コンシーラー

コンシーラーの種類と効果的な使い方。シミに合うものを選び、しっかりカバーしよう

シミや肌の色ムラが気になるとき、役に立つメイクアイテムといえば「コンシーラー(部分用ファンデーション)」ですね。ファンデーションですべてのシミや色ムラを隠そうとすると、厚塗り感が気になってしまうことも。部分的に気になるところだけをピンポイントでカバーできるコンシーラーを使った方が、厚化粧に見せずにシミだけを効果的にカバーできます。 今回は、部分的なシミや色ムラを隠せるコンシーラーの種類や、効果的な使い方についてご紹介します。「ファンデーションを塗り重ねるのはイヤ」「シミを隠しながら、素肌感を大切にしたい」という方は、ぜひご参考にしてください。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■コンシーラーのおもな種類

【1.スティックコンシーラー】
硬めの練り状で、口紅や糊のようなスティック形に成形されているコンシーラーです。油分が少なめなのでよれにくく、頬などの広範囲のシミを隠すのに向いています。崩れにくいというメリットがありますが、長時間付けていると乾燥しやすくなることも。ちなみにこのタイプでは、リップスティックと同形状で唇の色ムラやシワをカバーする「リップコンシーラー」という製品も発売されています。

【2.クリームコンシーラー】
柔らかめの練り状でジャーやトレイの容器に入っており、指やチップで少量ずつ取ってシミの部分に塗ります。ファンデーションのように広範囲に塗りやすく、シミだけでなく肌色のムラを隠すにも向いています。

【3.ペンシルコンシーラー】
スティックタイプよりも硬いクレヨン・鉛筆状のコンシーラーで、そばかすのように小さなシミや、にきびの跡などを隠すのに便利です。よれにくいため、口紅の前に唇の境目をかたどる用途に使われることも。

【4.チップタイプコンシーラー】
液状のコンシーラーを、チップにとってつけるタイプです。みずみずしく伸びが良いため、シミのほか小ジワをカバーするためにも用いられます。また、薄く伸ばすとあまり厚塗り感がなくなるため、目の下のクマなどにもよく使われます。

ちなみに、代表的な4タイプのコンシーラーのなかで、最もカバー力が高いのはペンシルコンシーラーとスティックコンシーラーです。次にクリームコンシーラー、チップタイプコンシーラーと続きます。「がんこな濃いシミにはスティックタイプを使い、肝斑のような広範囲で薄い色ムラにはクリームコンシーラーを薄めに伸ばす」といった具合に、シミのタイプに応じて使い分けるのもおすすめです。

■コンシーラーの基本の使い方とカバー効果を高めるポイント

「コンシーラーを買ってはみたものの、どのタイミングで使うか分からない」「コンシーラーを愛用しているが、正しく使えているか自信がない」こんなお悩みはありませんか? ここでは、コンシーラーの使い方や使用順、効果的にシミをカバーするコツなどについてご紹介します。

【1.コンシーラーを使う順番は何番目?】
コンシーラーの使い方で、くわしく知りたいという意見が特に多いのは「ベースメイクの順番の、どこで使うか」でしょう。実は、コンシーラーを使うタイミングは、使用しているファンデーションのタイプによって異なります。

・リキッド、クリーム、練り状ファンデーションの場合:ファンデーションを付けたあと、フェイスパウダーで押さえる前のタイミングで使用する

・パウダーファンデーションの場合:化粧下地を付けたあと、ファンデーションを重ねる前のタイミングで使用する

「リキッド、クリーム、練りファンデーションは『ファンデーションの直後』に使う」「パウダーファンデーションは『ファンデーションの直前』に使う」と、それぞれ覚えておきましょう。

【2.シミのタイプ別・カバー効果の高め方】
コンシーラーの使い方次第で、シミへの効果も異なります。シミ別に効果的なコンシーラーの使い方を覚えて、どんなタイプのシミもしっかりカバーできるようにしましょう。

・ピンポイントなシミ・そばかすやにきびの跡
狭い範囲をカバーするときは、ペンシル状やスティック状など、少量でも高いカバー効果があるコンシーラーを使います。カバーする範囲よりも少し広めに付け、周囲との境目は綿棒やアイシャドウチップなどで自然に見えるようぼかすと良いでしょう。

