目元のたるみは老け顔のもと! 予防法・解消法をくわしく知ろう

ある程度の年齢を迎えると、気になりはじめるのが「目元のたるみ」です。少し目元がたるんで見えるだけでも「老け顔」や「疲れ顔」に見えやすい点で、お悩みを抱えてしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、目元のたるみの種類や原因、目元のたるみを解消する方法などについてご紹介します。「1度目元がたるんでしまったら、治すことはできないのでは?」と思っていた方も、ご一緒に有効な解決策を考えていきましょう。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■目元のたるみが引き起こす、さまざまな顔立ちへの影響

目元のたるみが顔立ちに及ぼす影響にも、さまざまな種類があるもの。日ごろから表情や顔立ちに「年齢」や「疲れ」を感じさせてしまうお顔のトラブルには、以下のようなものが挙げられます。

【1.「ゴルゴ線」と呼ばれる目の下のシワ】
目の下から、頬の中央を斜め外側へ横切るように下に向かって伸びるシワは、劇画の主人公にたとえて「ゴルゴ線」と呼ばれています。このシワが作られる原因は、実は目元のたるみであると言われています。表情に疲れや気だるさを感じさせ、老け顔に見える原因になりやすいと言われています。

【2.目の下が不自然に盛り上がる「黒クマ」】
目の下のハリが失われ、眼窩脂肪と呼ばれる目の下の脂肪が盛り上がって見え影を作る「黒クマ」。眼窩脂肪は肌にハリがある状態だと「涙袋」としてキュートに見えるのですが、たるみを起こせば一転して表情を暗く見せてしまうことになるのです。

【3.上まぶたのたるみ】
まぶたの上部が加齢とともに重力にしたがって下がってくることで、表情を暗く疲れて見せてしまっている状態です。二重まぶたの方の場合は、二重の幅が狭く見えるようになり、パッチリしていた目元が寂しく感じられるようになることも。

老け顔の象徴として知られる「ゴルゴ線」や「黒クマ」などが、すべて目元のたるみによるものだとは驚きですね。次の項目では目元がたるんでしまう原因や、目元のたるみ予備軍の方がたるみを予防する方法などについてご紹介します。

■目元のたるみの原因と予防策

老け顔を作る目元のたるみが起こる原因は、おもに以下の3つとなります。

【原因1.年齢による真皮の弾力低下】
肌の深い部分にある「真皮層」で弾力を保っている成分「コラーゲン」や「エラスチン」。加齢によってそれらを生成するはたらきがおとろえ、真皮層から減少していくことで皮膚のハリが失われてしまいます。目元は顔のどの部分よりも特に皮膚が薄いと言われており、弾力低下の影響がすぐ外見に現れてしまうことで「たるみ」を感じやすくなるのです。

【原因2.疲れ目などによる目元の疲労】
パソコンやスマートフォンなどを長時間見ることで、現代人の目は疲れやすくなっています。疲れ目が日々蓄積していくと目の周囲の筋肉が凝り、目元の血行が悪くなってしまいます。血の巡りが良くないと老廃物が代謝されにくくなるため、それらが目元に蓄積してたるみやクマを作り出してしまうのです。

【原因3.紫外線やコンタクトレンズなどによる刺激】
皮膚の薄い目元は、紫外線の悪影響を特に受けやすいもの。波長の長い紫外線「UV-A」が真皮の弾力を低下させ、波長の短い紫外線「UV-B」は皮膚表面を乾燥させてしまうため、目元のハリと潤いを奪ってたるみを加速させてしまいます。
また、コンタクトレンズを常用していることでまぶたを引っ張る機会が増え、物理的刺激の繰り返しによってたるみが起きやすくなることもあります。

