ファンデーション

顔の気になるシワをファンデーションで上手にカバーするには?

顔のシワ、特に目尻の小ジワやほうれい線周りのシワなどは、メイクをしているときも気になりやすいもの。お化粧で隠そうとして、ついついシワの部分に沢山ファンデーションやお粉を塗ってしまっている方も少なくないのでは?でも、つけすぎがかえって逆効果になってしまうこともあるのをご存じでしょうか。
今回は、気になる顔の部分的なシワをメイクで上手にカバーするファンデーション使いのテクニックや、シワを目立たせないお化粧直しの裏ワザなどをご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■シワを隠すための「厚塗り」が、逆にシワを目立たせる!?

シワを目立たなくさせようと、ついファンデーションや化粧下地・コンシーラーなどをシワの部分に多くつけてしまう方も多いかもしれません。現に「小ジワを目立たなくする」と広告などで謳っているエイジング世代向けのファンデーションも増えています。
しかし、ファンデーションでシワをカバーするためには「ただ量を多めにつければよい」というわけでは、実はありません。シワになりやすい目元や口の周りは、表情の変化によって皮膚がよく動く箇所でもあります。そのため、皮膚の動きによって表面に塗ったファンデーションの粒子がヨレてしまい、シワの溝に溜まって逆に目立つことがあるのです。
粘度が高く硬いコンシーラーや、パウダーファンデーションの厚塗りなどはメイクのヨレをさらに目立たせる原因となることも多くなりますから、ベースメイクをするときはシワの部分に極力薄くつけるようにすることで、時間が経ってからのメイクのヨレを防ぐようにしましょう。

■「粉もの」をつけすぎると、乾燥ジワの原因にも

ベースメイクを手軽に済ませたいという理由で、サッとスピーディにつけられるパウダーファンデーションを愛用している方も多いはず。逆に、しっかり造り込んだお化粧が好きな方の場合は、クリームや液状のファンデーションのあと、さらにおしろいをはたいて仕上げている方が多数派なのではないでしょうか。
最近では保湿力の高いパウダーファンデーションやおしろいが増えているとはいえ、そもそも粉体は水分や油分に馴染みやすく、表面のうるおいを吸着する性質を持っています。ゆえに「粉もの」の化粧品は、乾燥している肌の表面には密着しにくくなります。たとえば、肌の上でパウダーファンデーションやおしろいがなかなか落ち着かず、ベースメイクの乗りが全般的に良くないときなどは大抵肌が乾燥して荒れてしまっている状態ですね。
また、シワができる大きな要因の1つには「肌の乾燥を放置してしまうこと」が挙げられます。ただでさえ乾燥しやすいシワの部分にパウダーファンデーションやおしろいをつけすぎると、粉が肌のうるおいを奪ってしまうことでさらに乾燥を招くことも。皮膚の乾燥が進めば、小ジワの溝も深くなってしまうかもしれません。
粉ものの化粧品は、シワなど乾燥しやすい部分にはつけすぎないように気をつけましょう。とはいっても、パウダーファンデーションやおしろいをまったくつけないわけにはいきませんから、塗る前にスキンケアや化粧下地でしっかり保湿を心がけることも忘れずに。ファンデーションを選ぶときも「保湿効果」や「シワカバー」を謳っているものを探してみましょう。化粧崩れを気にしてつい皮脂を吸収するタイプのファンデーションに目が行ってしまう方も少なくないかもしれません。でも、乾燥小ジワが気になる世代には保湿タイプのファンデーションのほうが密着度を高められるため、化粧崩れを予防しやすいともいわれています。

■若い子用と思ってませんか?目元のシワカバーには「ハイライト」も効果的

ベースメイク用の小物といえば、まず「コンシーラー」と「ハイライト」が思い浮かぶはずです。しかし正直なところ「コンシーラーは常用しているけど、ハイライトは使う機会があまりない」という方も多いでしょう。ハイライトはギャル世代のインパクトあるポイントメイクに合わせるもので、自分たちの世代には今ひとつピンとこない…と思う方も少なからずいるはず。
でも、ハイライトはその名の通り光をコントロールしてくれる優秀なアイテムです。シワの影を飛ばして目立たせなくするにも効果的ですから、アイメイクをする前に目尻にサッと入れてみましょう。光を拡散させて、シワの溝や目元のくすみを飛ばしてくれます。目元のシワにはファンデーションを極力少なめにつける代わりに、上からハイライトをサッと入れてあげるとよいでしょう。ラメが大きいものは不自然に見える可能性がありますから、粒子の細かいパールタイプがおすすめです。

■シワが気になるときのお化粧直しテクニック

「それでも、時間が経つとメイクがシワの部分でヨレてしまう!」という場合もあるでしょう。特に朝から夜までずっとメイクしたままでいなければならないときなどは、ファンデーションやハイライトでどんなに工夫しても時間の経過で気になる部分が出てきてしまうかも。そんな日は、お化粧直しタイムですっきり目元にリセットしましょう。
目元やほうれい線周りでファンデーションがヨレているときは、面倒だからとそのままパウダーファンデーションやおしろいを重ね塗りすると、余計にシワに溜まった粉が悪目立ちしてしまいます。ファンデーションがヨレている部分は乾燥も進んでいますから、まずはヨレや乾きが気になる部分に乳液などを塗って保湿しましょう。そのあと、軽く拭き取ってから(この手順でヨレたファンデーションも落とせます)その部分だけにパウダーファンデーションかおしろいを薄くつけ直します
気をつける点は、目元や口の周りは皮膚がデリケートですからゴシゴシとこすりすぎないことが1つ。コットンや綿棒などを持ち歩き、いつもやさしくケアするようにお化粧直ししましょう。もう1つは、やはりメイク直しのときもファンデーションやおしろいをつけすぎないことです。

■それでも隠せないシワが気になったら

ファンデーションやおしろいでシワをある程度までカバーできるとはいっても、やはり限界を感じる場合もあるでしょう。お化粧で隠しきれない気になるシワは、美容医療でしっかりと治すことも検討してみてはいかがでしょうか。
シワを伸ばす治療というと全身麻酔をして顔にメスを入れるような手術を連想し、抵抗を感じる方もいるでしょう。しかし、今では外来による施術で確実にシワへの効果が見込める安全性の高い治療法の選択肢も増えています。大がかりな手術での治療と比較すれば、患者さんの心身への負担や施術にかかるコストもかなり低減できるはずです。
部分的なシワのお悩みには、1度の注射で3~6か月ほど効果が持続する「ボトックス」や、人の皮膚にも存在する保湿成分のヒアルロン酸を注射して皮膚のくぼみを盛り上げる「ヒアルロン酸注入」などが選べます。また、手術が必要と考えられていた全体的な顔のリフトアップにも、現在では微量の高周波電流を照射する治療法で対応ができるようになっています。
美容クリニックでは、患者さんの肌悩みや現在の状態、ご予算をしっかりとカウンセリングの上、数ある治療法の中から適した選択肢を提案してくれます。シワをメイクで隠すことが難しいと感じ始めたなら、治療による根本的な解決方法を併用する手も考えてみるとよいでしょう。

■おわりに

今回は、気になるシワをファンデーションで上手くカバーする方法や、痛みや不安の少ないシワの治療法などについてご紹介しました。シワを気にするあまり、嬉しいときにも思い切って笑えない毎日は寂しいものです。何歳になっても生き生きと豊かな表情で過ごせる人生をめざして、まずは日々のメイクにひと工夫することから始めてみましょう。

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