■まぶたがたるむさまざまな原因
顔全体にはたるみを感じていないのに、鏡を見るとまぶたがなんとなく重く見えるようになったという方も少なくないでしょう。ここでは、まぶたのたるみが起きる原因についてご紹介します。
1.加齢
年齢を重ねると、顔の筋肉もおとろえ始めます。まぶた周りの表情をつくる筋肉(眼輪筋)が減少して脂肪に変化してしまうと、それを覆う皮膚にもたるみが発生します。また、皮膚そのものの弾力成分(コラーゲン・エラスチンなど)が減少することでたるみが起きることもあります。
2.スマートフォンやパソコン画面の見すぎ
意外な原因ですが、スマホやパソコンを使いすぎることで、まぶたのたるみが引き起こされる可能性も指摘されています。画面を長時間集中して見ているときには、どうしてもまばたきする回数が減ってしまいます。まばたきは目の周りの筋肉の動きに関係しますから、まばたきが慢性的に少なくなれば筋肉のおとろえにつながり、たるみの原因になり得ます。
3.メイクや洗顔などによる刺激
洗顔やメイクなどで目元を強くこすることが癖になっていると、繰り返しまぶたへ刺激を加え続けることになり、まぶた周りの皮膚だけがたるんでしまう原因になります。
4.「眼瞼下垂」という症状によるもの
まぶたを動かして目を開く動作をおこなう筋肉「眼瞼挙筋」がおとろえると、目をしっかり開きにくくなる「眼瞼下垂」という症状が起こります。眼瞼下垂になると、まぶたではなく額やこめかみの筋肉を使って目を開けようとするため、額の筋肉が疲労して凝りやすくなります。その結果、額の横じわが増えてしまうなど、さらに老け顔に見えてくることも。また、額の筋肉は頭や首・肩とつながっているため、額の疲れが頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。眼瞼下垂はおもに高齢者の発症例が多いのですが、30代~40代から発症する方も一定数いるため、ふだん加齢を意識していない方でも注意が必要といえますね。
まぶたのたるみには、単に年齢だけが原因とはいえないケースも多いようです。特に若い方の場合、スマホやパソコンの画面の見すぎに心当たりがある方も少なくないのでは?まばたきが少ないと、たるみだけではなくドライアイなどの不快症状の原因にもなります。まばたきをきちんと意識してすることや、ときには目を休める時間を作るようにするなど、目の使いすぎで老け顔にならないための心がけが大切ですね。
■まぶたのたるみはメイクで隠せる?
まぶたがたるんでくると、表情も何となく暗く沈んで見えがち。ご家族や親しい方から「目つきが悪くなった」などと指摘されて、落ち込んだ経験がある方もいるかもしれませんね。長期的な改善方法も検討しつつ、今日すぐに目元をパッと明るく見せたい!とお悩みの方のために、メイクでまぶたのたるみを目立たせなくする方法をご紹介します。
【1.アイシャドウでたるみをカバーする方法】
ふだんメイクに使っているアイシャドウでも、色選びとつけ方の工夫でまぶたのたるみをカバーできます。まず、まぶた全体に「ゴールド」や「パール入りのベージュ」など光沢のある色を乗せ、目尻のキワには「グレー」や「濃いブラウン」などを入れて引き締めます。これだけで目元に立体感とハリが出て見え、たるんでぼんやり見えていた表情もキリッと締まります。
【2.二重のり・二重テープでたるみをカバー】
TV番組などでも紹介されて話題になりましたが、二重をはっきり見せるために使われるのりやテープで、まぶたのたるみを一時的に解消できる方法があります。
・のりを使用する場合
まぶたが重いときは、のりを通常より気持ち幅広めに塗ります。一重まぶたの方はあらかじめ二重の幅やラインを決め、スティックで当たりをつけておくことを忘れずに。のりが乾くまでまぶたを上げずにしばらく待ち、乾いてきたらスティックでまぶたを上げながら目を開けます。そのまま表情を変えずにしばらく待ち、まぶたが二重にしっかり付いたら再度スティックで形を整えます。
