たるみによる目の下のクマはなぜ起こる?原因と対処法を知ろう

疲れや寝不足で目立ってしまいがちな目の下のたるみによるクマ。放っておくと、目の周りのたるみが進んで元に戻りにくくなってしまうかも。いつも明るく若々しい目元でいられるよう、クマが目立ち始めたと感じたら早めの対処を心がけたいものです。
この記事では、目の下のクマを目立たせるたるみの原因と、さまざまな対処法についてご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■目の下の「たるみクマ」は何が原因?

目の下に黒く見えるクマが「たるみ」によって起こる場合の原因は、大きく分けて2つとなります。1つめは「目の下に元からある『眼窩脂肪』という脂肪を支える筋肉の力がおとろえ、眼窩脂肪が外に張り出して見えることで目の下に黒く影ができて見えること」です。もう1つめは、「加齢などによって目の下の皮膚がたるみ、垂れ下がることで皮膚がへこんで黒い影が見えてしまうこと」でも起こるといわれています。
いずれのケースも、皮膚や筋肉のたるみによって引き起こされるとともに、シミやくすみとは異なるため、化粧品のコンシーラーなどで隠そうとしてもうまく隠しにくいという特徴があります。
また、もともと目の下の涙袋がはっきりしている方ほど、年を取るにつれてたるみによるクマが目立ちやすいともいわれています。若く肌にハリがあるときはチャームポイントになる涙袋ですが、肌のたるみでクマに変化しないよう気をつけなければいけませんね。

■たるみによるクマが目立つと、顔の印象はどう変わる?

肌のたるみで目の下が黒くくすんで見えてしまう「たるみによるクマ」ですが、顔のなかでは非常に小さな変化ながら、全体的な顔立ちや表情の印象をも大きく変えてしまいます。

1.老け顔
目の周りは、顔のなかでも人の視線が集中しやすい場所です。そのため、目の下にくすみや影が目立つだけで顔が全体的にくすんで見えてしまい、実年齢よりも老けた印象を与えてしまいます。

2.疲れた印象
寝不足をした翌朝に、目元に一時的なクマが出やすいことはよく知られています。そのせいか、目の下にクマがあるとそれだけでも身体が疲れているように見られがちになります。

3.表情が険しく見える
漫画の中でも、目の下に印象的な線を描くことで鋭い眼差しを表現したキャラクターが良く知られているように、目の下に影やクマができると表情の印象は明るさより厳しさ寄りになり、優しいよりも険しく見られがちになります。ご自分では穏やかな顔つきでいたつもりなのに「機嫌悪いの?」「もしかして怒ってない?」などと言われてしまったら要注意ですね。

■たるみによるクマ対策には、さまざまな方法がある

たるみによるクマへの対策も、現在ではさまざまな方法が良く知られています。ここでは、予防の範囲内といわれる方法から確実な対処法まで、さまざまなたるみクマ対策についてご紹介します。

1.化粧品による保湿
「たるみ対策コスメ」などと銘打った目元専用のクリームなども多く市販されています。目元のたるみは乾燥が原因で起こるものも多いため、保湿によって乾燥を防ぎながらたるみを予防するためには効果的な対策となるでしょう。ただし、たるんでしまった目元のクマを化粧品だけで解消することは難しいでしょう。あくまで予防のケアと割り切り、これ以上たるみやクマを進行させないための対策として取り入れることが望ましいといえます。

2.生活習慣の改善
目の下のクマは疲れや寝不足が原因となりやすいことは、誰もがご存じでしょう。日頃の寝不足や栄養の偏り、喫煙習慣など生活の乱れも長続きすれば肌を早くおとろえさせてしまうもの。バランスの良い食生活や質の良い睡眠、ストレスを減らすことや禁煙などを心がけて、疲れによる一時的なクマを本格的なたるみクマに変えてしまわないようにしましょう。

3.目元の表情トレーニング・マッサージ
こちらも直接的な対処法にはなりませんが、目元の表情筋を簡単なトレーニングで鍛えたり、負担のかからない軽いマッサージを続けたりすることによって、たるみクマの予防につなげられます。
たとえば、両目を10秒ほど薄目の状態でキープした後、そのまま両目尻の上部を指で押さえて軽く持ち上げ(キツネの顔真似の要領)、その状態で両目を閉じて10秒待つというトレーニング&マッサージを毎日続けると、目の下の脂肪を支える表情筋が鍛えられるといわれています。なお、マッサージをしたり目元を押さえたりするときは、力を強く加えすぎると逆に負担をかけシワなどを増やしてしまうため、細心の注意を払って優しく行いましょう。
また、これらの方法も目元がすでにたるんでしまった状態を解消できるものではありませんから、あくまで予防&悪化防止の対策と考えるとよいでしょう。

4.むくみ解消ストレッチ
全身の血行が良くないときは身体のあらゆる箇所にむくみが起こりがちです。目元のたるみも、顔のむくみが原因で起こっている場合がありますから、そんなときは全身のむくみを解消するためにストレッチを行うことも効果的です。
たとえば、電車などで立っているときに背筋を伸ばしてつま先立ちの状態になることを何度か繰り返すだけでも、むくみ解消に役立ちます。立ち仕事で疲れているときや、お酒を飲み過ぎた翌日などに行えば、目元だけでなく全身をスッキリさせるためにも良いでしょう。
ただし、この方法もやはり悪化防止や予防の側面が大きく、目元のたるみの根本的な解消法にはなりません。たるみを改善するというよりは「身体をしっかりほぐして、目元を含めた表情もスッキリさせる」程度の効果を期待して行うのがよいでしょう。

5.美容医療でたるみを改善
これまでご紹介したたるみクマのケア方法は主に予防と悪化防止がメインの対策でしたが、美容医療でのたるみ治療は、目元のたるみやそれによるクマを根本的に解決できる方法です。
原因に応じてさまざまな治療法が用意され、たとえば目元の皮膚が緩んでたるみを起こしているケースでは、気になる部分にヒアルロン酸を注入する方法でたるみやクマを改善します。また、皮膚がハリ不足でたるんでいる場合には、リフトアップレーザーの照射によってコラーゲンの産生を促し、たるみを改善するレーザー治療も効果的です。レーザー治療は大きな痛みや傷を伴わず、肌への負担も少ないため現在人気のある治療法です。
美容医療でたるみを治療する方法では、以前は突出して目立っている眼窩脂肪そのものを除去する手術が知られていましたが、今は手術ほど身体への負担や完治までの期間を要しないレーザー治療や注入による治療が主流になりつつあります。ただし、目の近くは皮膚が薄く敏感で、また血管や神経が多く集まっている箇所でもありますから、確実な治療を行える高い技術を持った医師に依頼することがとくに大切です。

■おわりに

この記事では、目の下のたるみによって起こるクマの原因や表情への影響、効果的な対処法についてご紹介しました。たるみがまだ実感に至らず、日によってクマが気になる程度であれば化粧品や生活改善、マッサージなどによる対策で予防は可能でしょう。しかし、すでにたるみが進行してしまい常時クマが目立つ状態となっているなら、美容医療による確実な治療を検討してみてもよいでしょう。その際は信頼できる医師によく相談し、ご自分に合った治療を提案してもらうことが大切になります。

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