老け顔に見える頬のたるみ。原因を知って、自分に合った対策を!

加齢とともに現れがちな両頬のたるみは、時として「ブルドッグ」の顔に例えられます。ブルドッグなら頬がたるんでいても愛嬌になるのですが、私たちの場合にはそうはいきません。少しでも頬にたるみを感じると「老け顔」の象徴のように思えてしまい、憂鬱な気分になることこの上ありませんね。
この記事では、老け顔を作ってしまう頬のたるみが起こる原因や、さまざまな方向性からアプローチする数々の解消法についてご紹介します。実際に頬のたるみにお悩みの方から、早期の予防を心がけたい方まで、ぜひご参考にしてください。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■頬がたるんでしまう原因はさまざま

頬のたるみの原因を聞かれれば、即「加齢でしょう?」と答えたくなるのも無理はないでしょう。しかし、頬がたるんで下がって見える原因は、単に年齢の影響だけではありません。ここでは、頬のたるみにつながるさまざまな原因について紹介していきます。

1.猫背
「猫背の癖が頬をたるませる」と聞くとまるで迷信のようですが、きちんと根拠がある話です。座りっぱなしの仕事やダラダラ過ごすことにより猫背が習慣になってしまうと、あごが突き出るような姿勢を毎日長時間続けることになります。それにより、頬の皮膚も胴体の方向に引っ張られ続けますから、結果的に両頬の皮膚が緩んで垂れ下がってしまう原因となるのです。

2.紫外線によるダメージ
紫外線は、シミや日焼けの原因になるだけでなく、皮膚の弾力を保つはたらきを衰えさせてしまいます。紫外線の2波長のうち「UV-A」と呼ばれる長波の紫外線が皮膚の奥の真皮にまで悪影響を与え、皮膚内部にあるコラーゲンやエラスチンを減少させます。
また、紫外線によって活性酸素が発生し、肌を酸化させてしまうことでも皮膚の弾力は低下してしまいます。紫外線予防はシミを防ぐだけでなく、たるみの予防も兼ねていると考え、日々サボらずしっかりUVケアすることが大切です。

3.むくみによる脂肪の蓄積
むくみは水分が代謝されにくくなって起こるだけでなく、老廃物を代謝するはたらきも弱めてしまいます。そして、むくんだ箇所に老廃物がたまりやすくなることで、脂肪も蓄積しやすくなってしまいます。
顔の脂肪は1度付くとなかなか取れませんから、頬がむくめば脂肪によって重みが増し、垂れ下がってしまうことにもつながりかねません。

4.乾燥
肌の乾燥は、肌荒れやくすみ・シワの原因のみならず、慢性化すれば肌の弾力も奪ってしまいます。きちんと保湿されている肌は、セラミド(細胞間脂質)によって外部の悪影響から皮膚を守るはたらきが正常に保たれますが、乾燥しがちになるとセラミドのバリア機能も低下するため、真皮の弾力成分にもダメージが及んでしまうのです。

5.年齢
加齢の影響も頬のたるみとなって表れる可能性がありますが、こればかりは個人差があります。むしろ、日頃の生活習慣が不規則であったり、精神面でストレスを受けやすかったりすれば、余計に肌荒れや乾燥が進み、結果肌の老化を早めてしまうことにつながるでしょう。
「年を取ったせいで頬がたるんでしまう」のではなく、「日頃の心がけ次第で老化が早まってしまい、頬がたるんでくる」と考え、積極的に対策を講じていきましょう。それで、年齢肌=たるみという図式に必要以上に捉われずに済む可能性も高まるでしょう。

■頬のたるみ予防に効果的な対策5選

頬のたるみの原因を5つ紹介しましたが、ここでは実際にできるたるみ対策を5つご紹介します。時間やお金もあまりかからず、日常に取り入れやすいものばかりですから、さっそく今日から始めて予防につとめましょう。

