毎日の洗顔とシワには関係がある?洗顔の見直しでシワを予防!

毎日の朝・晩に必ずする洗顔。「汚れが落ちれば良い」と、何気なく行っている方も多くいるでしょう。しかし、洗顔方法を見直すことで、シワをはじめとする肌トラブルの予防につなげられると聞けば、洗顔に対する意識も変わってくるかもしれませんね。
この記事では、日頃欠かせない洗顔を正しい方法で行うことによるシワ予防・シワ対策についてご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■肌トラブルを防ぐ、基本の洗顔方法とは

顔を洗うときは「ぬるま湯」を使うのがベストです。冷水では皮脂が肌の上で固まって落ちにくくなりますし、熱すぎれば肌に必要な皮脂まで落ちてしまうほか、刺激にもつながります。
正しい洗顔の手順を、以下にご紹介しましょう。

1.顔をぬらし、ぬるま湯で大まかに汚れを落としておく
洗顔料を使う前に、ぬるま湯で顔をすすぎます。顔をぬらして毛穴の汚れを落としやすくするほか、肌表面の水性の汚れはあらかた落とすことができます。

2.洗顔料をできるだけ丁寧に、もっちりと泡立てる
洗顔料は、必ずよく泡立ててから顔に乗せましょう。泡立てることで洗浄成分の性質が向上するわけではありませんが、泡の量が多ければ肌に触れる洗浄成分の面積を大きくできるため、必然的に洗浄効果は高くなります。
また、泡が手と顔の間でクッションの役割を果たしてくれるため、手で顔に無理な力や摩擦を加えることなく、汚れを落とす手助けをしてくれます。
手の上で泡立てにくいときは、市販の泡立てネットを活用するなどしましょう。

3.絶対に手で顔をこすらず、泡をクッションにして撫でるように洗顔する
沢山泡を作ったら、手に泡を乗せて顔を撫で洗いします。このとき、絶対に手で直接顔をゴシゴシとこすったり、マッサージのように余計な力を加えたりしないよう気をつけましょう。洗顔時の摩擦や物理的刺激が、シワを進行させる原因の1つともいわれているからです。
手と顔の間に泡のクッションを置くようなイメージで、顔全体を泡で包みながら手で直接肌に触れないよう丁寧に洗顔していきます。顔に泡を乗せている時間の目安は、1分~1.5分ほどです。洗浄成分が長く肌に付着すると刺激にもつながるため、丁寧かつ短時間で洗うようにしましょう。

4.ぬるま湯でしっかりとすすぐ
ぬるま湯(30~35℃)で、顔全体をしっかりとすすいで泡を残さないよう洗い流します。生え際やあごの下などには特に泡が残りやすいため、鏡を見て泡が洗い流せたかチェックしながら、すべて落とせるまですすいでください。

5.タオルで水分を取るときも、ゴシゴシこすらない
すすぎが済んだら、柔らかいタオルで水分を取ります。このときも、タオルでゴシゴシこすることはシワの原因になるため厳禁です。肌をそっと抑えるようにしながら、タオルに水分を吸い取らせて拭き取りましょう。敏感肌の方は、タオルの材質にも気を配るとよいでしょう。オーガニックコットンなど安心な原料のものや、無撚糸やガーゼなど肌あたりが優しい製法のタオルがおすすめです。

■シワを防ぐ洗顔習慣と、洗顔料の選び方

上記のような正しい洗顔方法で肌への刺激を減らすことは、肌荒れやニキビだけでなくシワの予防にもつながります。洗顔時にはとかく皮脂を落とすことばかり考えがちですが、肌の水分を外に逃がさないためにはある程度の皮脂量を保つことが重要です。余分な皮脂だけを落とし、必要な皮脂は残すことで、乾燥からはじまるちりめんジワなどを予防できます。乾燥による小ジワが防げれば、そこから大きなシワが深く刻まれてしまう心配も少なくなります。また、洗顔を行ったあと、化粧水・乳液などですぐにうるおい補給をすることも忘れずに。
シワ予防には皮脂を落としすぎないことが大事ですから、朝は洗顔料を使わず水のみで洗顔するという方も増えています。しかし、水洗顔だけでは毛穴の奥の汚れや肌表面の古い角質などをしっかり落とせているか不安に感じることもあるはず。汚れや古い角質はしっかり落とし、うるおいや適度な皮脂はしっかり残す洗顔料を選んで、朝・晩とそれを使って洗顔する方法がベストです。

