シミを防げる食べ物はある? シミ予防のための食生活のヒントもご紹介

シミは1度できてしまったら、あきらめなければいけないと思っていませんか? この記事では、シミをつくらないよう早めの予防をしたい方にも、そろそろシミが気になり始めて実際に薄くできる方法を探したい方にも役立つ「セルフケアでできるシミ対策」についてご紹介します。 セルフケアで対処できるのはどんなシミなのか、またご自身でどこまでセルフケアでシミを改善させることが可能なのかについて、さまざまな方法をまとめました。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■セルフケアできるシミと、セルフケアできないシミ

シミは部位や色・形、大きさの変化の度合いなどによっては、セルフケアが難しい場合もあります。ここでは、セルフケアできるシミの種類と、医療機関に相談することを推奨するシミの種類についてご紹介します。

・セルフケアできるシミ
1.日焼けによるシミ
強い日光に当たった後にできてしまったシミは、紫外線による炎症や色素沈着が原因です。保湿・美白スキンケアと紫外線対策を心がけながら肌の生まれ変わり(ターンオーバー)で自然に薄くなるのを待ちましょう。

2.痛みやかゆみのないシミ
紫外線の影響を長年受け続けてできしまうシミは、「老人性色素斑」と呼ばれる加齢によるものです。美白スキンケアと美容医療などを併用しながら、改善・予防のお手入れを根気よく続けることで改善させましょう。

・医療機関への相談をおすすめするシミ
1.紫外線の影響と思われない部位のシミ
背中や腹部、脚など日ごろ日光に当たらない箇所に突然できてしまったシミはセルフケアが難しく、紫外線や加齢とは別の原因が考えられます。

2.平らな部分にできたシミが、徐々に盛り上がってきた
こちらのシミも、紫外線や加齢とは異なる原因がある可能性があります。どうしても気になる場合は、医療機関へ相談を。

3.できたシミが短い間のうちに、どんどん大きくなっている
紫外線由来のシミは、急に大きくなることはあまりありません。数か月単位でどんどん大きくなっていることが見て分かるようなシミが気になる場合は、念のため医療機関に相談することをおすすめします。

4.シミに痛みやかゆみがある
この場合も紫外線や加齢要因のシミではなく、何らかの皮膚疾患をともなっている可能性があります。放置すると治癒した後もシミが消えずに濃いまま残る可能性があるため、早めに皮膚科へ相談してみましょう。

5.シミの部位に同時に潰瘍・ただれが発生している
こちらも皮膚疾患が疑われるシミです。目に見える痕として残ってしまわないよう、早めに皮膚科へ相談を。

■自分でシミを効果的に対策するには

前の項目で、どのような種類のシミがセルフケアに適しているか分かったので、ここではセルフケアで予防・対策が可能なシミのケア方法についてご紹介します。

【スキンケア】
美白スキンケアは「シミ予防に効果的な成分を配合したスキンケア製品」を指します。美白有効成分として知られている成分には、以下のようなものがあります。
・ビタミンC誘導体
・ハイドロキノン
・トラネキサム酸
・アルブチン
・プラセンタエキス
・コウジ酸
・カモミラET など

これらの成分のなかでも、シミを薄くする(漂白・還元)効果が期待できるとされているものには「ビタミンC誘導体」と「ハイドロキノン」が挙げられます。ただし、どちらの成分も配合量が多いと皮膚への刺激が強くなるため、市販の化粧品や医薬部外品における配合度合いはかなり低めに抑えられています。
市販のスキンケア品はおもに予防効果を重視しているため、より確かな効果を実感したいなら、美容医療を実施している皮膚科クリニックなどの処方薬を、シミ治療と併用する方法がおすすめです。

【市販内服薬】
市販の内服薬でも、シミを薄くする効果が実証されているものがあります。おもな有効成分は「ビタミンC」や「L-システイン」、「トラネキサム酸」です。
こちらも市販薬では有効成分の配合度合いが低めに抑えられているものが多く、確かな効果を実感したいなら美容医療を実施しているクリニックでご自身に合ったお薬を処方してもらい、シミ治療と併用する方法がおすすめ。

