについてご紹介します。

■顔ヨガと並行しておこないたいこととは?

「顔ヨガでむくみを落として顔の筋肉を鍛えたいけれど、そのせいで老け顔が強調されるのは嫌」という方は、たくさんいるでしょう。顔ヨガはむくみをすっきりさせて小顔に見せる効果が期待できますが、その分皮膚が余って見えたりハリが失われたりするように感じられるリスクもあります。
そんなお悩みがあるなら、顔ヨガの習慣と並行して「たるみケア」の治療を受けるという方法がおすすめです。その場合は美容クリニックに通って治療を受けることになりますが、整形ではないので顔立ちが急に変わってしまったり、皮膚を切って縫ったりするような恐さはまったくありません。
代表的な「たるみケア」の治療法には、高周波を照射して肌内部でコラーゲン生成を促すものや、リフトアップレーザーと呼ばれるレーザーを照射してたるみを引き締める方法などが挙げられます。いずれも、皮膚に直接触れずお肌にやさしい照射型の治療が選べますので、痛みも少なく恐い思いもせずに済むでしょう。
しかし、せっかく顔ヨガをしているのなら、相乗効果でお顔全体が引き締まって見える高周波やレーザー治療などのほうがよいかもしれません。お顔のラインにはたらきかける方法のほうが、おすすめといえそうです。
顔ヨガで老け顔になったと言わせないためには、並行してたるみケアの治療を受けることが決め手だったのですね。小顔になれて、肌のハリも失わずに済むならぜひ検討したい!という方も多いかもしれませんね。
しかし、美容クリニックならどこでもよいとは言い切れないのでご注意ください。ご自身に合った最適な治療法をアドバイスしてくれて、施術なども安全性に関する細心の配慮が行き届いているクリニックを選ぶことが、何より大事です。

■おわりに

この記事では、「フェイスラインが引き締まる」「顔のむくみが解消される」と話題の「顔ヨガ」の取り入れ方や効果、そして顔ヨガによる老け顔対策におすすめの治療法についてご紹介しました。
顔ヨガはご自分でできて、お金などはまったくかかりません。エクササイズにお金がかからない分を、美容医療によるたるみケアに充てることもできるかもしれませんね。テレビや動画を見たりしながらコツコツ顔ヨガを続けながら、たるみケアの治療を並行しておこなう方法は、特におすすめです。
「それほどガツガツ鍛えているイメージはないのに、顔がスッキリして表情も若返った!」と、周囲の人から注目されてしまうかも。

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