■肌にハリを与えるスキンケアの有効成分をおさらい
「たるみの悩みによい化粧品はこのような成分が含まれている」と、漠然と知っている人も多いはずです。ただ、実際に店頭で化粧品を選ぶときにすぐに意識できるかといえばそうとは限らないかもしれません。
そこで、ここでは肌のハリ回復に良いとされている美容成分を再確認していきましょう。
1.ビタミンC誘導体
ビタミンCには肌を引き締める効果があり、直接肌につけるとピーンとした感覚を覚える人もいるほどです。ビタミンCが高濃度で含まれているスキンケア製品は、たるみによる毛穴の目立ちなどに速効性があるといわれているものもあります。
ただ、注意したいのは、濃度の高いビタミンCスキンケアは刺激が強い場合も多いことです。人によっては肌に合わない場合もあるため、必ず試してから使い始めましょう。ちなみに、ビタミンCそのものはとても変質しやすいので、スキンケアに含まれるビタミンCは、皮膚に浸透してからビタミンCに変化する「ビタミンC誘導体」として配合されているものが主体となります。
2.レチノール
レチノールとはビタミンAの一種で、肌の生まれ変わりをサポートするはたらきがあります。また、真皮層に含まれるコラーゲンやエラスチンの生成を促すはたらきもあるため、肌のハリや弾力を高めるといわれています。
レチノールは化粧品に配合されている分量の範囲内であれば、肌に刺激となる心配はそれほどありません。ただし、おだやかに角質層をピーリングする作用がある成分のため、敏感な肌の方は試してから使用するのがおすすめです。
3.セラミド
保湿成分との認識が一般的なセラミドですが、肌のハリを保つことにも非常に深くかかわっています。セラミドは人の細胞と細胞の間にクッションのように存在し、肌の内側を外界の刺激から守るバリア機能に深くかかわっています。乾燥などによってセラミドが失われると、肌が肌自身を守る機能がてきめんに衰えてしまうため、内側のうるおいがどんどん奪われてハリの低下につながってしまうのです。
上記の点から乾燥による軽度のたるみには、セラミドが最もよいという意見もありますから、保湿でたるみを改善したい場合にはセラミドが含まれたスキンケアを選ぶとよいでしょう。
■スキンケアの成分選びと同じくらい大切なのは「続けること」
スキンケアでたるみを改善したい場合、成分やどんなにたるみに効果的な成分がたっぷり含まれていたとしても、スキンケアは「継続」ができなければ、望む効果は得られないと考えましょう。
スキンケアを継続して使い続けるには、以下の要素が揃っていることが大切です。
・肌に合っていて、刺激やトラブルなく使えること
・香りや使用感が好みに合っていて、使い続けてもストレスがないこと
・価格帯が適正で、リピートして続けられること
肌に合う、使いやすいなどの条件はもちろんですが、値段も使い続けるためには重要な要素です。「良い成分を使っていて肌にも合っているのに、高くて続けられない」という場合は、やはりご自分にあったスキンケアとはいえないこともあり得ます。
スキンケアの効果があらわれる目安として「2か月は続けて使うこと」と挙げる人もいます。肌との相性・好みや使い心地・価格の3つのポイントを押さえ、最低でも2か月使えるものを選ぶとよいでしょう。
■たるみを防ぐ、ちょっと意外なスキンケア方法とは
たるみを防ぐには、しっかりと保湿をしてじっくりお手入れすることが大切…と、多くの人が思っているかもしれません。しかし、肌のたるみやシワをつくらないためには、少し意外に思えるお手入れ方法がおすすめなのだとか。
化粧水やクリームは、たっぷりの量を時間をかけて浸透させることが大切なのかと思いきや、「1分以上かけず、乗せる程度になじませればOK」という専門家もいます。なぜかというと、あまり時間をかけてなじませることで、肌に摩擦を与えて負担をかけてしまうことになるからなのだそう。特にクリームはすり込まず、乾燥やシワなどが気になる部分に軽くたたくようになじませるだけで良いのだとか。
また、お手入れのときにマッサージを自分勝手な方法で行うのは禁物。こちらもやはり、摩擦が肌に最も良くないためです。マッサージ専用のクリームや美容液を使い、肌に負担をかけない正しい方法でていねいに行うようにしましょう。
■毎日のケアで、うるおいが奪われてしまうって本当?
肌のために毎日行っているスキンケアの1つが、肌のうるおいを奪っているかもしれないと聞くとショックを受けるかもしれませんね。実は、メイクを落とすクレンジング剤のなかには、肌の角質層からセラミドを流出させてしまうものがあります。
どれだけ保湿成分を肌に浸透させたところで、肌の表面を外界の乾燥や刺激から守っているセラミドが足りなければ、せっかく与えたうるおいも蒸発してしまうだけです。セラミドができるだけ失われないよう、洗顔やクレンジングの方法にも注意しましょう。
オイルタイプのクレンジング剤は、油性の汚れをよく落とす代わりに肌への刺激も強いため、うるおいを守ることを考えればジェルやミルクタイプを選ぶのがおすすめです。
■年間を通して紫外線ケアをしっかり行うことで、たるみを予防
たるみを引き起こす原因の1つには、紫外線によるダメージも挙げられます。紫外線(UV)ケアで気をつけたいのは、日差しの強い春や夏ばかり日焼け予防をしても、秋や冬にはつい無頓着になってしまいがちな点です。紫外線は日差しの強い晴れた日にだけ降り注いでいるものではなく、曇りや雪の日であっても空に太陽がありさえすれば、まったく浴びないという日はないのです。
ちょっと近場に出かけるときなどは「これぐらいなら大丈夫」と油断しがちになりますが、しっかりUVケアを行っておかなければ、紫外線のダメージは肌に蓄積してしまいます。毎朝しっかり紫外線カット効果のあるスキンケア品を使用し、季節を問わずにUVケアを隙なく行うようにしましょう。
■おわりに
この記事では、「たるみを防ぐスキンケア」についてご紹介しました。たるみを感じ始める以前からしっかり予防のお手入れを心がけるだけでも、10年後、20年後の肌が違います。もちろん、たるみを感じ始めてからでもスキンケアの見直しである程度の改善は見込めるかもしれません。しかし、目に見えるようなたるみが引き起こされてしまってからでは、スキンケアだけで劇的に改善させることは難しいでしょう。
毎日のお手入れをしっかり行うとともに、どうしても気になるたるみのお悩みは、美容医療で解決するという方法もあります。美容医療といっても、整形するなど大がかりなものとは限りません。切ったり傷つけたりせずに、たるみを改善して見た目年齢を引き下げられる治療法も今は豊富に用意されています。どうしても治したいたるみがあるなら、スキンケアの方法を変えてみるとともに、美容クリニックにお悩みを相談してみる方法も一案でしょう。