・テープを使用する場合
のりのときと同様、先にスティックで二重の形を決めておきます。テープを台紙からはがし、決めた二重のラインに沿ってテープを置きます。目を開けながらスティックでまぶたを上に上げていき、好みの位置に接着できたら最後にスティックで形を整えます。
のりやテープでまぶたのたるみをカバーする方法は手軽で効果的ですが、まぶたに負担をかけすぎると逆にたるみを進行させてしまう可能性もあります。まぶたの皮膚や筋肉に無理をさせない程度にとどめ、まぶたがかえって疲れてしまわないように注意しながら取り入れましょう。
■簡単なたるみ予防法を試してみよう
本格的なたるみはまだ感じていないという方は、今からさっそくたるみ発生を防ぐケアを始めてみるとよいでしょう。ここでは、たるみを予防できる簡単な対策法についてご紹介します。
【1.まぶたの運動で筋力アップ!】
まぶたの筋肉を維持するために、簡単なまぶたの筋トレを取り入れてみましょう。両目をゆっくり閉じ、つぶった目に力を入れていきそのまま5秒待ちます。徐々に力を抜き、次に目をぱっちり見開いてまたそのまま5秒待ちます。その後、ふたたび徐々にまぶたを楽にしていきます。これを1日に何度かおこない、目の周囲の表情筋を鍛えてあげましょう。
ただし、これさえ続けていればたるみを予防・改善できるというものではなく、あくまで美容的な効果が得られるにとどまります。他の方法と組み合わせ、総合的なお顔の筋力維持を心がけるのがおすすめ。
【2.目元ケアを習慣づけよう】
寝る前に市販のホットアイマスクなどを活用し、1日働いて疲れたまぶたを休ませる方法も効果的。また疲れ目を放置することもまぶたの負担につながるため、涙液に栄養を与えるタイプの目薬を活用する方法もおすすめです。コンタクトレンズを常用する方は特に目元が疲れやすいので、1日が終わってレンズを外した後にこれらのケアで疲れをほぐすことを習慣にしてみては?
■たるんでしまったまぶたは元に戻せる?
すでにたるみを感じ始めてしまったら、さらに一歩進んだ積極的なお手入れを始めるタイミングかもしれません。ここでは、まぶた(目の上)のたるみを改善できる治療法についてご紹介します。
【1.手術による治療】
まぶたのたるみを手術で治すには、おもに3つの方法があります。たるんだ部分を切除する「たるみ取り手術」、二重まぶた手術で目を開きやすくする「埋没法」、そして眼瞼下垂と診断された方のための「眼瞼下垂手術」です。美容整形にあたるたるみ取り手術と埋没法は基本的に保険外治療となりますが、眼瞼下垂の場合は保険適用となる場合もあります。
【2.切らずにたるみを治す方法】
もし眼瞼下垂になってしまったら手術での治療が必要な場合がありますが、純粋な美容目的で目元を手術することには抵抗がある方も多いかもしれません。そこで、お肌を傷つけずに皮膚のはたらきを高めて目元のたるみを改善する、照射による治療法も選択できます。主に目の下のたるみにアプローチし、繰り返し治療することでさらに若々しい表情に。手術より費用もかなり抑えられ、安全性も高いおすすめの方法です。
■おわりに
まだたるみを感じていなくても、日頃から疲れ目になりやすい方は「たるみ予備軍」といえるかもしれません。予備軍の段階なら、たるみの発生を防ぐために日常でできる予防策をさっそく取り入れてみましょう。
すでにまぶたがたるんでしまい、お悩みを抱えているならクリニックへのご相談がおすすめ。診断によって適した治療法も異なりますので、まずはカウンセリングを受けるところから始めてみませんか?何がまぶたのたるみを引き起こしているのか確かめ、最適な対策を検討しましょう