・頬の広範囲のシミや肝斑など
広い範囲にぼんやりと広がったシミには、練り状やクリームタイプのコンシーラーが適しています。ブラシやチップにコンシーラーを取っていったん手の甲などで量を調節します。そのあと、シミの部分の何箇所かにポンポン置き、スポンジや指で叩くように広げて境目は自然にぼかすようにしましょう。

【3.コンシーラーの色で効果的にカバーする方法】
シミの色味やタイプによって、コンシーラーの色選びも工夫しましょう。合わない色味のコンシーラーだと、カバー効果があまり期待できなくなる場合もあります。

・赤みのあるにきび跡や、頬など赤みをおびたシミ
顔の濃い赤みを強力にカバーするなら、グリーン系のコンシーラーがおすすめです。でも、そこまで濃くなければ、ベージュなど素肌に近い色味で十分隠せるでしょう。

・一般的なシミ、そばかす
茶色みのあるシミやそばかすは、肌色とまったく同じ色のコンシーラーでは隠し切れない場合もあります。コンシーラーの色は肌色より一段暗めの色を選び、カバーした部分だけが白浮きして見えることを防ぐと、ナチュラルにカバーできます。

・目のクマ
目のクマはその種類や色味によって、合うコンシーラーの色味も変わります。青みをおびた青クマの場合は、オレンジ系やピンク系のコンシーラーで効果的に隠せます。目元の透明感を損なってしまう茶色いクマは、ベージュやイエロー系のコンシーラーでカバーしましょう。どんよりとくすんでしまった黒っぽいクマは、ツヤ感・パール感のあるオークル系のコンシーラーで、ヘルシーなイメージをプラスしながら隠すと良いでしょう。

■コンシーラーでのシミカバーに限界を感じ始めたら

「コンシーラーで何年もシミを隠し続けたけれど、そろそろ限界……」と、思い始めたら、シミそのものを治してしまう方法も検討してはいかがでしょうか。美容医療におけるシミ治療は、「ケミカルピーリング」や「レーザー治療」など、痛みや副作用が少なく安全性の高い治療法を選ぶことができます。

1.ケミカルピーリング+イオン導入
古い角質を取り除くとともに、皮膚のターンオーバー(新陳代謝による生まれ変わり)を促進し、シミなどの肌トラブルを改善します。特ににきびの跡が気になるにきび肌の方には効果があらわれやすい治療法です。イオン導入では、美白効果のあるビタミンCやビタミンA、トラネキサム酸などの有効成分を肌の奥の真皮層まで届けることができます。
ケミカルピーリング治療はこちら

2.レーザー治療
皮膚にレーザーを照射し、刺激を与えて皮膚のはたらきを活性化させ、シミなどのトラブルを治療する方法です。シミだけでなく、たるみやシワなどにも改善効果があるため、お肌に関してさまざまなお悩みをお持ちの方にも適しています。ケミカルピーリングと併用することでも、より相乗効果が期待できます。
レーザーでのシミ除去はこちら

美容医療は「敷居が高い」「高いお金がかかる」というイメージがありますが、シミ治療は入院などの必要はなく、定期的に通うことで徐々に治療していくことができます。また、治療したことが周囲に分かりにくく、施術後のダウンタイム(元の生活に戻れるまでの期間)も短く済みます(生活そのものには、ほぼ支障は出ません)。保険外診療とはなりますが、費用もそれほど高額にはなりにくく、比較的敷居の高くない治療法といえます。

■おわりに

この記事では、シミを手軽に隠せるコンシーラーの種類と、使い方のアドバイスについてご紹介しました。
ずっとコンシーラーを使ってきた方も、あらためて正しい選び方・使い方が分かれば、今後のメイクがさらに楽しくなるはずです。また、「隠すのも良いけれど、そろそろシミ治療を検討してコンシーラー要らずの生活をかなえたい」という方もいるでしょう。隠せるシミが、消したいシミに変わったら、まずはクリニックにお悩み相談を。シミの種類や特徴をはじめ、肌質や体質、ご予算などをくわしくお伺いし、あなたに適した効果的な治療法をご提案します。

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