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シワのお手入れにはパックが有効? マッサージやエクササイズとの併用も

シワ予防に普段から気をつけていても、加齢などでシワが気になってきたらさらに新しいケア方法を考えたくなるもの。これまで保湿をしっかりしていたなら、さらに食生活・生活習慣の見直しやパックなど、新たなケアの追加を検討するかもしれませんね。
そこで今回は、シワのお手入れの中でも手軽に取り入れやすい「パック」でのケアについてご紹介します。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 前院長
  • 2018年6月より まみ皮膚科クリニック(水戸市) 院長
  • 日本皮膚科学会 認定皮膚科専門医
千葉 真美先生

■目元の細かいシワなら、簡単パックで改善できるかも

最初に気になり始めるシワといえば、主に皮膚が薄い目元・口元の乾燥が原因で部分的に起こる「小ジワ」や「ちりめんジワ」などの細かなシワ。これらのシワは、乾燥を改善するお手入れひとつで良くなることも期待できます。
部分用のパックシートなどが市販されていますから、それらを活用しましょう。パックシートに保湿美容液をたっぷりしみ込ませ、小ジワが気になる目尻や口元などにぴったり貼ります。5~10分ほどそのまま待ち、パックが乾いてしまう前に剥がします。その後はせっかく補ったうるおいが奪われないよう、オイルやクリームを薄く塗って肌を保護しましょう。
目元用のパックシートの代わりに、めくって剥がせるタイプのコットンを利用しても同様のパックができます。パックに使用する化粧水や保湿美容液は、高価なものではなくても大丈夫。むしろ使う化粧品が高価かどうかではなく、毎日こまめに続けてパックすることが改善のポイントです。
ただし、あくまでこの方法が有効なのは乾燥を防いで保湿することで改善できる「ちりめんジワ」の段階にとどまります。しっかりと肌に刻まれてしまったシワの改善は難しくなるため、さらに一歩踏み込んだお手入れを考える必要があるでしょう。

■パックに加え「表情筋エクササイズ」を取り入れてシワ予防

シワの原因は乾燥だけではなく、顔の表情を作る「表情筋」の衰えによる皮膚のたるみも挙げられます。つまり、表情筋を鍛えておくことで肌に深くシワが刻まれてしまうことを予防できるといえますね。パックなどの保湿ケアと並行して、表情筋の衰えを防ぐ「表情筋エクササイズ」を取り入れ、さらに積極的なシワ予防を始めてみましょう。
表情筋エクササイズの手順は、以下の通りです。

【1.お口の「アイウエオ」運動でほうれい線ケア】
口を大きく「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」と発音する要領で開けることを、1日に何度か繰り返して行います。周りに人がいなければ、しっかり声を出して行ってみましょう。表情筋が鍛えられて頬のたるみを防止し、ほうれい線をケアできるとともに、話し方のレッスンにもなります。

【2.目元のシワ予防に目の運動】
両目をぐるぐると360度回すと、目元の筋肉のエクササイズ効果が期待できます。「上→左ななめ上→左→左ななめ下→下→右ななめ下→右→右ななめ上→上」の順に、続けて3回行いましょう。このとき、眉を動かして表情を変えないよう気をつけるのがポイント。眼球だけをしっかり動かすことで、さらに効果的にエクササイズができます。スムーズにできるようになったら、さらに回す回数を増やしてもよいでしょう。

これらのエクササイズと、先の項目でご紹介した「シートパック」や「コットンパック」での目元・口元ケアを毎日繰り返して行うだけでも、効果的にシワの予防ができるはず。表情筋が鍛えられることで、たるみによるシワが予防できるだけでなく、顔周りの脂肪をスッキリさせて小顔効果も期待できます。
ちなみに、表情筋エクササイズは筋肉に直接働きかけるため効果が現れるまでも早く、2週間も続ければ顔全体のたるみがスッキリして感じられる場合があります。全身の運動があまり得意でない方でも、顔の表情を1日数分間変えるだけなら毎日続けられそうですね。

■シワに効く市販の「薬」はある?

■パックを使ったマッサージはシワに良いの?
パックといえば、これまでは保湿のために塗る・貼るなどして何分かそのまま待つという使い方が一般的でした。しかし最近では、潤滑剤のようなはたらきを目的として「保湿兼マッサージ用」としてパックが用いられるケースが増えています。これらの「パック+マッサージ」は、主に顔の血行を良くして柔軟にすることによるリフトアップ効果を目的としています。
しかし、マッサージもやり方によっては逆効果になることがあります。以下にご紹介するマッサージ方法は、シワ予防の観点からはNGといえるものですから注意しましょう。

【NGなマッサージ法1:化粧落としとの併用】
「パック効果+マッサージもできる」とうたったクレンジング料がありますが、メイクを落とすこととマッサージを同時には行わないほうがよいでしょう。一度浮いたメイク汚れをまた肌へ伸ばしてしまうことになりますから、同じパック剤を使うにしてもメイク落としとマッサージは別々に行うのがおすすめです。

【NGなマッサージ法2:強くこすってマッサージをする】
肌への過剰な摩擦は、かえってシワやたるみを増やす原因になってしまいます。力が入りやすい親指や人差し指を使うのは避け、中指~薬指~小指を効果的に使ってやさしくマッサージをすることがポイントです。また、筋肉をほぐすことにこだわりすぎてグイグイ強く押したり揉んだりすることも禁物。あくまでパックを保湿&潤滑剤として使用し、血行を良くして肌のはたらきを活発にすることを主眼に置いたマッサージをしましょう。

ここまでは、シワ予防としてはあまりおすすめできないマッサージ法についてご紹介しましたが、ここからはシワ防止のために積極的に取り入れたいマッサージについて2つご紹介しましょう。

【1.額のシワには「頭皮マッサージ」がおすすめ!】
また、この場合パックは併用しませんが、頭皮のマッサージで額のシワを効果的に防げることをご存じでしょうか。毎日シャンプーをするときに、5本の指の腹を使って下から上へ引き上げるように円を描きながら頭皮を揉み上げていきます。これだけでも、美容院などで「ヘッドマッサージ」をしてもらったときのような効果が得られ、たるみがスッキリして額の不自然なシワができにくくなり、表情がパッと明るくなることもあるのだとか。

【2.マッサージができる乳液を使って、毎日簡単にシワ予防】
重い感触で、洗い流す手間がかかるパックはちょっと苦手という方も多いでしょう。そのような方のシワ予防には、専用の乳液でマッサージする方法もおすすめです。「引き上げ乳液美容法」といって、乳液をつけるときに簡単なマッサージを加えるだけと簡単なものです。しかも従来のパックのように洗い流しは不要で、乳液をそのままなじませて完了というもの。乳液による保湿効果だけでなく、表情筋に効果的にアプローチすることによるリフトアップ効果も期待できます。

■おわりに

この記事では、パックを使ったシワ予防の方法や、さらに簡単で効果的な乳液によるマッサージでシワを防ぐ方法などについてご紹介しました。深く刻まれてしまったシワを治すには美容医療の力に頼ることも必要になりますが、細かな小ジワを改善してさらに深いシワが作られることを防ぐには、パックやマッサージの有効活用は推奨できる方法です。また、美容医療によるシワ治療と並行して、新たなシワが作られることを予防する目的で医師の指導に従いながら正しくパックやマッサージを行うことも有用です。その際には、治療中・治療後の肌にできるだけ刺激を与えずにリフトアップできるものを使用することが特におすすめです。

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