日常生活にはたるみの原因がいっぱい!保湿で予防しつつ、解消法の検討も

老け顔を強調してしまう顔のたるみは、少しでもそのサインを感じたら目立ってくる前になんとかしたいもの。特に、空気が乾燥しやすい季節にはお肌もハリ不足になりがちで、たるみも目立ちやすくなります。
この記事では、お肌のたるみと保湿の関係について取りあげます。「保湿でたるみは改善できるのか」「整形せずにたるみを治せる方法はあるか」など、たるみに関するさまざまな疑問にお答えしましょう。

この記事の監修ドクター

  • イデリア スキンクリニック代官山 院長
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 昭和大学病院皮膚科兼任講師
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
佐治 なぎさ先生

■保湿で改善できるたるみはおもに「毛穴の広がり」

まず、「保湿で改善が期待できるたるみ」が、実際にあるのかについてご説明しましょう。肌にうるおいを与え、それを持続させることで改善が見込めるたるみの代表的なものが「乾燥で皮膚表面がたるみ、毛穴が広がること」です。
30代を迎える頃から、若いときの毛穴の開きとは少し性質が異なる「毛穴の広がり」を気にし始めた方も多いはず。これは皮膚の表面がハリを失い、たるみが起こり始めて毛穴がゆるむことで開いて見えている状態です。
若い、ニキビ世代の頃の「イチゴ鼻」に代表される毛穴トラブルといえば、毛穴に皮脂などが詰まり、丸く大きく開ききってしまうもの。30代以降の「毛穴の広がり」は、それとは完全に異なり、丸かった毛穴がなんとなくぼんやりと大きく広がって下向きに見えてきます。
この毛穴の広がりに対して、早いうちに手を打つ方法の最たるものが「保湿」なのです。どんどん毛穴が目立ってくる前にスキンケア製品を年齢肌用のものなどに切り替え、皮膚の角質層にうるおいを補って持続させるお手入れを始めましょう。また、皮膚表面のたるみと同時に毛穴詰まりが起こると、さらに毛穴の広がりが目立ってしまいます。洗顔やクレンジングもしっかり見直し、肌に汚れを残さないようにしましょう。

■たるみの元を作らせない!効果的なたるみ予防法とは

毛穴のたるみよりもさらに深刻な「口元・目元のたるみ」が気になり始めた場合は、お手入れを見直しても時すでに遅し……ということも考えられます。目元や口元がたるみ始める前に保湿ケアを見直し、できるだけ予防することも考えましょう。
前の項目でご紹介した「毛穴の広がり改善」のお手入れは、ひいては目元・口元のたるみ予防につながります。つまり、日頃から保湿をしっかりして肌のハリを失わせないことで、毛穴も目立たなくなる上に皮膚がさらにたるむことも防止できるのです。

【毛穴が広がってきたら、さらなるたるみの「予告」かも】
「毛穴の広がりは、このあと目元や口元もたるんでしまう予告」と考えて、すぐに保湿ケアを徹底的におこないましょう。しかし、広告などで「ハリを取り戻す」などとうたっている基礎化粧品も、目元や口元がたるんでしまったら、それらを元に戻す効果はありません。あくまで「予防」の段階で取り入れてこそ効果的なものですから、「気にならないうちはまだ早い」などと考えず、先回りして対処することが大切です。

【乾燥する季節に肌がたるんで見えるのは何故?】
「空気が乾燥する時期は、なんとなくたるみを感じる……」という方も多いはず。これは、空気中の水分量がお肌のバリア機能と大きくかかわっていることも要因です。
空気が乾いてしまうと、皮膚の水分をどんどん奪おうとします。乾燥によって皮膚の水分が失われると、皮膚の新陳代謝など健康を維持する機能も低下してしまいます。同時にお肌を刺激から守るバリア機能も低下するため、さらに水分が外部へ蒸散してしまう悪循環となります。その結果、お肌はハリを失ってなんとなくたるんだ状態が続いてしまうのです。
さらにその状態を放置しておくと、本格的なお肌の老化現象につながってしまいます。乾燥する季節は特に、油断せずしっかりスキンケアで保湿をおこないましょう。

【目元や口元がたるみやすいのはどうして?】
お顔の中でたるみが目立ちやすい場所といえば、ほとんどの方が「目元」「口元」「頬」の3か所を挙げるでしょう。この3か所の共通点といえば「良く動かす部分」。さらに、目元と口元は粘膜部分が近いこともあり、皮膚そのものがとても薄くなっています。
皮膚の薄い部分を良く動かすことで、内側のうるおいが奪われやすい状態が続いて乾燥しやすくなり、たるみにつながるというわけです。乾燥がひどくなると皮膚の水分だけではなく、コラーゲンやエラスチンなどの弾力成分も失われやすくなります。目元や口元は、たとえ乾燥しない季節であっても保湿を怠らずに。

【紫外線も怖いたるみの元に!年間を通して予防を】
「UVカットを気にするのは夏だけ」と、思っていませんか?日差しが強い夏は紫外線量が多くなることは確かですが、だからといって秋や冬の紫外線量がとても少なくなるということはありません。季節を問わず、外出などで紫外線のダメージを受け続けると、たるみを含む「光老化」を招いてしまいます。春夏だけのUVケアではあきらかに不十分といえますから、年間を通して紫外線防止を欠かさないようにしましょう。
日焼け止めを塗ることはもちろん、帽子や日傘などでお顔に影を作って日が当たらないようにする工夫も忘れずに。

■たるみが取れる!保湿の裏ワザ?治療法を教えます

「たるみを取る」というと、なにやら整形手術のような大掛かりな治療を想像してしまいますね。でも今は、「美容医療なのに保湿」といえる、ちょっと不思議な治療法が選択できるようになっています。
そんな、切らずにたるみを取れる治療法として、「高周波やレーザーを照射する方法」が多く用いられるようになりました。照射によって皮膚のはたらきを高め、肌みずからがコラーゲンを産生する力を引き出すというものです。
スキンケアのような「与える保湿」では、せっかく補ったうるおいも肌表面の角質層までにしか浸透しません。でも、照射による治療では内側から肌を活性化する「生み出す保湿」を実現できるのです。
部分的なたるみを物理的に解消する方法としては、ヒアルロン酸注入などの治療も選べます。しかし、照射による治療は、お顔全体を引き締めてキリッとシャープにできるのが特長。輪郭のたるみなどにも効果的で、ダメージも最小限に抑えられるおすすめの治療法です。
また、照射によるたるみ治療は施術後のダウンタイムもほとんどなく、急に顔立ちが変わってしまう心配もありません。何度か繰り返し施術することで徐々にたるみを解消していきますので、治療していることが周りに知られるリスクも抑えられます。手術を伴わないため、自由診療ではあっても費用が比較的リーズナブルに済む点もメリットです。
スキンケアでは解消できないたるみも、レーザーや高周波を当てることで「肌の奥から保湿」しながら改善ができるようになったのですね。

たるみケア照射 くわしくはこちらこちら

■おわりに

この記事では、たるみを保湿によって予防する方法や、新しいタイプのたるみ治療である「レーザーや高周波の照射による治療」などをくわしくご紹介しました。1度お肌がたるんだら、整形しなければ治らないと思っていた方も少なくないかもしれません。でも、今なら切ったり縫ったりしなくても、安全にたるみ解消ができる方法を選べるようになりました。
普段は、紫外線対策とスキンケアによる保湿をしっかりおこなってたるみ予防につとめましょう。その上で、どうしても気になり始めたたるみをなんとかしたいと思い始めたら、比較的気軽に受けられる美容医療という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

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