■シワ予防効果をより高める洗顔テクニック

先に述べたように、よく洗顔料を泡立てて肌をこすらずに洗う基本の洗顔方法で洗顔することで肌の乾燥やターンオーバーの乱れを防ぎ、シワ予防につなげられます。ここでは、基本の洗顔方法に加え、さらにシワ予防効果を高められるプラスのテクニックをご紹介します。

・洗顔前に蒸しタオルを乗せる
洗顔の前に、40度ぐらいのお湯につけてよく絞った蒸しタオルを顔に30秒~1分程度乗せ、肌表面の角質を柔らかくし毛穴を開いておくと、毛穴の汚れも落としやすくなるためゴシゴシ洗顔してしまうことを防げます。もちろん、蒸しタオルの温度は高くしすぎないように気をつけて。お風呂で洗顔するときは蒸しタオルの代わりに、湯船にゆっくり浸かってから洗顔する方法もおすすめです。

・洗顔前には良く手を洗う
どうせ洗顔料を使うのだからと、洗顔前の手洗いを省略してしまっていませんか?洗顔前の手洗いは、手の汚れや雑菌を顔に付けてしまうことを防ぐだけでなく、これから使う洗顔料の泡立ちを高める意味合いでもとても大切。必ずきれいに手を洗ってから、洗顔を始めるようにしましょう。

・夜のメイク落としには必ずクレンジング剤を
肌が敏感な方などは、洗浄力の強いクレンジング料は何となく刺激が強そうで使いたくないと思いがちなもの。しかし、頑固な油性のメイク汚れを洗顔料だけで落とそうとすると何度も繰り返して洗ったり、ゴシゴシこすったりして逆に強い刺激を与えてしまうことにもなります。肌に過剰な刺激を与えないよう、お化粧をしたときはお化粧の程度やアイテムに合わせて必ずメイク落としを使い、摩擦を与えず短時間でメイクを落とすようにしましょう。

■洗顔では改善できない、できてしまったシワを取るには

正しい洗顔方法を続けることはシワ予防にも効果的ですが、すでにできてしまった深いシワを洗顔で改善することは難しいものです。どうしてもシワが気になるときは、美容クリニックでの積極的なシワ治療と日頃の洗顔やスキンケアによるお手入れを組み合わせ、シワ解消に向けて根気よく取り組んでいきましょう。
美容クリニックでは、医師をはじめとする専門知識や一定の技術を有した人が治療や相談を担当してくれるため安心です。また、使用する機器・器具も日進月歩で進化していますから施術時・施術後の痛みや違和感、また術後の安静を要する時間も少なくなっています。シワの治療法はさまざまな種類を選択できますが、基本的には持続性が高い治療は費用が高く、お手頃な治療は効果も短期間となり定期的な治療が必要になります。また、シワの程度や肌タイプによっても合う治療法には個人差がありますから、クリニックで事前にしっかりカウンセリングを行い、ご自分に合った治療法をじっくり選ぶことが大切です。

■おわりに

この記事では、シワと洗顔の関係や、シワを効果的に予防するための正しい洗顔方法についてご紹介しました。もちろん、シワの原因となるものは洗顔時の刺激や皮脂の落としすぎに限らず、紫外線や空気の乾燥などさまざまです。洗顔だけでシワを完全に予防することは難しいため、他の予防法と組み合わせたり、必要なら美容医療を並行して取り入れたりするなど、積極的なケアを行っていきましょう。

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