上記の3つの原因に心当たりがある方は、今現在たるみを感じていなくてもこれから目元のたるみに注意する必要のある「たるみ予備軍」と言えそうですね。
そこで、たるみ予備軍の方が将来目元にたるみを作らないためにできる「たるみ予防法」もご紹介しましょう。たるみを作りたくない! という方は、以下の方法をさっそく実行してみてください。

【予防法1.日常的に紫外線を防ぐ】
日焼け止めを塗るのは、スポーツやアウトドアの時だけという方は要注意。日常で日光を浴びる機会がある限り、皮膚は紫外線の影響を受けてしまいます。季節を問わず、通年紫外線から目元を守るため日焼け止めや日傘などを活用しましょう。知らず知らずに毎日浴びている紫外線の影響が、ある日突然目元のたるみとなって現れてしまうかもしれません。

【予防法2.スキンケアでしっかり保湿する】
スキンケアでの保湿は肌の乾燥を防いでくれるため、紫外線予防との相乗効果で目元のたるみも予防してくれます。劇的に効果が見て取れるものではありませんが、日々の積み重ねが老化を防いでくれるもの。面倒がらず、毎日のお手入れをしっかり続けましょう。

【予防法3.睡眠不足や食生活の偏りを改善する】
疲れが目元に現れることで、たるみができやすい状態になっているかもしれません。規則正しい生活は、代謝のコントロールや美肌にもつながるものです。特に寝不足や栄養の偏りは目元を疲れて見せる原因になりやすいため、睡眠時間や食生活をむやみに乱さないことも大切です。

■目元のたるみは治せる? 効果的なたるみ解消法とは

たるみのお悩みはシワなどと同様、1度実感してしまったらもとには戻せないものと考えている方も多いかもしれません。しかし、目元のたるみをすでに感じてしまってからでも「治す」方法があります。

【1.レーザー照射でたるみを治す方法】
レーザーを皮膚に照射し、皮膚のはたらきを高めて真皮の弾力成分生成を促すことで、目元のたるみを改善する方法です。刺激やダメージを最小限に抑えながら真皮を活性化させるため、痛みや傷を気にすることなく徐々にお肌にハリを取り戻すことが可能です。

【2.ヒアルロン酸注入でくぼみを取り、たるみを改善する方法】
目の下などがたるみによってくぼんでしまい、老け顔に見えている場合には「ヒアルロン酸注入」で、目元をふっくら見せる方法もあります。くぼんだ部分に安全性の高いヒアルロン酸を注射することで、すぐに効果を実感することができます。

たるみ取りの治療は、以前は手術をしたり糸を埋め込んで引っ張ったりするなど、「整形」というイメージで語られがちなものでした。それらの施術は顔立ちが大きく変化してしまったり、高額な費用をともなったりすることで躊躇する方も多いのではないでしょうか。
しかし、今回ご紹介したレーザーやヒアルロン酸を使った治療法なら外来で治療を受けられるほか、費用も手術などに較べれば低く抑えられます。また、施術後は比較的すぐに日常生活に戻れますから、治療していることを周囲に知られる心配もあまりありません。
レーザー照射、ヒアルロン酸注入のいずれも、定期的に施術を受けることで効果を持続させられます。その頻度は施術によって異なりますのでクリニックで具体的な希望と同時に相談してみてください。お肌のメンテナンス感覚で気軽に通えますが、思わぬ副作用を招かないためにも実績や経験が豊富で信頼できるドクターに施術を依頼することが大切です。

■おわりに

この記事では、目元のたるみの種類や原因をはじめ、予防策や効果的な治療法などについてご紹介しました。
たとえ目元がたるんでしまっても「もう歳だから」とあきらめず、積極的に治せる方法がリスクを抑えながら選べることは、多くの女性にとって朗報と言えそうですね。まだたるみを感じていなければ予防法を試せますが、目元のたるみで今現在お困りなら、1度美容クリニックに相談へ出向くこともおすすめです。お悩みやご希望、お肌のタイプやご予算に合わせて最適なたるみ対策をご提案します。

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