【紫外線対策】
もっとも基本的なシミのセルフケア方法です。日焼け止めをこまめに塗ったり、肌の露出を控える方法で日差しに当たる機会を減らしたりすることで、シミ(老人性色素斑)をつくらないように努める方法が中心です。
日焼け止めの成分が肌に合わない方も、日傘や帽子、日除けグローブなどを賢く使って極力紫外線を直接受けないようにしましょう。

【生活習慣】
肌の防御機能が整っていなければ、紫外線の影響をより受けやすくなります。あくまで間接的にシミ予防につなげる方法にはなりますが、規則正しい睡眠や食生活を心がける方法も、総合的に肌のコンディションを底上げするという意味ではシミ予防になり得ます。

■セルフケアの一環として、美容医療という選択肢を

美容医療によるシミ対策をすることには、まだ「特別なこと」「お金や時間をかけられる人たちのためのもの」という意識をお持ちの方も少なくないかと思います。しかし、シミ治療の安全性と効果は近年どんどん高くなっており、それにともなう普及によって自由診療の価格も年々リーズナブルになってきています。
美容皮膚科クリニックで実施されているおもなシミ治療には、以下の方法があります。

【1.ケミカルピーリング+イオン導入】
薬剤でおだやかに肌表面の古い角質を取り除き、それによって妨げられていた肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を正常に整えながら(ピーリング)、イオン導入によって「ビタミンC」「トラネキサム酸」「ビタミンA」などの美白有効成分やターンオーバーを改善する成分を肌の深部まで浸透させます。シミを段階的に改善する効果があるほか、エイジングケアにも有効な人気の施術です。

【2.レーザーフェイシャル】
肌に特殊な光(レーザー)を照射し、皮膚の働きを活性化させてターンオーバーを正常に整え、シミ対策のみならず肌の若返りを図る方法です。安全性の高い治療法でケミカルピーリングとの併用ができるため、セットで施術するとお得になるクリニックもあります。

【3.レーザーによるシミ治療】
シミの部位にだけ反応する光を照射し、ピンポイントでシミを消す方法です。一般的に「レーザー治療」と呼ばれているのはこの方法で、気になっている特定のシミを消したいという方にはおすすめの方法です。外来で治療でき、深いところのシミにも1~2回と短期間で有効な治療ですが、日本人はもともと炎症後の色素沈着が起きやすい傾向があります。そのため、かさぶたが取れるまでの1週間以外にも、何か月間かは一時的に治療した箇所が濃く見えてしまうことも。そのため、根気よく通院することが必要になる場合もあります。

【4.光治療(BBL、フォトフェイシャル等)によるシミ治療】
レーザーとは異なるマイルドな光を、顔全体に当てる治療です。深いところにあるぼんやりしたシミにはやや効きにくいですが、輪郭のはっきりした浅い所のシミ・ソバカス、全体のくすみ等にはとても有効です。
また、シミがなくても、照射した箇所全体の肌のキメ・質感が改善され、年に1~2回定期的に行うだけでもその後の見た目年齢が改善されるという医学的データもあります。シミ治療としてだけでなく、先手をうつエイジングケア治療としても人気でダウンタイムもありません。そのため、美容医療が初めての方にもおすすめの治療法です。

美容医療がセルフケア? と、不思議に思う方もいるかもしれません。しかし、シミの治療は特殊なものではなく、スキンケアの延長線上として実施できるほど一般的なものになりつつあります。医師が行うものですから、ご自身の体調や肌に合わない治療をおすすめすることはありませんので、シミのお悩みをまず相談することからぜひ初めてみてはいかがでしょうか。

■おわりに

この記事では、セルフケアでできるシミの対策と、さらに一歩進んだセルフケアとして美容医療によるシミ治療を取り入れる方法についてご紹介しました。
シミ予防の方法はとてもたくさんあるため、複数の方法を組み合わせながらシミをつくらない日常生活を心がけることが肝心です。しかし、年齢を重ねればそれでも気になり始めてしまうシミがないとはいえません。どうしても気になるシミができてしまったとき、最終手段として美容医療という選択肢を手の内に残しておくと安心かもしれませんね。

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