マッサージ

たるみに効果的なマッサージ方法とは?毎日コツコツ続けてみよう!

毎日できるたるみ対策といえば、化粧品などでのケアや睡眠・食生活の改善のほかにマッサージが挙げられます。数年前には、「10年前の顔立ちに変わる」とされるマッサージ法がブームとなり、マッサージクリームが品薄状態になったことが記憶に新しいですね。
この記事では、たるみに効果的なマッサージについてご紹介します。マッサージは肌に直接触れるお手入れですから、間違った方法で行うとトラブルにつながることも。この機会に、肌が元気を取り戻す正しいマッサージ法を学んでおきましょう。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■マッサージの効果は「巡り」を良くすることで現れる

マッサージは、物理的に肌を引き上げてリフトアップさせるというよりは、滞りがちな血液やリンパの流れをスムーズにし「巡り」をよくすることが効果を高めるポイントです。
血液やリンパの流れは、体のすみずみまで栄養分を届けたり、老廃物の排出を促したりしています。それが滞れば栄養が行きわたらなくなりますし、老廃物も溜まったままになりがち。巡りをよくすることは、皮膚のターンオーバーを促すことにつながるため、肌の生まれ変わりにも大きく関わってくるのです。
表情筋や顔とつながっている頭皮が凝ってしまうと、特にリンパの流れが悪くなりがちになるため、むくみやくすみも起こりやすくなります。顔の筋肉を無理に動かして引き上げるのではなく、コリをほぐして血行を良くするマッサージを心がけることが、たるみ対策のポイントになります。

■顔をほぐして巡りを促す、正しいマッサージ方法を試してみよう!

顔の表情筋のコリをほぐすことと、リンパや血液の巡りを良くする両方の効果が得られるマッサージ方法を、さっそく試してみましょう。
まず、マッサージによって肌をごしごしこすってしまわないよう、摩擦を防ぐためのマッサージクリームやコールドクリーム、マッサージ用美容液などを準備します。肌への刺激や摩擦が強くなりすぎるため、素手でのマッサージは決して行わないように気をつけましょう。
クリームまたは美容液を顔全体になじませたら、両側の小鼻の脇からこめかみにかけてを、親指以外の4本の指で軽くすべらせるようにマッサージします。次に、両頬骨の下のくぼみに親指以外の4本の指を置き、指はそのまま動かさずにあごを引くようにしてください。頬骨の下が4本の指で押し込まれ、マッサージ効果が得られます。これを数回繰り返します。
次に、両側のこめかみに親指以外の4本の指を置き、力を入れすぎずに指でこめかみを引き上げます。そのとき引き上げると同時に、引いていたあごを前に出して顔全体が上を向くような動作をするとよいでしょう。
その次に、頬骨に沿った下の部分を親指以外の4本の指で円を描くように、丁寧にもみほぐします。このときも、内側から外側に向かってこめかみまで円を描くようにしましょう。
最後に、もみほぐした表情筋を整える顔の体操をします。頬に両手を当て、口を「O(オー)」の形に小さく開きます。そのまま頬に宛てた両手をぐっと上に持ち上げ、8~10秒止めてください。その後は、両手を元の位置に戻し、持ち上げた頬の筋肉を元に戻しましょう。これを、5回繰り返します。
マッサージは、朝と夜の1日2回行うのがベストですが、朝は忙しいという方は夜寝る前に毎日1回行うだけでもよいでしょう。顔のコリは気づきにくいものですが、実際にほぐしてみると思いのほか気持ちが良いので、楽しみながら続けられるかもしれません。

■マッサージと一緒に取り入れたい、たるみ予防の生活改善

マッサージだけでたるみが改善されれば言うことはないのですが、たるみの原因はコリや血液・リンパの滞りだけではありません。むくみや運動不足が関係している場合も多くなりますから、マッサージを始めたら、以下のような生活習慣の見直しも少しずつ行ってみるとよいでしょう。

1.味の濃い食べ物が好きなら、摂りすぎに気をつける
2.冷たい飲料ばかり飲まず、あたたかいお茶などを飲むようにする
3.ミニスカートやショートパンツなどをはく機会が多ければ、冷えを防ぐよう気をつける
4.飲酒はむくみを招くことがあるので、飲む量はほどほどに
5.適度に運動やスポーツを心がけ、定期的に汗をかくようにする
6.就寝時間は可能なかぎり、夜12時までに
7.お風呂はシャワーだけで済ませず、なるべく湯船につかる
8.野菜や海藻など、繊維質を含む食べ物を意識して摂る

肌のたるみは、日頃の生活習慣からくる「むくみ」や「冷え」でも起こりやすくなります。体を冷やさず、汗をしっかり流して新陳代謝を意識しながら暮らすとよいでしょう。

■要注意!こんなマッサージ方法は逆効果?

マッサージがたるみに良いといっても、間違った方法で行ってしまうと逆効果になることがあります。以下のようなマッサージを行ってしまっていたら、逆にたるみを助長したり、しわを増やしたりしてしまう可能性も。

・力を入れすぎ、無理に引っ張ったり持ち上げたりしてしまっている
・クリームなどを使わず、肌を強く摩擦してしまっている
・肌荒れやニキビがある部分を気にせずマッサージしてしまっている
・化粧水やクレンジング剤を使ってマッサージしてしまっている

上記の方法でマッサージをすると、刺激を与えすぎてしまうことにつながります。特に、肌にトラブルがあるときに無理をしてマッサージを続けることは禁物。ニキビや肌荒れのときは、マッサージはお休みしましょう。
また、クレンジングオイルなどでメイクを落とすときにそのままマッサージをしてしまう人もいるようですが、これも良くありません。クレンジング料は肌につけるスキンケアとは異なり、落とすこと前提で洗浄効果を高めるために化学成分などが含まれているものもあります。それをマッサージで肌に塗りこんでしまうことは、刺激につながってしまうでしょう。「クレンジングにもマッサージにも使える」と謳っているコールドクリームなどもありますが、クレンジングとマッサージはそれぞれ単独で行うのが望ましいでしょう。

■おわりに

この記事では、たるみに効果的なマッサージ方法についてご紹介しました。ご自分でたるみ予防のためにマッサージを行うときは、正しい方法できちんと行うことが大切です。特に、摩擦を与えてしまうことはたるみに逆効果なだけでなく、肌表面の角質層のターンオーバーを乱すことにつながり、くすみや肌荒れを招いてしまう可能性もあります。力を入れすぎず、方向を間違えないようにしながらマッサージしましょう。
それでも改善しきれない深刻な肌のたるみが起こってしまっているなら、マッサージを取り入れて巡りを良くしながら、美容クリニックでのたるみ治療も検討してみてはいかがでしょうか。今では、痛くなく傷なども残らないスキンケア感覚の治療方法も選べるようになり、以前に比べて美容医療はとても身近なものとなっています。事前にお悩みや要望をしっかりカウンセリングのうえ、最適な治療法を医師が提案してくれますから、安心感も高くなっています。
もちろん、治療を受けるときにはマッサージを併用しても大丈夫かどうかを医師にきちんと尋ねて、指導を守るようにしましょう。

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