1.リンパの流れを良くするマッサージでむくみ対策
頬のむくみを放っておくと、脂肪が付きやすくなってたるみにつながります。あごから耳までのフェイスラインや耳の周辺、耳の裏側から首~鎖骨までなどをやさしくマッサージし、顔周りのリンパの流れを改善させましょう。老廃物が排出されやすくなり、むくみによる脂肪の蓄積を予防します。

2.よく噛んでものを食べる
食事のときにものをよく噛まずに食べていると、あごや口周りの筋肉が衰えて頬がたるみやすくなります。顔の筋肉のトレーニングを兼ねて、できるだけよく噛んでものを食べるようにしましょう。たるみを防げるだけでなく、よく噛むことで満腹感が出て食べすぎを防止する効果も期待できます。

3.姿勢を良くする
猫背が癖になると頬のたるみが起きやすくなるだけでなく、肩こりや腰痛の原因にもなります。それに、なんといっても見た目の印象からだらしなく見えてしまいますから良くありませんね。
猫背を癖にしないためには、姿勢を良くするよう気を配ることのほか、肩や首周りの筋肉の凝りを体操などでほぐす習慣をつけるとよいでしょう。

4.ヘッドスパ・ヘッドマッサージなどで頭皮の凝りをほぐす
頭皮が凝り固まってしまうと、頭皮ともつながっている頬の肌が垂れ下がってしまうことがあります。シャンプー時に頭皮をマッサージするようにするだけでも、頬のたるみがスッキリしたように感じられるかもしれません。
シャンプーするときに、額の生え際から頭のてっぺんに向かって両手の指で頭皮を20秒間引き上げます。その次に、両手のひらで耳の上を押さえ、また頭のてっぺんに向かって頭皮を20秒引き上げます。最後に、両手を頭の上で組んで頭のてっぺんに手のひらを当て、頭皮を手のひらで挟むようにして20秒持ち上げます。毎日1分、シャンプーと一緒に必ず続けてみるようにしましょう。

5.日常の生活習慣を見直す
生活習慣を整えることは、お肌のエイジングケアの基本中の基本ともいえるでしょう。生活が不規則になったり食生活が乱れたりすれば、すぐに肌に表れてしまいます。
睡眠をしっかりとることや、3食規則正しく食事をとることはもちろんですが、糖分のとりすぎや喫煙も控えるよう気をつけましょう。甘いものを食べすぎると細胞が「糖化」しやすくなって肌の衰えを早めてしまうといわれています。また喫煙も慢性的な血行不良を起こしますから、肌老化を早める原因となってしまいます。

■頬のたるみが実際に気になってしまったら…

ここまでは、予防を中心としたたるみ対策についてご紹介してきました。しかし、実際に頬のたるみを感じるようになってしまったら、すぐに治す方法を考えたいはずです。
頬が目に見えてたるんでしまった場合には、美容皮膚科での治療も選択肢に入れることがおすすめです。治療というと、メスで皮膚を切ったり、糸で引っ張ったりする「フェイスリフト手術」など大がかりなものを想像する人も多いかもしれません。しかし、レーザーを照射したり高周波を用いたりするたるみ治療法も一般化してきています。
美容医療に抵抗を感じる方も一定数いることは仕方ありませんが、いわゆる「整形」とは異なり、手を加えずに改善することを目的とした治療法も今は選べます。事前のカウンセリング体制も整っている医院が多くなり、確実に美容医療のハードルは下がっているといえそうです。今あるたるみのトラブルをきちんと治したいと考えるなら、1度相談してみる余地はあるのではないでしょうか。

■おわりに

この記事では、頬のたるみの原因や日常での予防対策、たるみを感じたときの対応策などをご紹介しました。生活の中でたるみ対策をしていく場合も、美容医療で治す場合にも、まずはご自分に合った無理のない方法で始めてみることがおすすめです。
日常でできるたるみ予防と、美容医療を組み合わせればさらに効果的かもしれませんね。

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